2012年3月25日日曜日

dcs方式DSD再生状況比較 (1)

VoyageMPDの0x05/0xFA対応パッチをyanさんが作ってくれて、ついに、XMOSv1.1でDSDネイティブ再生に成功した。(yanさんありがとうございました。)

現在の状況は、以下のとおり(takoyakiさんの状況も記載させていただきました。)

*Foobar2000のASIOプラグイン(foo_out_asio)は、最新の2.1.1を古い1.2.7に変えると音がでた。最新バージョンはビットパーフェクトでないようだ。

*Windows用のASIOドライバーは、CEntranceからThesyconに変えた。takoyakiさんはこれでノイズがなくなったとのこと。

*DSD-WAVパックは、ビットパーフェクトでなければ音が出ないので、この際、自分の環境がビットパーフェクトかどうかを確認するには良い機会だと思う。



2012年3月24日土曜日

dcs方式DSD再生状況比較

現時点で、私の環境でのDSDの再生状況を比較してみた。

YUKI-SAN (http://members3.jcom.home.ne.jp/yuki_san/ )から、DSD-WAVパック用のソフト(http://firestorage.jp/download/b5faabcfe4b74eff78e407bb50c91c3d743340d6)を作ったとの連絡をいただいたので早速使ってみた。



GUIで使えるので、XMOSのDSDtoPCM encapsulate Toolより断然使い勝手がいい。しかも、ヘッダーを、0x05/0xFA  0xAA の両方付けられるので、再生の可否を検証するには非常に便利だ。

結果
XMOSv1.0  DIFFは無音で×。DSD-WAVパックは、0x05/0xFA  0x AA どちらもOK。VoyageMPDはすべてOK。

XMOSv1.1 DIFFはDSDネイティブ再生(だと思う)。DSD-WAVパックは、0x05/0xFA のみOK。VoyageMPDも、0x05/0xFA のみOK。

*DSDIFFとあるのは、再生ソフトがリアルタイムでDSD-WAVパックする方式で、DSD-WAVパックとあるのは、事前にパックしたものを再生する方式。

2012年3月23日金曜日

これはいける!DSD WAVパック方式

これまで、DSDをソフトウエアで再生時にリアルタイムにWAVパックする方式を試してきたが、VoyageMPDで問題なく再生される以外は、ノイズまみれで使えない状況だった。

それが、Music TO GO! さんのブログで、事前にWAVにパックしておき、これを通常の再生ソフトで再生するというある意味非常にシンプルな方法が紹介されている。

http://vaiopocket.seesaa.net/article/258376595.html

XMOSのサイトに「DSDtoPCM encapsulate Tool」がアップされている。これを使うと、コマンド一発で簡単にDSDファイルをWAVにパックすることができる。

https://www.xcore.com/projects/dsd-audio-over-usb

ただし残念ながらFoobar2000で再生するとやはりノイズまみれだ。これは出力がビットパーフェクトではないということのようだ。USB Audio Class2.0 Driverは、Thesyconを使った。

がっくりしつつも、もしやと思いJRMCで再生してみると、なんとノイズ無しの美しい音が出てくるではないか!さすがJRMC!



FLACに圧縮しても音がでる! WAVパックのファイルサイズが1.5倍になることを考えると、圧縮できるのは助かる。しかも、FLACだからタグも入る。これは便利じゃないか!!使える。


*追記

その後、最新のASIOプラグイン foo_out_asio.dll (2.1.1) を古いバージョンに交換してみると、綺麗に再生できたので、この最新のfoo_out_asio がビットパーフェクトでなかったということになる。ビットパーフェクトでなくとも通常の楽曲はちゃんと音が出るので、これまで気が付かなかった。

Foobar2000は、たくさんの人達が常に最新のプラグインを作ってくれるので、常に進化し楽しめるソフトだが、それゆえにこうした不具合問題が起こりがちだ。

一方、JRMCは、ほぼ開発者側が最新のプラグインを標準装備してくれるので、Foobar2000ほど多彩ではないが、信頼性は高いように思う。

2012年3月18日日曜日

PS3は定期的に解体すべし!

息子のPS3が「YLOD(Yellow Light of Death)」で電源が入らず起動しなくなった。
HDD内のデータがすべて使えなくなり、ディスクが1枚ドライブの中に入ったままで取り出せなくなったというので、解体してみることにした。

最初の外側のカバーを外すのに特殊な工具が必要になるが、それ以外は意外と簡単に分解できる。効率よくコンパクトに部品が取り付けられておりよく計算された作りだと思う。

工具はAnex T-10という特殊ドライバーを使った。これで化粧用の黒い透明のカバーが取り外せる。
(なお、自分で解体するとソニーの正式サポートが受けられなくなるのでご注意を!!)




カバーを外すと黒い上蓋が見える。これを外すと、電源と、BDプレーヤーが並んでいる。これらも簡単に取り外すことができる。


PS3内部の部品を繋ぐケーブルは、紙のような薄いケーブルだ。コネクターに蓋のようなものが付いているので、それを開くとケーブルの抜き差しができるようになる。慎重にゆっくりやる。


マザーボードは、同じサイズのアルミの板に上下からサンドイッチのように挟まれていて、放熱板も兼ねているようだ。下側のアルミ版にはヒートシンク付きの巨大ファンが取り付けられている。このヒートシンクにCPUやチップが直接密着して巨大ファンで冷却される仕組みだ。


上下のアルミ板を外すと、マザーボードが現れる。64ビットマルチコアCPU「セル」とNVIDIAと共同開発したGPU「RSX (Reality Synthesizer)」が2つ真ん中に大きく鎮座している。

チップに塗られた白いシリコングリスが完全に渇きって固形化または粉になっている。これでは、ヒートシンクの冷却効率が低下し、熱暴走するのも当然と思われた。(肝心の表面の写真を撮り忘れ裏面のみ。とほほ。)埃が凄いので掃除機で吸い取り、ブラシで取り払う。



PS3は、定期的に分解して、シリコングリスを塗りなおすだけでも、熱暴走、YLODを防止できるのではないかと思う。PS3を長く使いたいなら、分解に慣れて、定期的にメンテナンスをした方がいいと思われる。

ここから、 YLOD の原因と思われる半田クラックの修復作業に入る。
ヒートガンとフラックスを使う。



両チップとその下の「NEC TOKIN 0E128」というタンタルコンデンサーのマザーボードとの半田接合部分に、フラックスを流し込み、ヒートガンで、マザーボードの上側からと下側から、10秒から20秒くらい熱する。これで半田が再度溶融し半田クラックが修理される。かなりの高熱になるので注意。 



後は、チップとヒートシンクに付着したシリコングリスを拭き取り、再度丁寧に塗りこむ。これでおしまいだ。


次に、BDドライブに挿入されたまま出てこないDVD円盤を取り出す作業だ。ドライブを覆っている白い鉄板を外し、さらにその下にある黒いカバーを取り外すと、そこに円盤があり簡単に取り出すことができる。


これで元のとおりに組み立てなおす。

電源を入れる。見事に電源が入りPS3が起動した!!
これでハードディスク内のデータも取り出せるし、元どおり使えるようになった。

と思ったたらそうでもなかった。
BDドライブにDVDが挿入しない。何度かドライブを分解してあれこれやってみるのだが上手くいかない。

うーん。情報もほとんどないしソニーに修理に出すわけにもいかないし、別に急がないのでじっくりとやってみるか。

イリーナ・メジェーエワ(ピアノ)

先日、知り合いからイリーナ・メジェーエワのCD「ショパン:ノクターン集」をいただいた。ロシアの人で、1975年生まれの37歳。1997年から日本を本拠地に活動しているのだという。発売元は若林工房という富山県のレーベル。

このCDの録音の良さには驚いてしまう。ピアノソロなので録音はさほど難しいとは思われないが、ピアノの響きがうまく録音されていて、新川文化ホールに響くホールの空間感まで感じられる。

ゆったりとしたテンポで、超絶技巧や自分の感情をぶつけるような演奏ではないが、作品のイメージを大事にした柔らかく折り目の正しい演奏だ。

聴いていて疲れない癒されるような演奏だ。時折聴こえるスースーという音は彼女の息遣いだろうか。

久しぶりに良いピアノを聴いた。

2012年3月15日木曜日

DSDの最近の動向

しばらく書き込みしておらず随分と日が空いてしまった。

思えば昨年6月にSACDをデジタルで聴きたいと思い立ってから9か月。自作素人が猛特訓をして半田付けを習得し、電源を自作し、DSD-DACを自作し、デュアルモノ化を実現し、ついにDSDネイティブ再生を実現できた。

昨年7月20日「SACDリッピング成功!」へのアクセスが未だに1日1,000ビューは下らない状況が続いているのは、DSDに対する世間の並々ならぬ関心の高さゆえであろう。

DSDの音は、まずは、音の空間感がPCMと比べて格段に違う。特に前後に広がる空間感はPCMではなかなか表現できないものだ。次に、音が非常に緻密で解像度が高い。ただしPCMやLPのような強調された感じがなくそういった意味で、元の音源に近い音なのではないかと思わせる。

PCMやLPの音はインパクトがあって素晴らしくいい音なのだが、ある部分が強調されて良い音に聴こえるように作られており、この強調された部分に耳がいってしまい、その後ろにある音がよく聴きとれなかったり、隠されたり、喪失してしまったりしている。

DSDは、PCMやLPのような意識的に作られたところがなく、すべての音が余すところなく出てきている感じがする。空間感もあり解像度も高いので、ストレスなく気持ちよく聴くことができるのである。DSDはボリュームを上げてもキツく感じたり音が割れることがないので、ついついボリュームを上げてしまう。

いいところづくめのDSDであるが、DSDを再生できる製品は、まだほとんどない。そもそもDSD音源がほとんどないし、あってもこれを再生できるソフトウエアプレーヤーがない。PCからDACへの転送方式すら標準化されていないのだから当然なのだが。

こうした中、dcs社が、DSDのUSB転送方式の世界標準を目指して動き始めた。176kHzのWaveファイルにDSDを忍ばせて、PCMに誤魔化してUSB上をDACまで転送するというもので、dcs方式と呼ばれている。

dcs方式でDSDを再生するには、dcs方式に対応したソフトウエアプレーヤー、dsc方式に対応したUSB-DDC(もしくはUSB-DAC)が必要だ。

なお、DACはdcs方式は関係ないが、DSDを再生できるチップ(ES9018、FN-1242、DSD-1974など)を搭載したものでなければならない。

この数ヶ月で、Fooobar2000、JRMC、HQplayerなどのソフトウエアプレーヤーが次々とdcs方式に対応し、DDCはXMOSがdcs対応ファームウエアをアップした。製品DACではDebussy DAC(dcs社)($11,000)、Mytek Stereo192-DSD ($1,695)、Playback Designs MPD-3 DAC ($6,500)などが販売されている。

dcs方式の原理は簡単だから、ソフトウエアの変更もそれほど難しくはなく、DDCなどハードウエアついても改造は全く不要で、ファームウエアをdcs対応用に変更するだけで使える。逆に言えば、ファームウエアが搭載されていないDDCは使えないということになのだが。

まあ、ここにきてDSDに対する関心が急速に高まって来ているようだから、今年中には、DSDを再生できる環境が当たり前になっているかもしれない。

そこで問題になるのは、やはりDSDの音源だろう。聴きたい楽曲がなければ普及しようもない。SACDリッピングに対してはソニーが躍起になってCFWのダウンロード先のモグラたたきをしているようだ。リンクの先にFBIが出てくる脅し付だ。

しかし、ほんとうにそれでいいのだろうか。自ら将来の成功を潰す愚挙ではないのか。アップルに立ち向かう気概はもうないのだろうか。

DSDこそが不振を極める音楽業界を救う奇貨になる可能性が非常に高いと思うのだが。

2012年3月1日木曜日

Foobar2000でDSDネイティブ再生成功!

固まった foo_dsd_asio.dll をなんとか動かすことに成功した。foo_input_sacd.dll を削除して、古いバージンの(0.2.2とか)foo_input_sacd.dll をインストールする。設定>SACD でASIOを選ぶと、何とfoo_dsd_asioの設定画面が出てくる。ここでdcs0xAAを選んで、OKで再生する。ノイズだけの音が出る。


そこで、この古い foo_input_sacd.dll し、Foobar2000を終了し、Foobar2000のフォルダーから foo_dsd_asio.dllを削除。

そして、再度、最初から foo_input_sacd-0.4.8-WinXP-Fix をインストールをすれば、foo_dsd_asioの設定画面が出てくるようになる。(インストールの仕方は前回を参照。)



DSDネイティブを再生しているところ。ただしノイズが乗っている。これでは音楽を楽しむことはできない。やはり、このプラグインまたはXMOSのdcsファームウエアのアップデータとが必要だ。

一番下のステータスバーが、2822400Hzになっている。これがDSDネイティブ再生の証拠だ。