2011年3月23日水曜日

VoyageMPD のまとめⅠ

Ⅰ VoyageMPDを始める前に


1  VoyageMPDって何?
VoyageMPDは、VoyageというLinuxにMPD(music player demon)という音楽再生用のサーバーソフトをセットにしたもの。

Voyageは、OSの機能を音楽再生に必要な最低限のものに絞り込んだLinuxOS。MPDは、ネットワークで音楽を再生する為のサーバーソフトで、別のPC上にあるMPDのクライアントソフトから音楽の再生の命令を受けて、音楽の再生を行う。

MPDクライアントPC(再生命令)→LAN→ MPDサーバーPC(音楽再生)→ DAC
(Windows,Mac,Linux)                       (VoyageMPD)   

MPDサーバーPCは、音楽の再生だけに特化するので、ソフトウエアもハードウエアも余計な機能を極力絞ることができる。結果的に音質の向上が期待できる。

使い方は、MPDクライアントソフト(音楽再生ソフト)で聴きたい楽曲を選択するだけだ。再生命令はLAN経由でMPDサーバーに伝えられ再生される。ユーザーは、MPDサーバーを意識することは全くない。

MPDクライアントPC → MPDサーバーPC → DDC → DAC → AMP → SP
                                      ↑
                                   NASなど


2 VoyageMPDに必要なもの
①MPDクライアント用のPC
負荷がほとんど掛らないので、普段使っているPCの片隅で問題なく使える。

②MPDサーバー用のPC
VoyageMPDをインストールするPC。VoyageMPDはファイルサイズが全部で260MB程度と非常に小さい。CPU負荷も小さくメモリも多くは消費しない。高いスペックは不要で古いPCでも十分だ。

通常は電源のONOFFをするだけのブラックボックスになる。ラックの片隅に置いておける工業用のミニPCを利用するのもいい。
PCENGINES(http://www.pcengines.ch/index.htm)のALIX3D2が$99と安くお勧め。国内ではヤマモト・ツール・ワークスで入手できる。
http://www.ytw.co.jp/catalog/


③楽曲の入ったストレージ
楽曲の入ったストレージは、MPDサーバー用PCの内蔵HDD、MPDサーバー用PCの外付USB-HDD、LAN上のクライアントPCの内蔵HDD、LAN上のNASなどが考えられる。MPDサーバーPCの余計なハードを省く観点から、またデジタルデータの管理上からもLAN上のNASをお勧めする。

④ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)
LANというと難しく聞こえるが、インターネットを使っている家には、必ずインターネット接続用のルーターが設置されており既にLANは構築済み。このLANに上記2台のPCをLANケーブルで接続する。
ルーターに接続ポートが余っていれば、そこに差し込む。空きがなければハブで拡張する。スイッチ・ギガbitのハブが数千円で買えるので一つ購入されることをお勧めする。

3 VoyageMPDのインストールは難しいか?
WindowsやMacを使ってきたパソコン愛好者にとってLinuxはやっかいだ。作業は、WindowsやMacでは当たり前のグラフィックな画面(GUI)ではなく、黒い画面でコマンドを打って(CUI)行う。Linuxの構造やコマンドなども何が何だかかさっぱりわからない。

Linuxには様々な種類がありバージョンがあり、これが違うとコマンドや文法も異なりアップデートすると使えなくなる機能もある。ネットで検索しても、これらの違いがはっきりせず使えないことも多く、また、最新のバージョンについてはほとんど情報がない。

VoyageもDebian系のLinuxである。一般の人がこれを基本から理解しようと思ったら相当の覚悟が必要だ。単にMPDを試してみたいだけで、そこまでやることはあり得ない。

それでも見よう見まねで何度もVoyageMPDのインストールをやって思ったのは、VoyageMPDのインストールが案外簡単だということだ。

インストールに必要なのは、決まったコマンドと決まった設定項目だ。呪文だと思い決められた通りやれば案外簡単にできてしまう。Linuxの知識もほんの少しで十分だ。

むしろ問題なのは、Linuxのコマンドや文法などではなく、HDDのパーティションの設定や他のOSとのマルチブート環境などだ。

Voyageをインストールする際に、どのパーティションにインストールするのか指定する必要がある。しかし、素人には何のことか分らず、うっかり進むとHDDの中身が全て消えてしまう。非常に危険な作業だ。また、Windows、ubuntu、VoyageMPDなどをマルチで起動させたい時も、VoyageMPDをインストールするとWindowsもubuntuも起動できなくなってしまう。

ここで心が折れて挫折してしまうケースが最も多いのではないだろうか。

しかし、心配はいらない。1つのHDDにVoyageMPDだけを単独でインストールして使うのなら、パーティションやブートローダーのことなど何も知らなくても問題なくインストールできるからだ。

よほど詳しい人以外は、1つのHDDにVoyageMPDだけをインストールすることをお勧めする。これなら難しいことを全て素っ飛ばして、誰でも簡単にインストールできる。

4 VoyageMPDに必要な知識
(1) IPアドレス
VoyageMPDはLAN上で動くので、IPアドレスのことは簡単でいいから知っておく必要がある。以下は参考までに。

IPアドレスは、その名のとおりネットワーク上の宛名に相当するもので、インターネットやLANでは、全ての機器にIPアドレスという番号が1つ振り分けられていて、IPアドレスを使って相互に通信を行っている。

IPアドレスは 0~256 の数値を4つ  .  で繋げて表示される。
  IPアドレスの範囲:0~255.0~255.0~255.0~255
  IPアドレスの例 :192.168.0.1

全世界で、0.0.0.0255.255.255.255 までの256の4乗(4,294,967,296)個の数値がIPアドレスとして使われている。

インターネットで使うIPアドレスは、グローバルアドレスといい、重複使用は絶対に許されないが、一般家庭のネットワークは、家庭内で閉じているので、全ての家庭が同じ 192.168.0.0~192.168.255.255 までのIPアドレスを使うことが認められている。これをプライベートアドレスという。

プライベートアドレスでは、左から3つがネットワーク番号、最後の1つがホスト番号となる。1つのネットワーク番号に対して、パソコンなどLANに接続する機器1つ1つにホスト番号が割り振られる。ネットワーク番号とホスト番号を合わせてIPアドレスとなる。

一般的には家庭ではネットワークは1つで使っているが、ネットワークを2つに分けることもできる。その場合は、192.168.0と192.168.1といった具合にネットワーク番号を変える。ただし、ネットワーク番号が違う機器同士は通信ができないので、そうした場合はルーターを使って通信を行う。

ルーターは、別のネットワークやインターネットと接続するための機器だが、他の重要な機能にDHCP(Dynamic HostConfiguration Protocol)がある。これは、LANに接続する機器に自動的にIPアドレスを貸与するという機能で、機器がLANに接続されると自動的に2,3,4・・・とホスト番号が貸与されていく。

このおかげでユーザーはIPアドレスを全く意識することなくLAN上で通信ができる。非常に便利な機能だ。

家庭用ルーターは、出荷時のネットワーク番号が192.168.0192.168.1に設定されておりで、ルーターのIPアドレスも、192.168.0.1192.168.1.1となっている。

なお、機器を頻繁に繋いだり外したりしていると、貸与されたホスト番号が変わってしまうことがある。ホスト番号が変わると困る場合は、DHCP機能を使わずに、手動で各機器に固定的にIPアドレスを設定することもできる。

自分のPCのIPアドレスを知るには、Windowsでは「すべてのプログラム」「アクセサリー」「コマンドプロンプト」で「ipconfig」と打ち込むと下記のとおり表示される。

        IP Address   . . . . . . . . . . . . : 192.168.0.3
        Subnet Mask  . . . . . . . . . . . : 255.255.255.0
        Default Gateway . . . . . . . . . : 192.168.0.1

この例では、192.168.0.3がPCのIPアドレスである。サブネットマスクとは255で隠した(マスク)部分がネットワークであることを示しており、この場合、192.168.0までがネットワーク番号で、3がホスト番号であることを示している。一般家庭ではDefault Gatewayはルーターのことである。

(2) LinuxのHDDの表示
Linuxでは、内蔵HDDは /dev/sda、外付HDDは /dev/sdbと表示される。パーティションを作ると、/dev/sda1, /dev/sda2, /dev/sda3 といった具合に順番に番号が振られていく。

パーティションは4つまでしか作れないが、4つ以上のパーティションを作りたい場合は、4番目のパーティションを拡張パーティションにして、その中に、論理パーティションをつくることで可能になる。

(3) SSHソフト
SSHソフトは、MPDクライアントPCからMPDサーバーPCをリモートでコントロールする非常に便利なソフトだ。


SSHソフトを立ち上げて、MPDサーバーPCのIPアドレスを入力すると、MPDサーバーPCに接続しその画面が表示される。以後、SSHの画面からMPDサーバーPCへのインストール作業ができるようになる。


SSHソフトを使う最大のメリットは、面倒なLinuxのコマンドの入力をコピペで入力できることだ。クライアントPCで、インストール手順を書いたサイトを開き、そこに書かれているコマンドをそのままコピーして、SSHの画面に張り付けるだけで、どんどんインストールを進めていくことができる。コピペだから入力ミスもない。長く面倒なコマンドを打ったり覚える必要がないので、素人でも簡単にインストール作業ができる。

個人的にはSSHソフトはPuttyが使いやすいと思う。
http://www.chiark.greenend.org.uk/~sgtatham/putty/download.html

(4) エディター vi
VoyageMPDをインストールする際、様々な項目の設定が必要になるが、必要項目は既にデフォルトで設定されており、ユーザーは、デフォルト設定のほんの一部を自分の環境に合わせて書き換えるだけで済むので設定は非常に簡単だ。

その設定項目を書き換える道具がエディターで、Linuxには標準で vi というエディターが用意されている。

ただし使い方がちょっと特殊で最初は少し戸惑うが、シンプルで簡単なので使い方を覚えてしまおう。

(5) Vi の使い方
*viを使う前に必ず remountrw コマンドを打つ。そうしないと保存ができないので注意。

①テキスト内の移動
矢印キーで上下左右移動する

②文字入力
[ESC]に続けて i を押してからキーボードで文字を入力する。


③文字・行の削除・コピペ
[ESC]に続けてコマンドを押す。

      [コマンド]
       x           1文字削除
       yy         1行コピー
       dd         1行削除
       p           コピーした内容を貼り付け
       ctrl + f   前ページ
       ctrl + b   次ページ


③保存・終了
[ESC]につづき キーを押すと、最終行に : が表示されるので続けてコマンドを入力・改行する。

      w  改行    ファイルの保存 
      q!  改行  保存せず終了
      wq  改行   保存して終了

他にもコマンドがあるので他の紹介サイトを参照。
http://net-newbie.com/linux/commands/vi.html