2019年3月29日金曜日

ネットワークオーディオ3 JPLAY FEMTO

FEMTOにアップグレードしたJPLAY。超高音質だけど難しそうという印象があるかもしれません。しかし実はそうでもなくて、Windows10を使ったシングルならとても簡単にネットワークを構築できます。

1.FEMTOのネットワーク構成



 2.インストールと楽曲フォルダー

Windows10PCにFEMTOをインストールします(最新版は7d)。インストールの際に、FEMTO SERVERが管理する楽曲のフォルダーを聴いてくるので、

C:¥MUSIC_PC,C:¥MUSIC_USB,¥¥192.168.2.7¥music

のようにコンマ,で切って複数のフォルダーを入力します。ネットワーク上のNASの共有フォルダーも書き込めます(JPLAYホームページ、下記6.を参照)。

3.settingsの設定

おなじみのSettingsの画面を出して、以下のように設定をします。ドライバーのバッファを最初に最小の 8 samples にしておけば、DAC LINKは1000Hzで安定稼働してくれます。

一度、設定すると二度と触る必要がありません。起動もWindowsのバックグランドサービスとしてPC起動と同時に自走起動してくれるので、PCの電源を入り切りするだけです。

設定はこれだけです。roon より遥かに簡単です。


4.コントロールポイント

後は、スマホやiPadにControlPointをインストールして、メディアサーバーにFEMTO、レンダラーにFEMTOを選び、楽曲を再生します。

下図は、fidataのServer選択の画面です。

FemtoServerの中に先ほど登録したフォルダーが3つ表示されています。右下のレンダラー選択プルダウンからFemtoを選びます。

最後に、FemtoServerの中から楽曲を選択し再生します。

5.圧倒的な高音質

ネットワークオーディオの比較をしてきましたが、roonやJRMCに比べてFemtoは圧倒的に高音質です。以前のJplayより更に音質が向上しています。

見た目重視でBGM的に音楽を楽しむにはroonやJRMCがお手軽ですが、本格的に高音質な音楽を楽しみたいという方には、JPLAY Femtoがお勧めです。


6.NASを接続する

NASを接続する方法はJPLAYのホームページを参照すれば簡単にできます。JPLAY英語サイトのマニュアルにその方法が公開されているので紹介します。

以下のバッチファイルを管理者権限で実行するだけです。

英語サイトから「PsExec64.exe」をダウンロードし(PSTOOLの中のこのファイルだけを使います)、これを「C:¥」にコピーしておきます。
http://www.jplay.eu/manual/#manual7
https://docs.microsoft.com/en-us/sysinternals/downloads/psexec

メモ帳で上記のとおり記述し「Autostart_MapDrive.bat」の名前で「C:¥」に保存します。空白の位置に注意しましょう。

NASのIPアドレスと共有フォルダー「¥¥192.168.0.9¥music」を「Z:¥」ドライブに接続します。「/u:admin admin」はNASのIDとパスワードです。それぞれの状況に応じて書き直して下さい。(もし既に例えば「V:」などをネットワークドライブとして使用している場合は、「Z:」でなく「V:」をお使いください。複数使うとエラーになるようです。)

なお、このバッチファイルは管理者権限で実行しないとエラーになります。しかし、PC起動の度に手作用で管理者権限でコマンドプロンプトを立ち上げてバッチを実行するのは運用上面倒です。そこで、バッチファイルを以下のように書き換えます。これで、バッチファイルが管理者権限で実行されるようになります。

@echo off
cd /d %~dp0
for /f "tokens=3 delims=\ " %%i in ('whoami /groups^|find "Mandatory"') do set LEVEL=%%i
if NOT "%LEVEL%"=="High" (
@powershell -NoProfile -ExecutionPolicy unrestricted -Command "Start-Process %~f0 -Verb runas"
exit
)
c:\PsExec64.exe -s net use Z: "\\192.168.0.9\music" /u:admin admin


PC起動時にバッチファイルを実行するように、バッチファイルの「ショートカット」をスタートアップに入れておきます。


ところが、Windowsには更に厄介なものがいまして、UACと言いますが、上記バッチファイルを実行すると以下の画面が出てきて「はい」を押さないと先に進みません。スタートアップで実行すると画面にも表れず知らないうちにエラーになってしまいます。これでは、困ります。


そこで、コントロールパネルのユーザーアカウントの制御設定の変更でUACを「通知しない」設定にします。これで上記画面は現れずにバッチファイルは無事に実行されます。ただし、セキュリティの観点から「通知しない」に設定にすることは推奨されていませんので、自己責任でお願いします。


この方法が一番簡単な方法ですが「通知しない」にしたくない場合は、他にもUACを回避する方法がネットで紹介されているので調べてみてください。

たった一つのバッチファイルを実行するだけなのに、管理者権限だのUACだの余計な作業が必要となるWindowsは面倒ですね。







2019年3月28日木曜日

ネットワークオーディオ2 JRMC

次はJRMCです。音質が良いので以前から使ってきましたが、分かりにくく使いづらい面もありマニア向けのソフトと言う感があります。


1.JRMCのネットワーク構成

ケース1
・スマホ:JRMC・Remote(コントロール)
・PC1:JRMC本体
・PC2:renderer(foobar2000等をレンダラーにすることもできます)

ケース2
・スマホ:JRMC・Remote(コントロール)
・PC:JRMC本体

分かりにくいJRMCの設定メニュー
余りに機能が多すぎて、メニューが多岐に広がり、あちこち飛び回って設定する必要があり、初心者には非常に分かりにくいです。wikiも英語版で、マニュアルも要領を得ません。


2.実際の構築(ケース2の場合)

(1)NASの楽曲のインポート

JRMCをインストールしたら、まず最初にNASの楽曲をJRMCのライブラリーにインポートします。左メニューからMediaLibraryを選び、右画面でインポートを選びます。

単一のフォルダーからインポートを選びます。

NASのIPアドレスと共有フォルダーを入力します。

次に、このフォルダーを監視し自動インポートしてくれるように設定をします。



NASのIPアドレスと共有フォルダーを入力します。




 (2)フォルダービューを追加する

JRMCにはデフォルトでフォルダーツリーがありません。そこで、ビューの追加をしてフォルダーツリーを追加します。

表示、ビューを追加、ライブラリービューを追加します。

既存で用意されたビューが出てくるので、その中から「ディスク上の保存場所」を選びます。

すると、左メニューの「オーディオ」の中に、「ディスク上の保存場所」が現れ、NASのIPアドレスと共有フォルダーが表示されています。名前を「フォルダー」に変更しておきます。


これで、ルーンではできなかったフォルダーツリー検索ができるようになりました。

これをJRemotoに反映させるために、一つやっておかなければならないことがあります。この当たりが分かりにくいところです。

まず、JRemoteをスマホやiPadで使うときに必要となるアクセスキーを生成します。「メディアネットワークの機能を利用してこのライブラリーを共有しDLNAを有効にします」にチェックを入れると、アクセスキーが生成されるので控えておきます。

次に、詳細の「・・・JRemoto,Gizmo,パネルのビューをカスタマイズ・・」をクリックします。

追加を押し、

「スタンダード表示のライブラリー項目」から「Audio\Folder」を選びます。
これで、スマホやiPadのJRemotoの画面に「フォルダー」が現れます。

以上で、JRMC本体の設定は終わりです。


(3)JRemotoを使う

通常、JRMC本体は起動だけさせておいて、一切操作しません。変わって操作するのは、スマホやiPadにインストールした「JRemote」です。

インストールしたら、まず最初にJRMC本体とネットワーク接続します。左上の設定ボタンを押します。

「Add a new server」をクリックします。

「Connect with access key」をクリックします。

上記で生成したアクセスキーを入力し、「Add and connect」をクリックします。


これでJRMC本体と接続できました。
オーディオを選ぶと、ちゃんと上記で作成した「フォルダー」が表示されています。

「フォルダー」の中を見ると、しっかりとフォルダーツリー状態で表示されています。
プレーヤーを選びます。「プレーヤー」がDACに繋がっているJRMC本体なのでこれを選択します。楽曲を選択し、PLAYボタンを押せば再生が始まります。

以上です。ポイントを押さえればそれほど難しくはないと思います。

設定場所がもっとコンパクトに集約されていれば、もう少し取っ付きが良くなると思いますが、何度アップグレードしてもこの複雑なメニューはほとんど変わりません。

ルーンのように多様な情報は表示されませんが、画面はいろいろカスタマイズできますし、フォルダーツリーも使えるので非常に使い勝手が良いです。音質も良いのでお勧めです。





2019年3月27日水曜日

ネットワークオーディオ1 roon


今、ネットワークオーディオで最も話題になっているのがルーン。なにせ楽曲に関する情報がインターネット経由でどんどん表示されるところが画期的で便利だと評判です。

1.ルーンのネットワーク構成

ケース1
・スマホ:ルーン・リモート(コントロール)
・PC1:ルーン(コア)楽曲を管理したりインターネットに繋がったりとルーンの中心
・PC2:ルーン・ブリッジ(アウトプット)出力だけなので非力なPCやラズパイでOK

ケース2
・スマホ:ルーン・リモート(コントロール)
・PC:ルーン(コア、アウトプット)コアと出力、PCは1台でOK

ケース3
スマホ:ルーン・リモート(コントロール)
NAS:ルーン・サーバー(コア、アウトプット)コアと出力、PCは不要

超簡単なルーンネットワークの構築
ルーンは、他のネットワークオーディオと比べて、専門的な知識がなくても、複雑な設定をしなくても、インストールするだけで本格的なネットワークオーディオが簡単に構築できてしまう超簡単ネットワークオーディオです。

ルーンサーバー対応NASを使えば超簡単
ケース2が最も基本的な構成で、ケース3は、PCをルーン・サーバー対応のNASに代えたものです。こうするとPC無しでネットワークオーディオが構築できます。これは驚きで、ネットワークやPCの知識が十分でない人には画期的なアプローチになります。

ただし、ルーンサーバー対応のNASはcoreiCPUを使うなどPC並みの高スペックが必要で、私のQNAPTS-231PのようなARMではインストールすらできません。

fidataをお持ちなら是非ともこの方法をお勧めします。


2.実際の構築(ケース2の場合)

(1)ルーンのインストール

まずは、PCに、ルーンをインストールします。試用版で試すのにもクレジットカードの登録をしないと先に進まないので注意が必要です。PCのスペックは最低でもcorei3はほどは必要かもしれません。図のように機器を接続します。

「既存のコアPCを探して使う」か、「このPCをコアPCにする」かを聞いてくるので、「このPC」を選びます。



(2)NASを登録する

左メニューの下の方にある「設定」をクリックします。

「保存場所」で「フォルダーを追加」をクリックします。

NASを使うので「ネットワーク共有を追加」をクリックします。

ここでNASのIPアドレスと共有フォルダー名を入力します。QnapであればQfinderで簡単に調べられます。

「ネットワーク共有を追加する」で以下のように入力します。ユーザー名、パスワードは、必要なら入力します。ゲストのアクセス権を拒否にしていなければユーザ名、パスワードは不要と思います。


左にNASが表示されるので、右の共有フォルダーを選択します。


「保存場所」のフォルダーに以下のように表示されればOKです。

(2)OUTPUTの選択

USBケーブルでDACに接続すると、OUTPUTが自動的に表示されるので、使いたいものを「有効」にしてゾーン名を付けておきます。

(3)ゾーンの選択

実際に再生する際に、ゾーンの中から再生に使うOUTPUTを選択します。これで楽曲を選択しPLAYボタンを押せば再生が始まります。


(4)ルーン・リモート

通常、上記ルーンPCは一切操作せず起動させておくだけです。後は、全てiPadやスマホのルーン・リモートで操作が可能です。

インストールするだけで、ルーンPCで設定した内容が全て表示されるので、楽曲を選択して再生するだけです。



以上で終了です。あっけないほど簡単です。この辺りはネットワークやPCに詳しくない方々にとって救いの神ともいえるでしょう。


3.フォルダーツリーがないのは致命的

ほんとうに簡単に構築できるルーンですが、私にとって致命的な問題があります。それは楽曲を選曲する際にフォルダーツリーを使えないことです。

ルーンでは、楽曲を選択するには「アルバム」「トラック」「アーティスト」から選ぶしかありません。ところが、NASに保存されている7500程の全てのアルバムが、(クラシックもロックもJAZZも)、ABC順にごちゃまぜに一覧表示されます。

しかし、そもそもアルバム名やファイル名を規則正しく付けて保存してきたわけではないので、その名前や規則性はほぼ信用できません。

実際に、気軽に聴きたい楽曲を1つ探すのに大変な時間とストレスを要します。これではとても気軽に音楽を聴こうという気になれません。

なぜ、フォルダーツリーがないのか理解に苦しみます。

本格的な楽曲ライブラリーを持っている人には致命的な問題で、どんなに簡単に構築できたとしても、ルーンは選択肢から外さざるを得ないでしょう。




4.日本語にルーン情報のメリットなし

また、ルーンの最大の特徴である情報の表示についても、確かに外国の楽曲には情報が表示されているのですが、日本の楽曲には全く情報が表示されていません。しかも情報は全て英語です。このあたりも話題性はありますが、日本語にとっては厳しい現実かと思います。

 外国の楽曲だと情報が英語で表示される

  日本の楽曲には情報すら表示されない