2019年11月20日水曜日

AK4499トランス出力


AK4499は基本的にオペアンプで受ける設計ですが、高音質かつ高電流に耐えるオペアンプを選定しなければなりません。AKではOPA1612を推奨しているようですが、これを使っても相当の熱が発生するので、かなり大がかりなヒートシンクが必要かと思われます。恐らくメーカーではオペアンプを使わずトランジスタやFETなどのディスクリートで対応するのではないかと思います。

一方、オペアンプではなく、トランスで受ける方法があります。トランスは通すだけでIV変換と差動合成をやってくれる非常にありがたいデバイスです。写真では強大なコアのトランスを使って、IV変換と差動合成を行っています。発熱もなく余裕のある音で4499を鳴らしています。

具体的な接続方法は以下の通りです。オペアンプのIV変換のフィードバックであるIOUT
は必要ないので接続しません。繋ぐのは、OPIN端子です。P(+)とN(-)を各CH4端子づつ束ねてトランスの+-に接続します。

基本的にトランスは差動出力ですが、2次側でマイナス(ー)をGNDに落としてアンバランス(シングルエンド)にしています。

4499の音の特徴は、力強さです。高域、中域、低域の全帯域に渡って音に力強さがあります。これは4497と比べても顕著です。音に力強さがあると本当に気持ちがいいです。この力強さはアンプでは得ることが出来ないもので、アナログの力強さをようやくデジタルでも実現できたのではないかと思います。

トランスは4499の力強さを余すところなく余裕を持って鳴らしています。一度、聴くと4499に魅了されます。


トランスIV変換では、トランスの中点が必須のように書かれているものが多いのですが、当方では、様々な試行錯誤の末、中点を使わずに上記のようにコアを全て使う方法を採用しました。それは、コアを半々に使うより全部使う方が音質が良いと判断したからです。(実際には中点はありますが使用しません。)

中点を使わなくとも差動出力電流をIV変換し差動合成もできています。その際、1次側の調整用の抵抗やコンデンサも、2次側のIV抵抗も不要でした。

抵抗やコンデンサがあると、それだけで音質が劣化し色が付きます。オペアンプによるIV変換回路や差動合成回路では多くの抵抗とコンデンサを信号に直列に使用します。また一般的なIV変換トランスは調整用の抵抗やコンデンサが必要です。

しかし、オペアンプの回路や調整用の抵抗とコンデンサを一切必要としないトランスIV変換と差動合成は音質面で圧倒的に有利と思います。


*本稿に記載の内容は、あくまでも私個人の試行錯誤の結果であって、ファインメットトランス及びその他トランス全般について言及しているわけではないことをお断りしておきます。


2 件のコメント:

  1. トランスの取付金具は特注でしょうか?

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  2. ホームセンターで売っているアルミの板を切ったものです。穴も自分で開けました。底板にタップを切って鍋ねじでねじ込んでいます。

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