Ⅱ VoyageMPDのインストール手順
1 準備
(1) 前提・確認事項
・インストールするための
CDドライブがあること。
・USB-DDC,DACなど
オーディオデバイスが接続されていること。
・クライアントPCとMPDサーバーPCが
LANケーブルでLANに接続されていること。
・クライアントPCに
SSHソフト(PuTTYなど)がインストールされていること。
・HDDは内蔵 /dev/sda とし、
パーティションは1つ /dev/sda1 とする。
・VoyageMPDのみインストールし
マルチブートはしないものとする。
・楽曲はLAN上の
NASに置く。楽曲フォルダーの共有名は
shareとする。
・IPアドレスは以下の通りとする。
ルータ(デフォルトゲートウエイ) 192.168.0.1
クライアントPC 192.168.0.2
NAS 192.168.0.3
MPDサーバーPC 192.168.0.4
ネットワーク 192.168.0.0
サブネットマスク 255.255.255.0
ブロードキャスト 192.168.0.255
DNSサーバー 192.168.0.1
MPDサーバーPC(これからインストールするPC)での作業
(2) LiveCDからVoyageMPDを起動
① LiveCDの作成
② LiveCDからVoyageMPDを起動する
MPDサーバーPCのCDドライブからLiveCDを起動しメニューでインストール開始。CDのVoyageMPDが立ち上がる。立ち上がったら、
login as: root
password: voyage
と入力しログインする。
IPアドレスがルータから自動取得(DHCP)されているので、それを確認する。
root@voyage:~# ifconfig
でIPアドレスが表示されるので、それを次のPuttyの起動時に使用する。
クライアントPC(WindowsPCなど)での作業
(3) SSHでインストール作業を開始
PuTTYを起動
PuTTYを起動して、Configurationの画面のHost Nameのところに、先ほど確認したIPアドレスを入力する。Portは22のままでOK。この設定をSaving SessionsでVoyageMPDなどと名前をつけて保存(Save)しておく。次回起動時はLoadすれば設定が出てくる。これでOKを押すと、Puttyの画面に、VoyageMPDを起動したパソコンの画面が映し出される。
最近のvoyageMPD LIVE CDでは、IPアドレスがわからなくても、Host Nameのところに、
voyage.local
と打ち込めば、勝手に接続してくれるので楽になった。
ここでも、login as: root、password: voyage と入力しログインする。以後は、この画面で全てのインストール作業を行っていく。
(4) インストール手順のサイトを表示しておく
以降はすべてSSHソフトの画面での作業となる
2 VoyageMPDのインストール
「root@voyage:~#」以下の赤い部分をSSHの画面にコピペして作業を進めていく
(1) インストール用デレクトリーを用意する
root@voyage:~# mkdir /tmp/root /tmp/cf
root@voyage:~# mount -o loop /live/image/live/filesystem.squashfs /tmp/root
*最新バージョンの場合
root@voyage:~#
mount -o loop /lib/live/mount/medium/live/filesystem.squashfs /tmp/root
root@voyage:~# cd /tmp/root
(2) HDDのパーティションを確保する
OSをインストールするには、HDDのパーティションを確保する必要がある。ここでは、以下の2とおりの方法を記載する。(HDDの内容がすべて消える可能性もあるので十分な注意が必要。)
A 既存のパーティションをすべて削除して、新規にパーティションを作成する方法。⇒ ①へ
B パーティションの削除や作成は行わず、既存のパーティションを再フォーマットして再利用する方法。すでに既存のパーティションがあるならこの方法が最も無難。⇒ ③へ
① 接続されているHDD を確認する
root@voyage:/tmp/root# fdisk -l
Device Boot Start End Blocks Id System
/dev/sda1 1 1000 801218
/dev/sda2 1000 2000 801218
② パーティションの削除・作成
root@voyage:/tmp/root# fdisk /dev/sda
command( m for help) : となってコマンドの入力を促される。
(HDDを全て消しても問題ないことが前提なので、恐れずにやってみよう。)
[コマンド]
---------------------------------------------------------------------
m オプションを見る
p パーティション情報を確認
n 新規パーティション作成
w 反映
d 削除
t システムタイプの変更
---------------------------------------------------------------------
A 既存のパーティションをすべて削除して、新規にパーティションを作成する方法。
既存のパーティションがなければ、すぐに新規作成する。
既存の sda2 を削除する
root@voyage:/tmp/root# fdisk /dev/sda
command (m for help): d *パーティションを削除する
Partition number (1-2): 2 *削除するパーティションはsda2
command (m for help): w *設定を反映させる
既存の sda1 を削除する
root@voyage:/tmp/root# fdisk /dev/sda
command (m for help): d *パーティションを削除する
Partition number (1-2): 1 *削除するパーティションはsda1
command (m for help): w *設定を反映させる
新規に sda1 (基本パーティション)を作成する
root@voyage:/tmp/root# fdisk /dev/sda
command (m for help): n *パーティションを作成する
command action
l logical (5 or over) *論理パーティションを作るなら l
p primary partition (1-4) *基本パーティションを作るなら p
p *基本パーティションを作るのでPを選択
Partition number (1): 1 *パーティション番号は1
First cylinder (1-2000, default 1): 1
*パーティションの最初のシリンダーを指定する、通常は1、改行でも可。
Using default value 1
Last cylinder, +cylinders or +size{K,M,G} (1-2000, default 2000): 2000
*HDDを全てsda1の領域にするので2000とする。デフォルトも全てなので
そのまま改行でも可。
パーティションを分割する場合は、その容量を数値で入れる。
+K,+M,+Gでの設定も可(例えば+20Gなら20GBのディスク容量を確保する
意味、これの方が分かりやすい)。
Using default value 2000
command (m for help): w 設定を反映させる
③ パーティションをフォーマットする
フォーマットするパーティションを確認する
root@voyage:/tmp/root# fdisk -l
Device Boot Start End Blocks Id System
/dev/sda1 1 2000 801218
ext2でフォーマットする
root@voyage:/tmp/root# mkfs.ext2 /dev/sda1
ext2 の設定条件を変更する
root@voyage:/tmp/root# tune2fs -c 0 /dev/sda1
(3) インストール開始
root@voyage:/tmp/root# /usr/local/sbin/voyage.update
インストールを開始するとインストーラーがどんどん質問を投げてくる。これに答えていく。ただし、defaultで番号が選択されているので、よければ改行を押して進む。
① 新規かアップデートか?
What would you like to do?
1 – Create new Voyage Linux disk
2 – Update existing Voyage configuration
3 – Exit
(default=1 [Create new Voyage Linux disk]): 改行
② インストールするディレクトリーは?
Where is the Voyage Linux dustribution directory?
(default=/tmp/root): 改行
③6つの 質問メニューがでてくる。(1は上で済み)
What would you like to do?
1 – Specify Distribution Directory
2 – Select Target Profile
3 – Select Target Disk
4 – Select Target Bootstrap Loader
5 – Configure Target Console
6 – Partition and Create Filesystem
(default=2 [Select Target Profile]):改行
2 – Select Target Profile
Please select Voyage profile:
1 – 4501
2 – 4511/4521
3 – 4801
4 – 5501
5 – ALIX
6 – Generic PC
7 – Notebook (pcmcia)
8 – WRAP
(default=6 [Generic PC]): 6
3 – Select Target Disk
Partitions information
major minor #blocks name
8 0 58605120 sda
8 1 2048256 sda1 *ここにインストールする
8 2 8192000 sda2
8 3 40957717 sda3
8 4 7404544 sda4
8 16 3915776 sdb
8 17 2048821 sdb1
8 18 1864340 sdb2
7 0 80348 loop0
7 1 80348 loop1
Which device accesses the target disk [/dev/hde]? /dev/sda
Which partition should I use on /dev/sdc for the Voyage system [
1]?
1
Where can I mount the target disk [
/tmp/cf] ?
改行
4 – Select Target Bootstrap Loader
Which loader do you want (grub or lilo) [grub]? 改行
Which partition is used for bootstrap [1]? 改行
5 – Configure Target Console
Select terminal type:
1 – Serial Terminal
2 – Console Interface
(default=2 [Console Interface]): 改行
6 – Partition and Create Filesystem
What shall I do with your Flash Media?
1 - Partition Flash Media and Create Filesystem
2 - Use Flash Media as-is
(default=1 [Partition Flash Media and Create Filesystem]): 2
7 Copy Distribution to Target
選択結果が表示される。問題なければyで改行。
Configuration details:
----------------------
Distribution directory: /tmp/root
Disk/Flash Device: /dev/sda
Installation Partition: /dev/sda1
Bootstrap Partition: /dev/sda1
Will be mounted on: /tmp/cf
Target system profile: Generic PC
Target console: standard
Bootstrap installer: grub
Bootstrap partition: /dev/sda1
OK to continue (y/n)? y
④ インストールが開始される。
Ready to go ・・・
Copying files ・・・ done
⑤ 質問を終了する
デフォルトで改行。
(default=8 [EXIT]):改行
⑥ root@voyage:/tmp/root#に戻ったら終了
⑦ CD-ROM を取り外して再起動する。
root@voyage:/tmp/root# reboot
3 VoyageMPDの設定
2001/5/18追記 これまでエディターは vi を使う前提で書いてきましたが、このLinux標準のエディターは非常に使い勝手が悪いものでした。
vi に変わる非常に使いやすいエディターを見つけたので、是非これをお使いください。
これ以降の文中の vi と書いたところは jed と読み替えて使ってください。
参照 http://asoyaji.blogspot.com/2011/05/vijed.html
jedのインストール
root@voyage:~# apt-get install jed
jedの使い方
root@voyage:~# jed /etc/mpd.conf
(1) vi の変更を保存できるようコマンド入力
root@voyage:~# remountrw
(2) 日本時刻を設定
root@voyage:~# dpkg-reconfigure tzdata
GUI 画面で Asia → Tokyo を選ぶ
(3) .bashrc の最終行に以下の3行を書き込む
root@voyage:~# vi ./.bashrc
remountrw
/etc/init.d/mpd restart
:wq
(4) IP アドレスの固定化
一般の家庭では、ルーターのIPアドレスは、192.168.0.1か192.168.1.1です。
なので、PCのIPアドレスは、192.168.0.2~254、192.168.1.2~254になります。
ルータは、LANに接続するPC等にIPアドレスを自動的に貸与(DHCP機能)するのですが、貸与するIPアドレスの番号が度々か変わってしまうことがあり、そうなると困ることにまります。
そこで、ルーターのDHCP機能を使わずに、手動でIPアドレスを固定設定してしまうと安全です。
DHCPを使わずIPアドレスを手動で固定設定する方法。
root@voyage:~# vi /etc/network/interfaces
auto eth0 の以下の部分を書き換える
#iface eth0 inet dhcp *dhcpは使わないので#を付けて無効にする
この下に以下を書き込む
ルーターが192.168.0.1なら
iface eth0 inet static
address 192.168.0.4 (固定するIPアドレス、他のPCで使っていない番号にすること)
netmask 255.255.255.0
network 192.168.0.0
broadcast 192.168.0.255
gateway 192.168.0.1 (ルーターのIPアドレス)
dns-nameservers 192.168.0.1 (ルーターのIPアドレス)
:wq
ルーターが192.168.1.1なら
iface eth0 inet static
address 192.168.1.4 (固定するIPアドレス、他のPCで使っていない番号にすること)
netmask 255.255.255.0
network 192.168.1.0
broadcast 192.168.1.255
gateway 192.168.1.1 (ルーターのIPアドレス)
dns-nameservers 192.168.1.1 (ルーターのIPアドレス)
オンボードのオーディオ・デバイスがあるなら、BIOSで無効にしておく。
BIOSで無効にできるなら以下の作業は不要!
ただし、BIOSでオンボードのオーディオ・デバイスを無効にできないPCもある。その場合、PCを起動するたびにデバイス番号が変わってしまい、そうなると音が出ない。
そこで、デバイス番号が変わらないように固定してしまう。
オーディオ・デバイスの番号を確認する
root@voyage:~#
cat /proc/asound/cards
0 [Intel ]: HDA-Intel - HDA Intel
HDA Intel at 0xee240000 irq 17
1 [default ]: USB-Audio - Phase Tech UDIF7
KYODO Phase Tech UDIF7 at usb-0000:00:1d.0-1, full speed
0 はオンボードのオーディオデバイス、
1 はUSBのオーディオ・デバイス
デバイス番号を1に固定する
root@voyage:~#
vi /etc/modprobe.d/alsa-base.conf
-2を1に書き換える
変更前 options snd-usb-audio index=-2
変更後 options snd-usb-audio index=1
:wq
(6) mpd.conf の設定
MPDの数々の設定は既にmpd.confに書き込まれているので、必要な項目のみ書き換えたり、コメント「#」をつけたり外したりする。#が付くと無効、#を外すと有効になる。
root@voyage:~# vi /etc/mpd.conf
#bind_address "localhost" *これは必ず#を付けること!!
audio_buffer_size "1024" *#を外し各自で数値を調整する
buffer_before_play "30%" *#を外し各自で数値を調整
デバイスがUSBだけの場合
# An example of an ALSA output:
#
audio_output {
type "alsa"
name "My ALSA Device"
device "hw:0,0" # optional
# format "44100:16:2" # optional
# mixer_device "default" # optional
# mixer_control "PCM" # optional
# mixer_index "0" # optional
}
# An example of an ALSA output:
#
audio_output {
type "alsa"
name "My ALSA Device"
device "hw:
1,0" # optional
*上記設定の1にする
# format "44100:16:2" # optional *#で無効にする
# mixer_device "default" # optional *#で無効にする
# mixer_control "PCM" # optional *#で無効にする
# mixer_index "0" # optional *#で無効にする
再生ソフトで音量調整する場合は、
mixer_type "software" #を外し有効にする
再生ソフトで音量調整しない場合は、
mixer_type "disabled" #を外し有効にする
最終行にも記述されているので#を付けるか外すか確認する
:wq
mpd をリスタート
root@voyage:~# /etc/init.d/mpd restart
(7) 楽曲のあるHDDディレクリーにマウントする
楽曲を再生するには、楽曲を保存してあるHDDをVoyageMPDが認識できるようマウントしておく必要がある。
楽曲は、WindowsPCでリッピング・保存しバックアップしたりと日常的な管理が大事です。
Windowswで楽曲管理しながらVoyageで再生できる利便性を考えると、NASが一番便利でお勧めです。
内蔵HDDは不便なのでお勧めしませんし、USB-HDDも気軽で便利ですが、楽曲管理する際に、一々VoyagePCから外してWindowsPCに繋ぎ換えなければならす不便です。
以下はNASの設定です。
外付USB-HDDなどに楽曲がある場合は以下を参照
http://asoyaji.blogspot.com/2011/04/voyagempdhdd.html
fstabにマウントの設定を記述をしておくと、起動時に自動でマウントしてくれる
root@voyage:~#
vi /etc/fstab
fstabの最終行に以下の1行を書き込む
//192.168.0.3/xxxx /music cifs username=yyyy,password=zzzz,uid=root,iocharset=utf8 0 0
:wq
--------------------------------------------------------------------------
//192.168.0.3/xxxx (NAS のIP アドレスと共有フォルダ名xxxx、バッファローならshare )
/music (voyage のマウントポイント )
cifs (インターネット経由でファイル共有を可能にするプロトコル)
usersername=yyyy (WindowsPC のユーザー名yyyyを指定)
password=voyage (voyage のパスワード=voyage) *NASのパスワードのようです。無しなら不要です。
uid=root (voyage のユーザー名=root)
iocharset=utf8 (NAS の日本語のディレクトリーやファイル名を表示できるようにする )
-------------------------------------------------------------------------
Voyageのマウントポイントを作成
root@voyage:~# mkdir /music
fstabのマウントを手動で実行(NASの楽曲が /music にマウントされる)
root@voyage:~# mount -a
/musc を /var/lib/mpd/music にリンクする
voyageの音楽データはmpd.confの中で、/var/lib/mpd/music に置くように設定されているので、マウントした /music を更に /var/lib/mpd/music にリンクする。これで楽曲が /var/lib/mpd/music に表示され、VoyageMPDは楽曲を再生できるようになる。
root@voyage:~# ln -s /music /var/lib/mpd/music
(8) ctrl + alt + del で電源オフ
root@voyage:~# vi /etc/inittab
変更前 ca:12345:ctrlaltdel:/sbin/shutdown -t1 -a -r now
変更後 ca:12345:ctrlaltdel:/sbin/shutdown -t1
-h now
:wq
以上で全てのインストール・設定作業は終了。
4 MPD クライアントソフトのインストール
(1) Windowsで使えるクライアントソフト
・Gmone Music Player
・Music Player Minion
(2)「Music Player Minion」の場合
① インストール
・「Music Player Minion」はFireFox のPlugin として動作するソフト。
・FireFox(http://mozilla.jp/firefox/)のインストールが必要。
・FireFoxを起動し「ツール」「アドオン」「アドオンを入手」検索窓に「Minion」と入力 し、「Minion」が現れたら「FireFox に追加」「今すぐインストール」
・FireFox のメニューに「Minion」ができる
②voyageMPD との接続設定
・「Minion」「Setting」「Manage server」
・Description Voyage MPD
・Host 192.168.0.X
・Port 6600
③ Minion で再生
・FireFox「minion」「Launch Music Olayer Minion」でMinion 起動
・左やや上の「歯車アイコン」「voyageMPD」で接続
・右下に「OK MPD@192.168.0.X:6600」と出る
・フォルダーにNAS の楽曲ディレクトリーが表示される(最初はデータベースを作るのに時間がかかる)
・右側のプレイリストに入った楽曲が再生される
以上