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2019年11月24日日曜日

すきなDAC

4499は、旭化成史上最高のDACチップです。

私見ですが、デジタル音楽は、どうしてもアナログの中域音の太さや芯のある力強さを表現しきれず、まだまだアナログを超えられないという感覚がありました。

しかし、AK4499の音は、低域、中域、高域と全帯域で、テープで聴くボーカルのように力強く芯と太さがあり、SNは圧倒的にデジタルなので、ある意味アナログを超えたと言えるかもしれません。

音質的には群を抜いていると感じますが、大電流出力なので、オペアンプの選定が大変で(ディスクリートが主流かも)、発熱対策も含めてIV変換部の製作レベルは一段高くなったと言えそうです。

あまり書かれていませんが、これまでのDACチップではDSDを停止しPCMを再生する時、ブチッというクリック音が出ました。AK4497までは、このクリック音に悩まされていたのです。DSDを聴かない、DSDをPCMに変換して聴くという人もいました。

クリック音の一般的な対策法に、DDCレベルで信号の変わり目にミュート信号を出力し、これをアナログ段のミュート基板で受けて信号をミュートするという手法があります。

しかしミュート時間をどれくらいに設定するかで、クリック音は消えるけど曲頭が切れるなどの弊害もあり、DACの外部で対処するには限界がありました。大手メーカーではDACチップを使わないディスクリートにすることでクリック音を消しています。

本来はDACチップの内部で対処しクリック音を出さないのが正しいのです。

DACチップは本来PCMをアナログに変換するのが仕事でしたが、いつの間にかPCMとは全く異なるフォーマとのDSDが出現してきました。

DSDはLPFだけでアナログ変換できるので、Δ∑モジュールを搭載しDACでは、DSDを後段のLPFに通すだけで簡単に扱えます。

DSDは特別な処置が不要なおまけのようなフォーマットだったのです。それで、PCMでは完璧に処理されたクリック音対策が、DSDでは取られなかったのかもしれません。

それが、AK4499では、ついにDSDからPCMへの切り替えノイズを消す仕組みが組み込まれました。旭化成さんが本気で取り組んれくれたのです。これでAKでもクリック音を気にせずDSDを楽しむことができるようになりました。

4499に追い越された感のある4497ですが、4499ほどの力強さはありませんが、明るく前に出てくる艶のある音です。バイオリンやサックスやボーカルなどは本当にたまりません。好きなDACです。まだまだやれます。





2019年11月20日水曜日

AK4499トランス出力


AK4499は基本的にオペアンプで受ける設計ですが、高音質かつ高電流に耐えるオペアンプを選定しなければなりません。AKではOPA1612を推奨しているようですが、これを使っても相当の熱が発生するので、かなり大がかりなヒートシンクが必要かと思われます。恐らくメーカーではオペアンプを使わずトランジスタやFETなどのディスクリートで対応するのではないかと思います。

一方、オペアンプではなく、トランスで受ける方法があります。トランスは通すだけでIV変換と差動合成をやってくれる非常にありがたいデバイスです。写真では強大なコアのトランスを使って、IV変換と差動合成を行っています。発熱もなく余裕のある音で4499を鳴らしています。

具体的な接続方法は以下の通りです。オペアンプのIV変換のフィードバックであるIOUT
は必要ないので接続しません。繋ぐのは、OPIN端子です。P(+)とN(-)を各CH4端子づつ束ねてトランスの+-に接続します。

基本的にトランスは差動出力ですが、2次側でマイナス(ー)をGNDに落としてアンバランス(シングルエンド)にしています。

4499の音の特徴は、力強さです。高域、中域、低域の全帯域に渡って音に力強さがあります。これは4497と比べても顕著です。音に力強さがあると本当に気持ちがいいです。この力強さはアンプでは得ることが出来ないもので、アナログの力強さをようやくデジタルでも実現できたのではないかと思います。

トランスは4499の力強さを余すところなく余裕を持って鳴らしています。一度、聴くと4499に魅了されます。


トランスIV変換では、トランスの中点が必須のように書かれているものが多いのですが、当方では、様々な試行錯誤の末、中点を使わずに上記のようにコアを全て使う方法を採用しました。それは、コアを半々に使うより全部使う方が音質が良いと判断したからです。(実際には中点はありますが使用しません。)

中点を使わなくとも差動出力電流をIV変換し差動合成もできています。その際、1次側の調整用の抵抗やコンデンサも、2次側のIV抵抗も不要でした。

抵抗やコンデンサがあると、それだけで音質が劣化し色が付きます。オペアンプによるIV変換回路や差動合成回路では多くの抵抗とコンデンサを信号に直列に使用します。また一般的なIV変換トランスは調整用の抵抗やコンデンサが必要です。

しかし、オペアンプの回路や調整用の抵抗とコンデンサを一切必要としないトランスIV変換と差動合成は音質面で圧倒的に有利と思います。


*本稿に記載の内容は、あくまでも私個人の試行錯誤の結果であって、ファインメットトランス及びその他トランス全般について言及しているわけではないことをお断りしておきます。


2019年11月4日月曜日

AK4499をオペアンプで試す


4499のIV変換と差動合成は、試験的にファインメットトランスTLT1545でやっています。4497より力強く十分に満足のいく音です。基板が大きのでトランスは外出ししました。

ただし、4499はオペアンプで最大の能力を発揮するのではないかとの思いもあり、それを確かめるべく、やなさんの「I/Vオペアンプ3基板」を製作しました。

まずは、オペアンプの選定です。4499のアナログ出力は、フルスケールで36.4mAppもあるので、普通のオペアンプは使えません。データシートでは、OPA1612、OPA1611を推奨しています。


しかし、このオペアンプ、DIPタイプが存在せずソケットを使うには変換基板を使う必要があります。

取り合えず、音出しを急ぐためにNJM2114DDとNJM5534Dを使ってみました。しかし、音は出たものの歪んでいて出力も低いです。やはりNJM2114DDとNJM5534Dでは役不足のようです。

そこで、急いでIV変換用のOPA1612をDIP変換基板に半田付けし、差動合成用には(OPA1611は秋月に売ってないので)、手元にあったOPA627BPを流用しました。


早速音出しをするとかなりの大音量で、音も歪むことなく素晴らしい音で鳴っています。やはりOPAアンプはOPA1612かと納得していると、OPA1612が発熱でチンチンになっていることに気が付きました。これ以上使用すると熱で破壊されそうです。直ぐに電源を落としました。十分な放熱を考える必要がありそうです。

まあ、それでもオペアンプの音を確認することができました。出力はトランスよりやや大きめで音質もトランスと同様に力強くかなり良いです。何せ数分聴いただけなのでエージングも全くできていませんが、トランスでも十分に4499の能力を発揮できていると感じました。



I-V Conversion Circuit

これまでのIV変換回路では、IV抵抗のフィードバックをオペアンプのーに戻すのが普通で、IOUTが電流出力ピンでした。しかし、4499の回路ではフィードバックをIOUTピンに戻して、64Ωの抵抗でOPINと接続しているようです。ということで電流出力ピンはOPINピンということのようです。
トランスIVでは、フィードバックは使わないので、OPINを片CH4本づつ束ねてトランスの+-入力に繋ぎます。

Differential Summing Circuit

オペアンプの差動合成回路です。トランスの場合は、DACのGNDをトランス出力のーに繋ぎます。