2019年7月15日月曜日

最近のPCオーディオ再生ソフト

今年に入り、様々なPCオーディオ再生ソフトの紹介をしてきました。このあたりで中間の取り纏めをしてみたいと思います。

Foobar2000(無料、Windows)
ネットワーク対応(サーバー、レンダラー)

初めて出会った本格的なオーディオ再生ソフトがFoobar2000です。プラグインを使うことで、様々な機能を追加できることに感激しました。音も良くリッピングでもできてまさにPCオーディオの創成期を支えた貴重なソフトです。

真っ先にDSDに対応したり、upnpネットワークオーディオに対応したりと、常に最先端の新しいプラグインが追加され、今でも古さを感じることはなく、最先端の再生ソフトであり続けています。無料でこれだけの機能は素晴らしいと思います。

VoyageMPD (無料、Linux)
MPDネットワーク対応
みみず工房のyoさんからLinuxの素晴らしさを教えていただき、VoyageMPDに夢中になりました。ネットワーク対応が基本で、MPDをAlix等のMiniPCで起動しておき、別のWindowsPCでgnomeなどのソフトを使って再生します。

yoさんがファイルを公開したり詳細な解説をしていただいたことでなんとか楽しむことができましたが、それでもLinuxの知識が必要で、SSHやViを使ったりと、素人には敷居が高いものでした。

音質的には、解像度が高く非常に綺麗な音ですが、なんとなく力強さが足りない感じでした。しかし、高音質の鍵は、簡潔なOSと簡素なPCとネットワークなのかもしれないと気づかせてくれたソフトでした。

JRMC (有料、Windows、Mac、Linux)
DLNAネットワーク対応(サーバー、レンダラー)
JRMCは、高音質なのですが、オーディオだけでなくビデオの再生など様々な機能がついたオールインワンソフトです。有料でかなりのテンポでアップデートされるのですが、何が変わったのかわからないアップデートが多く、また、高機能すぎて使わない機能も多く、もっとシンプルなものが欲しいと思わせるソフトです。再生ソフトとしてのGUIはあまり洗練されてはいませんが、DLNA機能をONにすれば、JRemoteを使ってタブレットから操作できるのでとても便利です。

LightMPD/upnpgw (無料、Linux)
upnpネットワーク対応(レンダラー)
Windows勢の攻勢にLinux勢も黙ってはいません。まずは、デジファイの音さんの「LightMPD」ですが、upnpgwバージョンでは、MPDでありながらUPNPネットワークオーディオに対応し、kinskyなどのコントロールポイントで操作することができるようになりました。

しかも、LinuxなのにLinuXの知識は不要で、全ての作業をWindowsPCで終わらせることができます。SDカードにイメージをインストールし、用意されたコンフィグ・ファイルの一部分を、自分の環境に合わせで変更するだけで使えるという画期的なソフトです。

音質は落ち着いた感じの綺麗で上品な音です。非常に高音質で、HQPlayerやJPLAYと引けを取りません。対応するPCも産業用PCのALIXやラズパイやCUBOXなど低価格のMINIPCが使えて非常に経済的です。

Daphile (無料、Linux)
ネットワーク対応(レンダラー、サーバー)
数年前からマニアの間では評判でしたが、今年になって俄然注目され始めたがLinuxベースのDaphileです。従来のソフトとはインストールや使い方がやや異なります。PCのストレージやUSBメモリにインストールしたらDaphileを起動します。設定や楽曲の再生などのコントロールは、別のPCのブラウザーから行います。(upnp化しなくても)デフォルトの設定で iPad の iPeng が使えるのも便利です。

そして、その音質は鮮烈で解像度が高く抜けるような爽快さがあり驚くほど高音質です。こんな音はかつて聴いたことがありません。これまでの高音質ソフトはとどちらかというと綺麗で滑らかで上品な音に仕上げているという印象がありますが、Daphileはそうした仕上げをしない鮮烈そのものの音で、高域も中域も低域も底の底から全て出し切っているという感じです。

とは言っても、決してとげとげしい音ではなく、聴いていて本当に気持ちの良い音です。古い音源を聴くと、昔レコードで聴いた時のような懐かしさを感じます。どのソフトより本物っぽい音で、いつまでも聴いていられる音です。私の好みもありますが、このソフトが現在最も高音質だと思います。

HQPlayer 3(4) Desktop+roon (有料、Windows,Mac,Linux)
roonでネットワーク対応
あの貧弱なGUIでどうしようもなかったHQPlayerが、roonと組んで復活を遂げました。上記はroonの画面ですが、先のHQplayerの画面と比べると天と地の違いがあります。

roon の斬新かつ先進的なユーザーインターフェースに、HQPlayerの高音質が加われば、もはや最強というべきでしょう。しかも、インストールや設定も簡単で、これまでPCオーディオを傍観しておられたハイエンドの方々にも好評のようです。

ただし、roonもHQPlayerも有料で、両方合わせるとそれなりの高額になり、導入のハードルは少し高いかなと思います。

音質は、LightMPDとよく似た綺麗で透明感のある落ち着いた音です。ただしHQplayer単独の方がいい音ですが、roon があってこそのHQPlayerなのでこの辺りは止む無しでしょう。

TuneBrowser(無料、有料もあり、Windows)
OpenHomeネットワーク対応(レンダラー)
知名度は高くないのですが、Windows勢で忘れてはならないのは、TuneBrowserです。Windowsにインストールするだけでほぼそのまま使える超簡単なインストールです。設定項目はかなりの数がありますが、ほぼデフォルトでOKです。

一見何の変哲もない普通の再生ソフトに見えますが、その音質は群を抜いています。Daphileと並ぶほどの高音質で、これにはびっくりです。私の好みの音です。

Windows10にインストールするだけで簡単に使えますし、OPENHOMEのネットワークオーディオに対応しているので、タブレットのコントロールポイント(fidataなど)からの操作でもできます。機能制限なしで無料で使えますが、楽曲が500曲を超える場合は有料版を使いましょう。

Ubuntu StudioPCオーディオ版(無料、Linux)
Audacious
最近は、Ubuntu StudioPCオーディオ版というのもあります。プロ仕様のJackを使わず直でALSAを使うようにカスタマイズしたものらしく、密かに人気です。これもUbuntu Studioをインストールしてしまえば、ほぼそのままAudaciousで再生が可能です。非常に簡単で、音もHQPlayerやLightMPDとよく似た素晴らしい音です。ただし、ネットワークには対応していないのでデスクトップオーディオとなります。



2 件のコメント:

  1. JPLAYは DACの差とか ドライバー CPUの差が出やすいのですが
    Daphileの音は セッティングDAC インシュレーターとか 電源ケーブルの差は
    でますが DACの種類と価格差による音の差が スポイルされる感じがしました。
    この検証は 時間がかかりそうです。
    PC の電源のケーブル タップ等の差も 聞き取りやすく PC自体による差も
    感じます。

    返信削除
  2. foobar2000 for Mac (パブリックベータ版)が公開されてます。

    https://www.foobar2000.org/mac

    返信削除