先日、元新潟精密の開発責任者の方々とお会いすることができた。
いまだにFN1242Aを楽しんでいることに驚いておられた。
新潟精密が出したフルーエンシ理論によるDACにFN1241があり、幾つかのメーカーで製品化されたが、FN1242AはLUXMAN等が製品化したきりで、ほとんど世に出ていないことがわかった。
また、FN1242にデジタルアンプを追加したFN1245という全く世に出なかった幻のDACもあったのだそうだ。
FN1241は今でも秋月で買える。PCMのみであればこれでフルーエンシーでデータ補完されたアナログ的な音が聴ける。
ところで、FN1242Aについて、新たに確認できたことがあった。
(25.1.17 追記)
* 先日ようやく元新潟精密の技術の方に確認がとれて、アナログ段のLPFは、詳細は不明ですが、3ビットΔΣ変調後の信号を、抵抗とコンデンサのLPFでアナログ変換しているとのことでした。つきましては、以下文中のFIRフィルターはCR_LPFに訂正します。不正確な情報を書いたことを深くお詫びいたします。
それは、FN1242Aに入力されたDSD信号は、デジタル回路をパスして(要するにフルーエンシー補完はされずに)、直に、FIRフィルターに入りアナログ化されているということだ。
FN1242Aの音の良さは、フルーエンシーフィルターだけでなく、このFIRフィルターにもあったのだ。
DSD信号に対しては、FN1242AはDSD原理基板そのものだということ、だ。
これまで、エレアトさんややなさんのDSD原理基板を作ってきたが、TAPを多くすると抵抗やコンデンサの部品が多くなり、精度を上げることが難しくなるし、良い部品を使おうとするととても高価になる。
そのDSD原理基板がこのチップのなかで精度高く作られているわけで、もちろん、素晴らしい音が出てくるのであるから、まさに最高のDSD原理基板だといえるだろう。
残念ながら、DSD原理基板を手作りするなら、その手間と精度の実現を考えると、FN1242AをDSD原理基板として使う方が遙かに簡便で安価で音もいい。
それにしても、こんな素晴らしいDACチップがほとんど日の目を見ず埋もれ在庫も残り少ないというのは返す返す残念なことだ。マスクは残っていないが、設計図はあるようなので、誰か再度製造してくれないものだろうか。と質問したら、数千万円かかるので難しいだろうとのことであった。
オーディオメーカーには音のソムリエのような人がおり、こうした人は自分の音を守りたいがためにフルーエンシー理論がお好きではなかったようだ。フルーエンシーの周波数特性か何かのスペックが他のDACチップに比べると落ちるらしく、メーカーのメンツ上それを公表できなかったそうで、なかなか採用してくれなかったらしい。ただし、ブラインドで試聴テストをすると、誰もがフルーエンシーの音の方を選んだのだそうだから情けないことだ。
このチップの音には間違いなく音力がある。デジタルの美しく奇麗なスッキリとした音ではなく、アナログ的で艶のある音が特色だ。こんなチップ他にはない。
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