2020年6月15日月曜日

PCオーディオの基本-1.USB伝送

PCオーディオは、PCからUSB伝送によって楽曲データがDACに伝送されます。

今から10年ほど前に、これまでのPC側が全てを制御するアダプティブ方式から、ターゲット側(DDC等)がPCを制御するアイソクロナス方式のアシンクロナスモードが開発され、ジッターを排除し、クロックにターゲット側の高精度の水晶発振器を使うことが出来るようになったことで、USB伝送がようやくオーディオ用として認められるようになったことが画期的でした。


以下は「2010年11月11日木曜日」の当ブログの記事です。参考までに再掲しておきます。
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USB転送方式ってなんだ?

昨今は、マザーボード付属のオンボードサウンドやPCIスロットに差し込むサウンドボードではなく、USBからの音声出力が主流になっている。そして、その転送方式が話題に上るが、よくわからないのでまとめてみた。


●USBの転送方式
USBでは、PCを「ホスト(親機)」、DAC等のデバイスを「ターゲーット(子機)」と呼ぶ。USBの通信は、ホストがターゲットにポーリング(問い合わせ)を投げて、ターゲットがこれに答える形で行われる(半二重転送)。

その際、ターゲット側に「エンドポイント」というFIFOバッファメモリを用意し、ターゲット側のUSBコントローラーが、エンドポイントを通して、ホスト側からのポーリングや応答処理に対応するようになっている。

USBのホストとターゲット間のデータ転送は、基本的にこのエンドポイントを使ったホストとターゲット間のやり取りだけ。すべての通信はホストが制御しており、ターゲット側が勝手に通信を開始することはできない。

●4つの転送方式
USB転送方式には4種類がある。
①コントロール転送
②バルク転送
③インタラプト転送
④アイソクロナス転送

*Audio Device Document 1.0
http://www.usb.org/developers/devclass_docs/

◆①コントロール転送
コントロール転送は、ホットプラグ等の再コンフィグレーションに必要な情報のやりとりなど、デバイスの制御用に使われる転送方式。デバイスの接続時にデバイスを認識するために使用されるので、全てのUSBデバイスがサポートしなければならない。

◆②バルク転送
バルク転送は、リアルタイム性は重要でないが精度が重要となるプリンタ、スキャナ、大容量ストレージなどのアプリケーション向けの転送方式。時間の制約がない大量データを正確に伝えるのに適した非同期の転送方式。他の転送方式の空き時間をすべて使用でき、高信頼性のデータ転送が可能だが、タイムシェアリングの優先度が低く遅延が発生する。プリンタスキャナ、デジカメ、フラッシュメモリー、有線LAN、無線LAN等の画像入出力、ストレージ、ネットワーク系で使用される。データに誤りがあった場合やFIFOに空きがない場合は、再送される。

◆③インタラプト転送
インタラプト転送は、ホストまたはデバイスから定期的にデータを送る必要があるマウス、キーボード、ゲーム・パッドなどのデバイス向けの転送方式。少量のデータの転送に用いられる転送方式。ただし、インタラプトと言っても、デバイス側から自発的に転送が行われるのではなく、ホスト側からのポーリングで転送が行われる。
*REMのFireFaceUCでは、Windows用にこのインタラプト方式が使われている。RMEによる検証の中で、この方式がもっとも良かったとのことである。
●FireFaceUC USBテクノロジー
http://www.synthax.jp/usb-implementation.html
◆④アイソクロナス転送
アイソクロナス転送は、リアルタイム性重視の転送方式。一定時間あたりの最低データ転送量が保証されるので、データが途切れることなく転送される。動画や音声データのようなリアルタイム性を必要とするデータ転送に適している。ただし転送に失敗しても再送は行われない。「アイソクロナス」とは「同時性」「等時性」などといった意味である。
アイソクロナス転送は、さらに、クロックの使い方の違いで「シンクロナスモード」「アダプティブモード」と「アシンクロナスモード」に分類される。
*音声転送には、ほとんどこの方式が使われる。

④-1 同期モード
同期モードは、デバイス側がSOFと同期したクロックでサンプリングする。
④-2 アダプティブモード
ほとんどのUSB音楽転送に使われている方式。この方式では、PC側はデバイス側に向けて、常に同じ速度で決まった量の音楽データを送り続け、デバイス側はこれを受けるしかなく、再生に必要なクロックもPC側のクロックにデバイス側のPLL回路が周波数を変動させて合わせる必要に迫られる。この方式では、デバイス側が固定のクロックを使用することはできず、デバイス側の水晶発振器が大きくジッターを発生させることが問題になっている。
④-3 アシンクロナスモード
アダプティブ方式が、PC側が一方的にデータを転送してくるのに対し、アシンクロナス方式は、「フィードバック」と呼ばれる逆方向のエンドポイントを別途用意し、PC側にデータの増減をコントロールする返答を返すことで、デバイス側のエンドポイントが常に一定のデータ量に保たれるように制御する方式。これにより、PC側のクロックを使わず、デバイス側の固定クロックを使うことが可能となり、水晶発振器が発するジッターを少なく抑えることが可能となった。

ただし、制御プログラムの開発が難しく、ほとんど使われない方式だったが、元バーブラウンの技術者であるWavelength社社長のJ.Gordon Rankin氏がこの方式に注目しプログラムの開発に成功した。AyreはGordon氏とライセンス契約を交わしGordon氏のプログラムを使っている。ラトックやフェーズテックは独自開発。
●USBタイムシェアの優先順位
(優先順位が高いほど他に優先して転送ができる)
1 アイソクロナス転送
2 インタラプト転送
3 バルク転送、コントロール転送

●USBの規格と転送速度
USB1.1(ロースピード) 1.5Mbps
USB1.1(フルスピード) 12Mbps 標準ドライバー、24bit/96kHz
USB2.0(ハイスピード) 480Mbps 独自ドライバー、24bit/192kHz
USB3.0(スーパースピード)5Gbps

現在のオーディオ用の主流は、USB1.1(フルスピード)。独自に開発しなくても、USBインターフェースチップとOS標準のUSBドライバーで対応できるので、USB技術がないメーカーでも採用できる。ただし、24bit/96kHzまでしか転送できない。

しかし、最近は、意欲的で先端的なメーカーが、独自ドライバーを開発してUSB2.0に対応し、24bit/192kHzの転送を実現している。

2020年6月10日水曜日

オーディオ用PCの製作

オーディオ用PCについて、これまでミニPCやバッテリー駆動のラテパンダなどを使ってきましたが、音質的にはやはりたっぷりの力強い電源が重要との認識にいたり、今は自作オーディオ用PCが良いと思っています。 うちでは驚くほどの音質向上効果がありました。

ストレージ
楽曲はNASを使うので、消費電量の大きい5インチ内蔵HDDは使わないことにし「NVMeSDD」を使うことにします。NVMeSDDは、超高速、省電力で直接マザーボードのPCIe端子に挿し込むのでSATAケーブルの影響も排除できます。

WD BLUE SN550 NVMeSSD 250GB


CPU、メモリ
マザーボードに合わせて選びます。このあたりよく気を付けないと失敗します(失敗しました)。

メモリ DDR-2400 16GB(手元にあったものを使用)
CPU INTEL Corei3-8100 3.6GHz



マザーボード
NVMeSDDM2スロットのあるもの、LANポートが2ポートあるものを選びます。マザーボードのサイズは、大きなATXではなく、小さなITXを使います。

 ASROCKの「Z390M-ITX/ac」を選びました。チップセットはIntelZ390、CPUはIntelCorei第8、9世代(ソケット1511)、メモリはDDR4、M2スロットあり。




・オンボードLAN2ポート
          Intel 1211 Gigabit Network Connction
                              Intel Ethernet Connection I219-V

OS  Windows10 Pro


電源
重要な電源は「picoPSU-160-XTハイパワー24ピンミニITX電源」を使います。これをマザーボードの電源スロットに挿し、DC12Vを外部から供給します。


DCアダプター
DC12Vは、ノートPCV用アダプター(12V、5~6A程度、スイッチング電源)を使います。2A程度ではダメです。5~6A程度のものを探しましょう。当方の検証ではリニア原電よりも伸びやかで力強い音です。



ケース
TX用のケースに収めてください。


パネル面です。


2020年6月8日月曜日

コロナ版Diretta

コロナ版Direttaが6月末まで無料で使えることを聞き、早速試してみました。試させていただけることに感謝申し上げます。

Direttaでの再生

以下のサイトから必要なものをダウンロードします
https://www.diretta.link/download/0.86/

WindowsPCで、PC1とPC2を用意します。
PC1とPC2のLAN接続はIPV6直結です。
楽曲はNASにあり、IPV6直結です。

PC2
USBメモリにブートイメージ「diretta_usb_bridge_x64_limited_86.img」を書き込み、PC2に挿し込み、USBメモリから起動します。


PC1
PC1(HOST)にDirettaASIOdriverをインストールしておきます。
HQplayerのSettingsで「ASIO」「ASIODiretta」を選びます。


これで、HQplayerで再生します。


HQplayer+NAAでの再生




PC1とPC2のLAN接続はIPV6直結です。
楽曲はNASにあり、IPV6直結です。

HQplayer+NAAでのSettingsは以下の通りとなります。


HQplayerで再生します。


比較
上記の通り、ハードウエアは全く同じ環境で、ケーブル、接続もNASとはIPV6直結。TargerPC、NAAPCともIPV6直結です。再生はどちらもHQplayerです。
以上、ハードソフト共にほぼ同じ環境での比較です。

(*あくまでも当方のシステム環境と私個人の感想です。)

Direttaの音は、元気な音ですが、音に角がありややノイジーな感じです。音場、定位もやや劣る感じです。というかシングルPleyerで再生している感じに似ています。

一方、HQplayer+NAAの音ですが、音場、定位、静けさが際立っていて、そのうえ音の一粒一粒が美しく輝いています。あらゆる音がリアルで本物に聴こえます。HQplayer+NAAの方が自然できつさもなく音楽性も素晴らしく感じます。他の追随を許さない感じです。この違いは一聴して分かります。

なお、これはあくまでも当方のシステム環境と私個人の感想なので、他のシステムでの違いや別の感想もあると思います。

是非、皆様も試してみてください。



2020年6月4日木曜日

仕事を再開しました!


明日出荷予定分です。LANケーブル5本、SPDIFケーブル2本、USBケーブル2本です。


2か月ぶりにHQplayer+NAA+NAS LAN直結(IPV6) の音を聴きました。改めて音場感の凄さを感じています。こんな音場は聴いたことがありません。

NAAを使わないシングルプレーヤーで再生の場合でもNASはIPV6直結が素晴らしいです。

是非ともゴア線LASNケーブルを使ってみてください。

お申込みはこちら
http://www.asoyajiaudio.jp/

2020年6月3日水曜日

ブログを再開します!

ご心配をおかけしましたが、先月末に無事退院できました。2か月に渡ってブログ及びホームページの更新ができす、ご迷惑をお掛けしました。

多くの方々からお見舞い、励ましのメールをいただき本当に元気づけられました。メールをいただいた皆様に心より感謝申し上げます。

ケーブルにつきましては、本日より製造を再開します。

これまでお待ちだいていたお客様には本当に遅くなり申し訳ありませんでした。不足の材料を至急調達の上、急ぎ送付したいと考えております。

まだまだコロナで大変な世の中ですが、当方のケーブル、オーディオ機器で音楽をお楽しみください。

これからもどうぞよろしくお願いします。


ASOYAJI

2020年5月12日火曜日

ブログ再開の予定

ブログを見ていただいている皆様、長らく更新もせず本当に申し訳ありません。

いつも見ていただいている皆様にはご迷惑をお掛けしています。また、 ブログやホームページも更新できず、コメントにも返事ができず、本当に申し訳ありません。

実は、私、健康上の理由で(コロナではありません)、4月の頭から入院しており、5月末に退院の予定です。

手術も成功しようやく元気が戻ってきました。

ですが、コロナの影響で、病院は大変です

コロナでない普通の入院患者も、面会禁止、外出禁止、一時帰宅禁止、と一歩も外に出られません。

完全な囚人状態でどんなに抗議しても、あなたがコロナを持ち込んだらこの病棟が閉鎖になる、その損害は甚大だ、嫌なら退院していただくしかありません、とほぼ脅しのような反論にあい、泣く泣く受け入れざるを得ません。

本当に一歩も外に出れないのです。

また、コロナ病棟に専門家が取られて一般の手術ができなくなり、患者さんたちが、本当に困っています。

でも、仕方ないです。本当に院内感染が起きたら、大変どころではありません。命に係わります。

病院で働く方々は、日々感染の恐怖の中で仕事をされています。

患者も協力しないと申し訳ないと日々感じております。

5月末には退院する予定です。どうかこれからもよろしくお願いします。


追記
ゴア線USBケーブル60cmは在庫があるので、いつでも発送出来ます。それ以外は、退院後の対応策となります。どうかよろしくお願いします。


病院より

2020年4月4日土曜日

差動と平衡

さて、オーディオには、信号に「差動とシングルエンド」、信号の伝送方式に「平衡(バランス)とアンバランス」があります。

アナログ音声信号は通常+信号(シングルエンド)です。差動信号は、+信号と+信号を上下に反転させた-信号の2つの信号からなります。

バランスとアンバランスは、信号の伝送方式の事で、差動信号の+と-を伝送する方式をバランス伝送と言います。アンバランス伝送は、+信号(シングルエンド)のみを伝送します。

バランス伝送は、+信号と-信号の差動信号を送るので外部からノイズが侵入してきても、信号が+と-の上下に分かれているので、ノイズが+と-で相殺され消えてしまいます。長くケーブルを引き回すプロの現場で使われるプロ用機材に使われています。

一方、コンシューマー用オーディオ機器においては、せいぜい1~2m程度の引き回しであればほぼノイズの侵入がないのでシングルエンドで十分です。

よくバランスの方が良い音がすると聞きますが、-信号は、+信号をICで反転させたもので、上下が逆なだけで全く同じ信号であり、全く同じ音でバランスの方が音が良いということはありません。

それでも音が違うというのであれば、それは試聴しているバランスケーブルとアンバランスケーブルに起因する音質の違いと言わざるを得ません。

また、バランス伝送を入力できるアンプについても、一般的なアンプはほぼシングルエンドアンプです。バランスで伝送しても入力端子で-信号をGNDに落としていて、そこから先はシングルエンドなのです。差動アンプであれば、バランス伝送された差動信号はそのまま+と-で増幅されます。こうしたアンプの違いも音質の違いとなります。






2020年3月20日金曜日

HQplayerの値段

HQplayerの値段って一体どうなっているのでしょう。

Signalystの日本代理店のDEEでは以下の通りです。Pro用は高いですね。でも通常のDesktop4も6万円もします。




株式会社DDEがSignalystの日本の総代理店で、実際の販売はAMZONもしくはYAHOO
で販売しているようです。下図はamazonですがやはり6万円で売っています。




しかし、Signalystのホームページから直接購入すると、DESKTOP4の値段は税込みで28,221円です。余りの価格差に驚かされます。代理店経由だと購入後のサポートもしてくれるのでしょうか。


























多くのフィルターについては不明ですが、それ以外はインストールも設定も簡単です。Signalystから直接購入すればいいのではないかと思うのですが。





音楽再生用PCの裏側


音楽再生用のPCの裏側です。LANポートが2つあるので重宝します。左がNAAへ、右がNASへ。

家庭内LAN用にLANカードを追加しもう1ポートあります。普段は外していますが、接続すればインターネットにも繋がります。AndroidからHQPDcontrolを使いたいときにはこれを繋ぎます。

HQplayerで再生する方法は、①本体のGUIで、②Clientで、③HQPDcontrolで、の3つの方法がありますが、私は①で再生しています。②はやや不安定で時折ハングアップします。本体はフォルダーツリーが基本ですが、clientは全アルバムからの検索が基本でフォルダーツリーがありません。ところが、HQPDcontrolには、しっかりとフォルダーツリーがあります。何故clientに無いのか不思議です。

家庭内LANに繋ぐとき気を付けなければならないのは、NASのうち1ポートをメンテナンス用に家庭内LANに繋いでいるので、音楽再生用PCを家庭内ALNに繋ぐと、NASへの接続が家庭内LAN経由になることです。これは明らかに音質が落ちます。再生時には必ずLANケーブルを抜きます。

電源は12VDCです。PC用の黒い四角いスイッチングアダプター(12V,5.14A)
を使っています。以前、HDPLEXの200Wリニア電源の12V(10A)を使ってみましたが、音が大人しくなり迫力が消えます。アダプターの方が力強く音楽性もあり、ノイズ感もないので、今ではアダプターを使っています。

PCはPCオーディオの要です。最近思うのは、PCでほぼ7割方音が決まるように思います。それほどPCは重要で音が変わります。また、USBにもLANにもデジタルノイズがあることが良く分かってきました。そして、デジタルノイズはケーブルで取り除けることも分かってきました。この辺りはアナログケールと違って大きな違いはないと思っていましたが、デジタルにおいてもケーブルの役割は大きいようです。

PCをいじくるより、ゴア線ケーブルに変えるだけでノイズがとれ付帯音が消え本来の音が蘇ります。不思議です。デジタルケーブの重要性はもっともっと注目されるべきでしょう。






2020年3月16日月曜日

超静音インテルCPUクーラー


インテルのCPUに標準で付いてくるCPUクーラーです。

左は、第6世代の1511CPUに付いてきたCPUクーラーでFANがうるさくてとても音楽用には使えないものでした。サイレントにして何とか。

右は、今回購入した第8世代1511CPUに付いてくるCPUクーラーですが、全くFANの音がせず超静かです。これは驚きました。標準でも全くFANの音がしません。凄いです。

AMAZONでCPUクーラーだけ売っているので第6世代のCPUクーラーをこれに買い換えました。ただし製造メーカーが何社かあるようで、当方に届いたのはFOXCONNの0.20Aです。






2020年3月15日日曜日

PCオーディオ 黄金のトライアングル

PCオーディオの基本は、「Foobar2000」や「Audirvana」のように1台のPCで再生するのが一般的ですが、「JPLAY」や「HQplayer」のように音質向上を図る為に機能を分散させて2台のPCで再生する方法もあります。

これまでいろんな形態を試してきましたが、「NAS+HQplayer+NAA」(IPV6直結)+「ゴア線ケーブル」が最も素晴らしい音に感じています。

●PCとNASをLAN直結(IPV6)
いずれの形態にかかわらず楽曲はNASにあるとして、これをIPV6でLAN直結すると音が変わります。後記のNAA同様空間感が素晴らしくなり音の鮮度が増します。

●単独PCでは「Audirvana」
単独PCでは「Audirvana」が非常にバランスの良い音で頭一つ抜け出しているように思います。「Audirvana」は、力強くバランスのとれた音で音楽性もありこれで十分と思わせるところがあります。

●「HQPlayer」+「NAA」<=「Audirvana」
一方「HQplayer」は綺麗で稠密な音ですが「Audirvana」より音楽性がやや劣る感じがします。これは「NAA」を通しても大きくは変わりません。この段階ではまだ「Audirvana」かと思います。

●「HQPlayer」+「NAA」+「IPV6」>>>「Audirvana」
しかし、「HQPlayer」+「NAA」をIPV6でLAN直結すると、状況が大きく変わります。その空間感が恐ろしく自然であるがままに感じるのです。これに比べると「Audirvana」の空間感は、音が濃い分空間感が狭く感じてしまします。完全に一皮むけた感じで次元の違う音になります。この自然な空間感は何の制約もない無限の空間です。

一度聴いてしまうと虜になります。もう「Audirvana」など単独PCには戻れません。

●ゴア線LANケーブル
そして、この音を更に美しくしてくれるのがゴア線LANケーブルです。

ゴア線USBケーブルで感じた通り、ゴア線LANケーブルも、不要な付帯音を消し本来の音だけを通してくれるので、背景の空間が非常に静寂になり、楽曲に含まれているあらゆる音が余すことなく引き出されていることがわかります。

小さな音やこれまで聴こえなかった音もよく聴こえますし、高域はより煌びやかで鮮烈になり、低域は固く締まり力強く鳴ってくれます。

通常のCA6ケーブルやスイッチのノイズを取り除き、本来の楽曲が持つ鮮烈かつ滑らかな極上の音に戻してくれるのです。

ボーカル、ピアノ、弦楽器、どの楽器も、自然で本物の音だと納得してしてしまいます。

とにかく制約のない空間に鮮烈で滑らかな音が高域から低域まで各音が煌めいて聴いていて非常に持ちがいいのです。これこそ本来の楽曲の音なのだろうと納得させられます。





2020年3月12日木曜日

PCオーディオを最高の音にする

PCオーディオは、なかなか厄介です。PCのハードウエア、USBやLANアダプター、LinuxやWindowsのOS、再生ソフトウエア、スイッチ、ケーブル、様々な要素が絡み合い混迷を呈しています。

皆さんそれぞれ相当のご苦労を積み重ね、お金も時間も掛かる割には結果が見えないジレンマを抱えておられる方も多いのではないかと思います。

目的は一つ。ノイズのない澄み切った誇張のないバランスのとれた自然で空間感もある実在性のある解像度が高く滑らかな音。あれ、1つじゃあなかったですね。


今日は、当方での「PCオーディオを最高の音にする」方法をご紹介しようと思います。

(前提)
PCオーディオの命は楽曲です。すでにうちでは10TBに到達しようとしています。内蔵ディスクを使う手もありますが、PCの構成が大きくなり負荷が増し電気を喰います。PCの負荷を軽減し、膨大な楽曲を管理するにはやはり独立したNASは必須です。ここではNASを使ったPCオーディオを前提として話を進めていきます。

1.高音質化の肝
以下の2点です。簡単です。たったこれだけで驚くほど高音質化します。

① NASをPCとIPV6で直結する
方法は「HQPlayerを最高の音にする(4)」の「3 HQplayer-PCのネットワークドライブの設定」を参考にしてください。

② LANケーブルを「CAT6A」から「ゴア線」に替える。


2.接続形態による音の違いの変化

① NASとPCをCAT6Aケーブルで直結する。
音がキツク雑音があることが良く分かります。ゴア線LANケーブルを使わないといつもの音かもしれませんが、ゴア線LANケーブルを使うと明らかにCAT6Aの雑音を感じてしまいます。

② NASとPCをスイッチを介してゴア線LANケーブルで接続する。
キツサガ無くなり雑音も消えます。しかし、まだどこか気になります。これもゴア線LANケーブル直結を知らなければいつもの音かもしれません。
気になるのはスイッチの雑音です。日本テレガートナーの高級スイッチを使えば解決するかもしれませんが、そもそも直結でOKなので、NASとPCの接続にはスイッチは不要かと思います。

③ NASとPCをゴア線LANケーブルで直結する。
キツサも雑音も全くなく、気になる感じも皆無で気持ちよく音楽を聴くことができます。解像度が増し焦点が一段あった感じです。空間感をより一層感じます。空間感が出ると音が薄まることがありますが、しっかりと厚みのある本物の音です。なにより音が滑らかです。ゴア線LANケーブルを使うと確実に高音質になります。




2020年3月10日火曜日

HQPLayerを最高の音にする(4)

HQplayerのネットワーク設定(まとめ編)

当方の「HQplayer-PC」と「NAA-PC」と「NAS」のIPV6を使ったネットワーク設定を公開します。NAAとNASを直結すると音の実在感がまったく違ってきます。



1.ハードウエア(PC)

(1)HQPlayer-PCの概要
「HQPlayer-PC」には、NAA、NAS、の2つのネットワークアダプターが必要になります。

・マザーボード     ASROCK Z390M-ITX/ac
・CPU         INTEL Corei3-8100 3.6GHz
・メモリ        DDR-2400 16GB
・ストレージ          WD BLUE SN550 NVMeSSD 250GB
・オンボードLAN  2ポート Intel 1211 Gigabit Network Connction
                                          Intel Ethernet Connection I219-V
・OS       Windows10 Pro (サービス停止等していません)

(2)NAA-PCの概要

・マザーボード       ASROCKH110M-STX
・CPU                   Intel Corei5-5700T 2.4GHz
・メモリ                DDR-2400 16GB
・ストレージ          サムスンMZVPV128HDGM 128GB
・オンボードLAN    Intel Ethernet Connection I219-V
・OS       Windows10 Pro (サービス停止等していません)


2.ネットワークの設定

(1)NAAとNASの接続

「NAA」 ① HQplayer-PC[IntelI219] ⇔ ② NAA-PC[IntelI219] IPV6

「NAS」 ③ HQplayer-PC[IntelI211] ⇔ ④ NAS                    IPV6


(2)NAAのネットワーク設定

①「NAA」HQplayer-PC[IntelI219]の設定

プロトロルはIPV6のみで良いはずですが、HQPlayerとNAAの接続が非常に不安定になるので、IPV4も残しておきます。これで接続がかなりスムーズになります。


IPV4には固定でIPアドレス「192.168.3.1」を振っておきます。192.168.3のネットワークを使います。


pingする時長ったらしいIPV6アドレスを入力するのは大変なので、固定で簡単なリンクローカルIPV6アドレスを入力しておきます。


ネットワークの詳細は以下の通りです。



②「NAA」NAA-PC[IntelI219]の設定
こちらもIPV4を残しておきます。

IPV4は固定で「192.168.3.2」とします。


こちらもpingするとき大変なので、簡単なリンクローカルIPV6アドレスを固定で入力しておきます。



ネットワークの詳細は以下のとおりです。



 ③「NAS」HQplayer-PC[IntelI211]の設定

NASとはIPV6のネットワークドライブで接続するのでIPV4は不要です。IPVのみチェックを入れます。
ネットワークドライブを使うので、「Microsoftネットワーク用クライアント」と「Microsoftネットワーク用ファイル共用とプリンター共有」にチェックを入れておきます。


NASはPCの画面から接続状況がわかるのとNAS側からpingすることはないのでIPV6は「IPv6アドレスを自動的に取得する」にしておきます。


ネットワークの詳細は以下の通りです。



④「NAS」NAS側の設定

NASはQNAP TS-231Pです。ネットワークと仮想スイッチで、Adapter2がHQPlayerとの直結です。設定をクリックします。


IPV4は不要なのですが、削除できないので固定で「192.168.2.7」を入力して残しておきます。


IPV6は「IPV6自動コンフィグレーション(Stateless)」にチェックを入れます。



3 HQplayer-PCのネットワークドライブの設定

エクスププローラーでPCを選択しメニューからコンピューターを選び「ネットワークドライブの割り当て」を開きます。ドライブは適当に選びます。

ここで、NASのIPV6アドレスを入力します。
上記NASのLinkLocalアドレス「fe80::265e:beff:fe06:d673」です。

: (コロン)は000の省略でここでは使えないので、000と「-」に変更します。
fe80::265e:beff:fe06:d673 ⇒ fe80-000-000-000-265e-beff-fe06-d673

フォルダーに以下の通り記入します。「music」はNASの共有フォルダーです。

¥¥fe80-000-000-000-265e-beff-fe06-d673.ipv6-literal.net¥music


これでNASをIPV6でネットワークドライブに接続できました。


上手くいかない時は、「Microsoftネットワーク用クライアント」と「Microsoftネットワーク用ファイル共用とプリンター共有」にチェックが入っているか確認してください。


PCを立ち上げただけではこの接続は繋がっていません。少し時間をおいてから、何度かクリックして接続を試みてください。エラーメッセージが何度も出るかもしれませんが、必ず接続します。



4 NAAと接続する

HQplayer-PCとNAA-PCの接続はIPV6で行います。
ただしHQPlayerでもNAAでも明確にIPアドレスで相手先を指定できないのでIPV6での接続は非常に不安定です。しかたないのでIPV4アドレスも残しています。

① まずはHQplayer-PCとNAA-PCをLANケーブルで直結し、両PCとも電源を入れ、LANポートのLEDが点灯しているか確認します。

② 次に、NAA-PC上でNAAを実行します。
以下の状態でNAAが待機しています。


③ ここで、HQplayer-PC上でHQplayerを起動するとNAAがHQPlayerの起動を認識し、以下の通り画面が動きます。
「fe80::58d3:34a0:b46e:2926」はHQplayer-PCのNAAと接続しているLANアダプターのIPV6アドレスです。IPV6で接続していることがわかります。



HQPlayerのBackendの「NetworkAudioAdapter IPV6」で、Deviceに「DACのDriver」が表示されているはずです。

NAA-PCを起動し、HQplayer-PCを起動し、HQplayerを起動してもNAAが動かず、settinngsのDeviceに何も表示されていない場合もあり、その時はガッカリしますが、もう一度NAAを再起動すると、settinngsにDeviceが表示されます。

LANポート1を接続していると上手くいかない場合があるので、その時はLANポート1のLANケーブルを外してみてください。





2020年3月7日土曜日

(;´д`)トホホな話

先日新しいマザーボードを購入しました。ASROCKのZ390M-ITX/acです。


古いCPUは使えないので止む無く第9世代の「Corei3-9100F」が安かったので購入しました。しかし、CPUファンは回るものの全く起動しません。メモリに問題があるかと確認しましましたが、ASROCKのサポート一覧にしっかりと記載されているもので、他のマザーボードでも問題なく使えていたのでメモリではないようです。

BIOSのバージョンが古いとCPUが動作しないことがあるので、Corei3-9100FのBIOSを確認するとP4.20とあります。マザーボードにはP4.30のシールが貼ってあるのでこれも問題なさそうです。

電源が問題かもと思い、いろんな電源で試しましたが、いずれも何の改善もなし。電源でもないようです。

マザーボード、CPU、メモリ、電源に問題が無いとすると一体なんなのでしょう?
PC自作歴40年の私にとってこんなことは初めてです。

途方くれて、新しいCPUなので何か問題があるのかもと調べてみると、どうやらゲーム用のCPUでGPU機能が付いていないことを発見しました。よく見ると箱にもグラフィック機能はついてないとい書いてあります。GPU機能が無ければ画面に何も表示されないのはあたりまえです。やっと理由が分かりほっとしましたが、


(;´д`)トホホです。近年のCPUにはGPUが内蔵されているのが当たり前と思い込んでいたので、まったく私のうっかりミスでした。

AMAZONさんに返品し、代わりに台8世代のcorei3-8100を購入しました。もちろんGPUは内蔵していることは確認済みです。

あー、情けない。年ですね。


2020年3月6日金曜日

古いCDプレーヤーが蘇る

これは2003年12月発売の SACD&DVDオーディオ/ビデオプレーヤーで、定価58,000円と価格も手ごろ。音は悪くないけどPCオーディオには完敗といった感じで、最近ではほとんど使っていませんでした。

それが、SPDIFのゴア線ケーブルを作って欲しいとの要望があり、取り合えず作ってみました。キンバーの固い取り回しの利かないケーブルをゴア線のSPDIFケーブルに交換すると、なんとUSBケーブル同様付帯音が取れて、CD本来の音がしっかりと見えてくるではありませんか。このCDプレーヤーがこんなに良い音だったなんて信じられない気持ちです。PCオーディオを凌駕した!感すらします。

古いCDプレーヤーが蘇ったことが嬉しいですし、CDを聴くのが楽しくなりました。

ケーブルでこれほど音が良くなるとは不思議です。


2020年2月29日土曜日

HQPLayerを最高の音にする(2)

さて、前回はHQplayer-PCとNASをLANケーブル直結しましたがIPV4を使っていました。そこでNAA同様に、NASもIPV6で接続してみました。






NASとHQplayer-PCのネットワークアダプターにIPV6を追加します。

(1)HQplayer-PCのLANアダプター

HQplayer-PCには、オンボードで2つのアダプターと追加のデュアルポートのLANカードがあり、計4つのアダプターがあります。

IPV4は使わないのでチェックを外しておきます。IPV6にチェックをつけ「IPV6アドレスを自動的に取得する」にチェックします。


IPV4は消えてIPV6のみになっています。リンクローカルアドレスを使います。


(2)NASのLANアダプター

QNAP TS-231PにはLANアダプターが2つあります。アダプター1は0のネットワークに設定してあります。アダプター2は、今回IPV6を追加します。



アダプター2の設定のIPV4、削除できないのでそのまま残してあります。


IPV6でIPv6自動コンフィグレーション(Stateless)を選択します。Link-Localのアドレスを転記しておきます。




(3) NASの共有フォルダーと接続する

エクスププローラーでPCを選択しメニューからコンピューターを選び「ネットワークドライブの割り当て」を開きます。

ここで、NASのIPV6アドレスが必要になります。
上記NASのLinkLocalアドレス「fe80::265e:beff:fe06:d673」です。

: (コロン)は使えないので、以下のとおり - (ハイフン)に直します。
⇒ fe80-000-000-000-265e-beff-fe06-d673

ドライブは適当に選びます。

フォルダーに以下の通り記入します。「music」はNASの共有フォルダーです。

¥¥fe80-000-000-000-265e-beff-fe06-d673.ipv6-literal.net¥music



エクスプローラーに以下のように表示されたら接続は成功です。
Z:ドライブが、IPV6でNASの共有フォルダー「music」に接続されています。



HQplayerのLibralyでこれをScanします。

音質は、より生々しく空間感のある音になります。まあ、一度試してみてください。