2012年4月3日火曜日

それでもまだPCMを聴きますか?

いやはや、これほど固い岩盤のような音を聴いたのは初めてだ。

「Audiomachina CRM」の音は虚仮威しではなかった。

CRMは、射撃競技用の超高級拳銃を製作する精密金属NC切削加工職人が作る、完全密封型、アルミ削出、アルミ塊のブックシェルフ型のSPで、その小さな箱からは容赦のないゴツイ低音が出てくる。噂以上の衝撃的な音だ。重量も12KGはあり相当重い。

この小さなモンスターを鳴らすのは、パワーアンプが「AYRE VX-R」、プリが「マランツ#7」。

さて、この恐るべき超高級機器群に単身立ち向かったのは、我が「FN1242デュアルモノDSD-DAC」だ。結果は如何!!


●まずは、このシステムでPCMを聴く。

部屋は狭く、SPは横一杯に離されて設置、高さも低い。

ここで聴くPCMの音は、超高級機器の名にかけて正に最上級の音だ。

ただし、音場は、横に広く縦に低い。

高音、中音、低音がSPの高さから下の空間に押し込められたように出てくる。

また、PCM特有の強調された音が耳にきつい。


●次に、「FN1242デュアルモノDSD-DAC」でDSDネイティブを聴く。

一瞬にして場の雰囲気が変わった。

ゴテゴテの化粧を落とした超絶美人のように、それは突然現れた。

纏わりついていた余計なものがすべて取り払われ、純粋な音だけがそこに存在する。

音場が一気に天井まで広がる。

上下に加え前後の空間感まではっきりと感じられる。

音の密度が高く、一音一音が非常にクリアに聴こえる。

刺々しかった低音のゴツゴツ感は、より一層クリアなゴツゴツに変わりとても心地よい。

音量を上げても全く破綻するところがなく、自然で優しい音が拡大する。

音に包まれる感じで、引き込まれてしまう。

このまま何時間聴き続けても決して疲れることはないだろう。

PCMとは全く異質の音だ。

こんな音の世界があったのかという驚き。

この音を聴いてしまったら、誰もが二度とPCMに戻りたくなくなる、それほど極上の音だった。

この部屋の主人は、これは拷問だという。

この極上の音を聴いた後に、またあのPCMを聴かなければならないなんて、あんまりだと。

1 件のコメント:

  1. JKです。

    記事の内容とは直接関係の無いことで、あらかじめお詫び申し上げます。
    さて、DSDの音源確保は、圧倒的にSACDからのリッピングで、
    当初、ファイル指定して(DSDIFF)抜き出しておりましたが、
    PS3への負担を心配して中途からISOイメージでリップし、パソコンでスカーレットブックによる必要ファイルの抜き出しの形に変えました。(リッピングスピードや発熱から見ても、デコードしながらのリッピングは、相当の負担に思えます。)
    その際、2chステレオのみ収録のものは(エソテリックのものやEMIの名盤シリーズなど)、Extract DSDで、マルチchも含んだものの場合は、Extract DSTのバッチファイルで抽出しています。(Extract DSDを使うと、アッという間に作業は終了しますが、出来るのはクラックファイルのようで読み込みも再生も出来ません。)
    ほとんどの場合、この方法で正解なのですが、先日リップしたバーンスタインのマーラー4番(SICC 10058)の時は、マルチch収録盤にもかかわらず、Extract DSD、DSTのどちらを使ってもキチンと抽出が出来、しかも非常に短時間、出来上がったファイルの容量は、どちらのものもまったく同じ、というものでした。
    実際の作業に当たっては、どちらかのバッチファイルを使えば、ちゃんと作業が出来るので何の問題も無いのですが、
    単純に興味といいますか、知的好奇心で、どのような構造の違いで、同じフォーマット収録のSACDのイメージファイルからの抜き出しで、上記のような差が生ずるのか、この辺のことにお詳しい方がいらっしゃれば、私のような素人にも判るように、平易にご解説いただければと思い、投稿する次第です。

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