2010年9月30日木曜日

RASTEME RDA-520

オーディオ誌でフルデジタルアンプで高音質かつ低価格と紹介されていたので、秋葉原に行く機会があれば、コムファディオに寄ってみようと思っていた。
先月秋葉原に行く用事があり、コムファディオに寄ってみた。写真で見るよりは小さいと思ったが、持ってみて驚いた。重い! フルデジタルアンプだが、電源はトロイダルトランスだ。筐体はアルミで金色、RASTEMEのロゴが太くて野暮ったい。

USB入力、SPDIF入力(光、同軸)、SPDIF出力(光、同軸)があり、フルデジタルアンプなので、アナログ入出力はない。

音は評判通り相当良い。ただ店のスピーカーは今ひとつで、音響をまったく考えない設置状態でまともな環境ではないが、高音が綺麗で低音が力強く悪くない。しかも価格はキャンペーンで4,000引きの¥43,250円だ。ほんとに安い!

めったに秋葉原には来ないし、その場で購入し家に持ち帰った。重い!

tX-USB -> USBケーブル -> Monitor01 USD -> デジタル同軸ケーブル -> RD-520

まず驚くのは、小さい筐体で、デジタルアンプにも関わらず、音が太く、高音が綺麗で低音がしっかりと出ることだ。CROWND-45、TA-DB790 に全く負けていない。これは我が家では十分な音だ。USB->RD-520 直に接続すると、やや柔らかい音がするがMonitor01USDを入れることで、ノイズが消え解像度が増している。

大きなアナログアンプは重く腰も痛めるし何よりスペースを取り邪魔だ。それに比べて、RD-520は小ささくUSB接続で取り回しも簡単だ。

フルデジタルアンプは、デジタル入力し、デジタルのまま増幅する。しかも、小さく高音質で低価格。いうことなしだ。

2010年9月27日月曜日

zionote tX-USB

zionoteのホームページを見ていたらtX-USBを見つけた。
PCI接続のUSB2.0増設ポートだ。 コントローラーはNECのOHCI(Open Host Controller Interface)方式で、バスマスタ転送をサポートし、一般的なマザーボード付属のUHCIよりCPUに負荷がかからず安定したデータ伝送ができ、音質も良いと言われている。

また、ULJC(Ultra Low Jitter Clock)、ULNPS(Ultra Low Noise Power Supply)などの技術でジッターやノイズを軽減、電源入力コネクタにフィルターを付けバスパワー電源の安定化を図っている。

最近は、USBの受信側のクロック対策、ジッター対策ばかりに関心が集まっているが、送信側でも対策を講ずればより高い効果を期待できるはずだ。なぜもっと話題にならないのか不思議だが、気に入ったので速攻で購入した。

とにかく素晴らしいの一言につきる。UC-BSTでも効果は感じられたのであるが、tX-USBはこれを上回る圧倒的な安定感と音質の向上をもたらしてくれた。「Monitor01USD」は更に安定感を増し音質も向上している。

その効果を最も感じたのは「cPLAY」だ。「cPLAY」で音楽を再生している時に、部屋の蛍光灯を点けたり消したりすると、必ず一瞬電圧が低下し音が大きく揺ぐ。やはり電源の影響は無視できないものだと実感していたが、tX-USBを使ってからは、この揺らぎが全くなくなったことだ。

これには正直驚いた。あの不安定な「cPLAY」が、面倒なWindowsの設定は一切していないのに、ノイズもなく安定して再生している。

USB-DDCやUSB-DACなど受信側の技術ばかりに目が行きがちだが、灯台下暗し!まずは送信側を強化することが、USB伝送問題の第一歩ではないかと思う。なお、UC-BSTは、結構気に入っていたが、はずしてしまった。

現在の組み合わせ
tX-USB -> Monitor01USD -> RD-520

バッファロー UC-BST

バッファロー「UC-BST」は、バスパワー稼働のUSB-HDDの起動をスムーズに行うために開発されたもので、箱の中のコンデンサに電気を蓄え、不安定なPCから供給されるバスパワー電流を充電・補完し安定稼働させる。これをバスパワー駆動のUSB-DDCやUSB-DACに使うことで音質を向上を図ろうという狙いだ。
PCとMUSILANDの間にこれを挟むと、音が安定し落ち着いたように感じる。また音に丸みが出たように感じる。わずか¥2,750でこの安定感はお買い得だ。バスパワー駆動には必須のアイテムといえる。ただし、USBのデバイス側がMini-Bプラグなので変換アダプターが必要になる。

2010年9月26日日曜日

MUSILAND Monitor 01 USD

PCとオーディオ装置との接続は、これまでサウンドブラースター、オーディオトラック、オンキョー(現在はSE-200PCI LTD)のサウンドカードを使ってきた。

SE-200PCI LTDのアナログ出力は、ノイズもなく音質も繊細で美しい。デジタル出力は光デジタル出力のみで同軸出力がなく、音質もなんとなくひ弱な感じで不満である。主にDVDの音声をAVアンプに繋ぎ、デジタル信号をパススルーして5.1CHで聴いているが、迫力に欠ける。

サウンドカードも以前に比べ格段にノイズは少なくなったが、やはりPC内部はノイズの固まりであり、最近は、USB伝送方式が注目されている。

一般的なUSBとオーディオの接続方法は以下の4通りである。
① USB ー> DAC ー> アナログアンプ
② USB ー> DDC ー> DAC -> アナログアンプ
③ USB ー> デジタルアンプ
④ USB ー> DDC ー> デジタルアンプ
私は現在、③の最も簡潔な方法で、PCとデジタルアンプ(ラステームRDA-520)を繋いでいる。

しかし、RDA-520のUSB入力は96kHz24bitまでしか対応しておらず、なんとか192kHz24bitの信号を通せないか探していたら、DDC(デジタル・デジタル・コンバーター)というものがあることを知った。リンデマンのUSB-DDC、M2TECHのhiFaceラトックのRAL-2496UT1等が評判だ.

探しているうちに、中国のMUSILANDが発売するDDC「Monitor 01 USD」を見つけた。USB入力のみで、出力は光と同軸デジタル。バスパワー駆動。
多くのメーカーが採用するUSBインターフェースICチップを使ったDACやDDCは、USB標準ドライバーが使えるが96kHz24bitまでしか対応しない。

ところが、当社はUSBインターフェースICチップを使わずに、独自にプログラムしたFPGAを使い192kHz24bitに対応している!しかもその価格はわずか66ドル!1ドル85円として5,610円だ。音質も良いとの評判。

早速、ebayでPayPalを使って購入。3~4日ほどで到着。ドライバーは頻繁にアップデートされているのでホームページから最新版をダウンロードしてインストール(なおインストール時はPCと本体の接続は切っておく)。ファームウエアもダウンロードできるので、今後FPGAプログラムの更新もあるかもしれない。

あまりに小さいので驚いたが、USBとRD-520の間に繋いで聴いてみると、無音時にあったノイズが消え、柔らかめだった音が稠密度と解像度が増しくっきりとした音となり、しかも、冷たい音ではなく暖かみのある音で、音のグレードが上がった感じがする。買って大正解だ。

しかしわずか6千円ほどで、これ程音質を改善するとは驚きである。中国のメーカーだからこんな低価格で出せるのだろうが、その技術水準は極めて高いと感じる。これに比べると国内メーカーの技術が相当に遅れているのではないかと危惧する。

その後エージングが進むに連れて音質もどんどん良くなり快適に音楽を聴けるようになってきたのだが、1つだけ問題があった。

光ケーブル経由だとサンプリングレート192kHz24bitまで通るのだが、同軸ケーブル経由だと96kHz24bit止まりであることだ。

Foobar2000(WASAPI or ASIO or DS):
USB -> Monitor01 USD -> 光  -> RD-520  192kHz24bitまで
USB -> Monitor01 USD -> 同軸 -> RD-520    96kHz24bitまで

なお、PCオンボードの「HD AUDIO」の場合は、ダイレクトサウンドであれば光・同軸どちらでも問題なく192kHz24bitまで通すが、WASAPIの場合は、光は通し同軸は通さないと、ややこしい。

Foobar2000(DS):
オンボード光  -> RD-520  192kHz24bitまで
オンボード同軸 -> RD-520  192kHz24bitまで
Foobar2000(WASAPI):
オンボード光  -> RD-520  192kHz24bitまで
オンボード同軸 -> RD-520    96kHz24bitまで

同軸ケーブルの問題かと思い、75Ω同軸デジタルケーブルをいろいろ試したがどれもダメであった。DSのオンボード出力では192kHz24bitまで出力するので、ケーブルの問題ではなさそうだ。WASAPIと同軸ケーブルまたはSPDIFの相性が悪いとしか考えられないが、よくわからない。

LINNレコードから192kHz24bitの高音質音源をダウンロードして聴いている私にとって、これでは困る。

2010年9月15日水曜日

デジタル化

音楽を聴くとき、アナログのレコードをアナログアンプで聴く。それでは、デジタルのCDは、どうしてアナログアンプで聴くことができるのか不思議に思ったことがある。

それは、CDプレーヤーやアンプの中に、DAC(デジタル・アナログ・コンバーター)という機能が搭載されていて、CDのデジタル信号がアナログ信号に変換されているので、アナログアンプで聴くことができるということ7~8年前に知って驚いた覚えがある。

デジタルアンプには、デジタルアンプ(D級アンプ)とフルデジタルアンプがある

D級アンプ
一般的にデジタルアンプと云われているのは、D級アンプのことで、アナログ信号をデジタル信号に変換して増幅するアンプだ。簡単に説明すると、入力されたアナログ信号を、用意された三角波と比較して、デジタル信号であるPWM波(PWM=パルス幅変調方式)を生成する、このPWM波を出力トランジスタ(MOSFET)で増幅し、LPF(ローパスフィルター)に通すと、アナログ信号を取り出すことができるというもの。それをスピーカーに送り出せば音が出る。D級アンプはアナログ信号を増幅するのでアナログアンプである。

フルデジタルアンプ
フルデジタルアンプは、デジタル信号をデジタル信号のまま増幅するアンプだ。仕組みは、入力されたデジタル信号を計算でPWM信号に変換するもので、その後はD級アンプと同じ仕組みだ。デジタル信号を一度もアナログに変換することなくデジタルのまま増幅する正真正銘のデジタルアンプである。

フルデジタルアンプは、CDのデジタル信号をデジタルのまま増幅するので、アナログアンプに比べて無駄がなく音質も良いように感じる。しかし、長い歴史のあるアナログアンプに比べて技術が未熟で、音質でアナログアンプの域に達することができなかった。ソニーオンキョーなどがデジタルアンプを発売しているが、圧倒的な主流はアナログアンプだ。


電子機器は、複雑に設計された電子回路を基に、沢山の電子部品を基板上に組み上げて作られている。しかし、デジタルアンプは、アンプの機能が1つの小さなICチップに集積されているのだ。この小さなICチップに電源と入出力機能を付け加えるだけで、簡単にデジタルアンプを作ることができる。しかも、そのICチップはわずか1千円程度の低価格だ。デジタルアンプだけでなくDACも最近は高性能なICチップで提供されている。

デジタルアンプICチップ
( STMicroelectronicsの STA328 1個¥1,251/100個ロット)

この様に高性能なデジタルICチップの技術によって、デジタル機器は非常にコンパクトにそして安価に提供されるようになった。デジタルアンプやDACのICチップは、既に、携帯プレーヤー、ミニコンポ、カーオーディオ、AVアンプなどに広く使われている。

数年前に、iPodが急速に普及し、iPodの音質が高級アナログアンプと遜色ないことが話題となった。iPodが高音質だということが、ピュア・オーディオの世界の人々も認めざるを得なくなり、かつてディスクトップミュージックと言っていたものが、ピュア・オーディオの世界の人達によってPCオーディオと名前を変え、急速に注目を浴びるようになって来た。

今や、PCやデジタルがキーワードだ。しかし、国内のオーディオ大手の動きは鈍く、LINNに代表される海外のオーディオメーカーや、国内でもラトックやフェーズテックなどのPC関連や中小のオーディーメーカーの動きが活発だ。

アナログ一筋でやってきた大手オーディオメーカーは、安いICチップでアンプやDACなどのデジタル機器が提供されてしまっている以上、これを使って高級品を作るわけにもいかないのだろうし、既存の高級アナログオーディオの世界を守る必要があるのだろう。

ソニーは液晶テレビやVAIOやプレーステーションに代表されるデジタル技術をもっており、デジタルアンプでも独自のS-masterという技術を開発したが、高級路線を目指したためほとんど普及していない。

ただし、国内大手各社は、デジタルテレビの普及を背景にAVアンプの開発に鎬を削っている。AVアンプには最先端のデジタル技術が数多く取り入れられており、デジタル技術の蓄積は進んでいると思われる。

デジタルアンプは、安価に簡単につくることができ、音質も高級オーディオに負けない高音質だ。デジタルアンプの世界では、これまでオーディオメーカーが死守してきた「高額品=高音質」の神話が崩れつつあるのではないだろうか。

最近「ラステーム」という中小の電気機器メーカーが発売するフルデジタルアンプが注目されている。上述の「STA328」チップを使ったフルデジタルアンプであるが、高級オーディオに匹敵する高音質かつ5万円を切る低価格

(ラステーム フルデジタルアンプ「RDA-520」)


CDの販売が落ち込む一方、音源のダウンロード化が進んでいる。192kHz24ビットの超高音質音源も出現し、ダウンロードと再生にPCが欠かせない装置となってきている。

PCとオーディをつなぐ伝送技術も進化し、USB伝送方式、ジッター、クロック、DDC、DACなど様々なデジタル技術が進化している。今後、日進月歩で急速にデジタル技術は進歩し、低価格化が進み音質も向上するだろう。

茶の間においても、地デジ移行によるデジタルテレビの普及を背景に、DVD・ブルーレイ、AVアンプ、サラウンド環境など、これまで一部のマニアが独占してきたデジタル装置の普及も進んでいる。

消費者はいずれ、デジタルオーディオが安くて高音質であること知るだろう。オーディオ業界は、高級アナログ路線だけで生き残っていけるのであろうか。

2010年9月12日日曜日

プロケー


老朽化しほとんど聴かなくなっていたビクターのアンプ「A-X7D」、ソニーのCDプレーヤー「CDP-501ES」、オンキョーのスピーカー「D77RX」を廃棄または人に譲り、買い替えることにした。

そこで、滅多に読まないオーディオ誌を買ってみた。うーん高級品ばかりが美しい写真入りで紹介されている。ほとんどが数十万円~数百万円だ。

そしてメインは、各メーカーのフラッグシップモデルだ。芸術品のように光り輝く最高級のオーディオ装置が、カラー写真と評論家の絶賛記事で数ページに渡って紹介されている。さらに、これを特注のオーディオルームに所狭しと並べているお金持ちのユーザーや評論家が紹介される。

憧れも束の間、ああオーディオはお金持ちの道楽だ。貧乏庶民が手を出すものじゃないと暗い気分になる。

ところが、数百万円もするフラッグシップモデルを見せられた後に、数十万円の機器(これも十分に高級だ)のページを見ると、不思議なことに、数百万円は無理だけど、数十万円なら何とかなるかもしれないと思えてくるではないか。

自分が貧乏庶民であることを忘れ、音質の良いものは高くて当然、せっかく買うなら安物より高級品と思い込んでしまう。そうなると、もはや十万円以下の機器は、音質の悪い低級品にしか見えなくなる。

貧乏庶民が、オーディオ誌の罠(?)にまんまと嵌り、国内有名メーカーの40万円のアンプと、ペアで80万円の欧州有名ブランドのスピーカーを買うことに決めてしまった。

秋葉原とお茶の水の間にある超高級オーディオショップに恐る恐る入る。店員は無視し声も掛けてこない。すでに貧乏庶民と見破られたか、常連の金持ちしか相手にしないのかと思いつつ、こちらから店員に声を掛けた。嫌々こちらにくる。面倒くさそうに、あれこれ聴かせてくれるがまるで売る気がない。

目当ての機器をいろんな組み合わせで聴いたのだが、どれを聴いても、少しも良い音に聴こえないのだ。フロアーが広すぎて音が拡散してしまうのか、周囲の雑音が影響しているのか、とにかく大したことがない。

あまりに酷いので、別の店に変えた。今度は、店員が直ぐに寄ってきて、お目当ての機器を鳴らしてくれた。しきりに、いい音でしょうと同意を求められる。この店は狭い場所に所狭しと機器が並んでいるが、やはり大した音がしない。その後、1か月ほどかけていくつも回ったがどこも同じだった。

高級オーディオに期待し過ぎなのかもしれないが、高級オーディオも全てが高音質とは限らないのではないかと感じた。自分の部屋に持込み、じっくり聞けば分るのだろうが、買ってみないと音がわからないということだ。ようやく冷静さを取り戻し、とりあえず今回の購入は中止することにした。

音質の判断は、自分の耳だけが頼りだ。客観的な基準もない。良い音は人それぞれ違うと思うし、たくさんの音を聴き経験を重ねることで耳も肥えていくのかもしれない。

いすれにしても、自分の耳で判断できない素人は、オーディオ誌のこの道何十年の評論家や専門家の意見や評価に多大な影響を受け、高級品=高音質と思いこみ、高級品なら間違いないと思い込む。

しかし、高級品=高音質(低級品=低音質)というのはほんとうだろうか。高級品にも良し悪しはあるのではないか。メーカーが安物を張りぼてで誤魔化しているかもしれないし、失礼ながら、評論家や専門家がメーカーから謝礼を貰い提灯記事を書いているかもしれない。本当に信用できるのか。

オーディオ・メーカーは、数百万円もする最高級のフラッグシップモデルを開発し、これをオーディオ誌が大々的に取り上げ絶賛する。しかし、そもそも何百万円もする機器がそれほど売れるはずはないのだから、メーカーの本当の狙いは、フラッグシップモデルの流れを汲むと宣伝される1ランク下の高級品だと思われる。

金持ちと貧乏庶民は別として、中級庶民に、フラッグシップモデルは欲しいが数百万円は高すぎる、でもその下のランクなら何とかなるかも、と思わせるのがメーカーのマーケット戦略だ。当然ながら低価格品に流れないよう、低価格品の品質や音質は抑えておく。いい音を聴きたければ高級品をどうぞといった仕組みなのだ。

しかし、アナログ・オーディオの中身は、抵抗やコンデンサやコイルやICチップなどのどれも1個数十円~数百円の電子部品だ。これが何百個使われようとせいぜい数万円程度で、10万円にはなっても1百万円には到底なりえないと思う。

また、回路の設計などに莫大な研究開発費をかけているようにも思われない。先人達の築き上げた技術を元に、多少の改良を加えて手直ししているに過ぎないように思われる。

部品も安く、研究開発費もかかっていないのなら、メーカーが高音質のオーディオを低価格で製造するのはいとも簡単なことだ。

しかし、大手メーカーは、自社の利益だけを確保すればいいのではない。販売店やオーディオ誌まで含めた業界全体の利益も上乗せしなければならないのだ。従って価格は高くならざるを得ない。

家電メーカーのように、巨大市場を背景に、巨額の技術開発費を投入し、最先端技術を搭載した製品を、量産効果でコストダウンし低価格で販売するといった荒技は、ニッチ高級オーディオ市場を相手にするオーディオ業界には、不可能なことだ。

オーディオ企業が、利益を出し生き残るためには、安価な部品と償却の終わった枯れた技術を使い、高級品は高音質に、中級品はそれなりに、低級品は低音質にといった作り分けをして、価格を維持することが絶対に必要なのだ。

これが市場原理であり、誰も第二のサンスイにはなりたくないのだ。オーディオ業界を批判するつもりはない。むしろ、なんとしてもこの厳しい不況を生き残り、いつの日か、安くて音質のいい製品を沢山の人に提供して欲しいと思う。

こうして見てくると、利益をあげることを考えなければ、安くて高音質なオーディオを作ることは、決して難しくないことがわかる。実際に沢山の自作マニアが安くて高音質な装置を自作し楽しんでいるではないか。

大手がだめなら中小ならどうかと思うが、安くて高音質な製品を作っても、知名度がなく、大きな広告宣伝費をかけられないため、数を売ることは難しく、結局、高級品を売るしかないと思われる。しかし、高音質が評判となり口コミやネットで広がり数が売れれば可能性はある。実際に、そうした中小企業がいくつか出てきている。

面白いのは、ピュア・オーディオ以外の世界に目を向けると、安くて高音質な製品が結構あるのだ。同じオーディオメーカーが製造しているが、AVアンプは安価で高音質だ。iPodやウォークマンなどの携帯プレーヤーも高音質だ。探せばもっといろいろあるのではないか。(鍵はデジタルアンプかもしれない。)

そして、いろいろ探しているうちにプロケーブルのサイトに出会った。

アクの強いサイトで、高級オーディオは地獄だ、高級でなくとも最高の究極の良い機器があると断言している。そして多くのユーザーの賛同の声が紹介されている。思い込みが激しく言い過ぎ感はあるが、一理はあると感じた。

もし本当に良い音がするなら試してみる価値はある。ダメでも高級品に比べ出費は小さい。

・パワーアンプ「CROWN/D-45」¥63,800
・スピーカー「Eelectro-Voice/FORCEi」¥77,200(ペア)
・ミキサー「アレン&ヒース/Xone:62」¥134,700

最初に サラボーンのスターダストを聴いた。元々、あの出だしの高音が耳にうるさくあまり好きな曲ではなかったので、この曲がどう変わるのか聴いてみたかったのだ。

ほんとうに驚いた。うるさく感じた高音が瑞々しく余裕を持って聴こえる。聴いていて気持ちがいい。この曲がこんなに良い曲であることを初めて知った。サラボーンの声が心地よくこの曲が大好きになった。

いろんな曲を聴いていくうちに、CROWN/D-45は、癖がなく繊細で透明な音を出す良機であること、アレン&ヒースは無い方が音に力を感じること、そして音が檄変した最大の要因は、FORCEiであることが分かってきた。


FORCiの38cmウーハーから出る音は、引き締まった低音だけでなく、一瞬にして中音域に奥行きと厚みが加わり、音全体に広がりと余裕が生まれ非常にゆったりと聴こえてくる。軽自動車ではなく余裕のある3000ccクラスの車に乗った感じだ。ホーンも繊細で美しい高音をしっかりと出している。

いわゆるピュア・オーディオ系のスピーカでなく、野外で使うPA系のスピーカーだ。見た目は野暮ったくエレガントさはないが、音質的には非常に良いスピーカーだと感じる。

騙されても勉強と思って目をつぶって買ってのであるが、実際に低価格で高音質であった。よくこうした機器を見つけたものだと感心する。ただし、自分には合わない物(アレン&ヒース)もあったし、買おうと思わない物(スピーカースタンド)もあった。

音質は人それぞれ。自分で聴いて納得すればそれがいい音だ。そうした意味では、プロケーの言うことを鵜呑みにするのは危険だ。

プロケーの機器が低価格かつ高音質であっても、世の中には他にも沢山の安くて高音質の機器はある。究極や最終形でないことは間違いのない事実だ。

行き過ぎた表現さえ改めれば、貧乏庶民の味方としてもっと広く支持されると思うのだが。高級オーディオが君臨する業界の中で、貧乏庶民がオーディオを考える一つの視点を投げかけていることは評価に値すると思う。

なお秋葉原に行けない地方の人間が、リーズナブルなケーブルを調達するには非常に便利だ。ケーブルは今だにここを使っている。

2010年9月11日土曜日

Foobar2000

ソフトウエア・プレーヤーは、なんと言っても「Foobar2000」だ。

音質だけならもっと高音質のプレーヤーはある。しかし、使い勝手からいけばFoobar2000が最高だ。そもそもレコード盤やCDをケースから出してターンテーブルやトレイに乗せて聴くという行為が面倒で、ジュークボックスのように気軽に音楽を聴けることが嬉しくてPC音楽を始めたのに、1曲づつ音質を分析しながら楽曲を聴くようなスタイルはとても性に合わない。好きな音楽をそれなりの高音質で気軽に聴きたいのだ。

Foobar2000の音質は、やや堅めで目の細かい絵画のような感じだ。WAV File Player やcPlayなどの高音質のプレーヤーは、逆にFoobar2000の目の細かい絵画を拡大コピーし目を粗くして音を柔らかくしたような感じで、個人的にはあまり好きではない。Foobar2000も十分に高音質だと思う。

My Foobar2000

Foobar2000は、高音質なのに、PC音楽に必要な作業を全てをこれ一つでやってしまえるところが凄いのである。ここまでできるソフトは他にはないと思う。

まずCDドライブにCDを入れリッピングを選ぶと、自動的にfreedbにアクセスして曲の情報を取得してきてくれる。アーチスト名、アルバム名、ジャンル、発売年、曲名など。内容が間違いなければ、予め設定した内容でリッピングを開始する。曲の情報はFLACの中に埋め込まれ、再生時に表示させることができる。

私の場合は、CDからWAVファイルを通さずに直接FLACにリッピングしているので、バイナリ一致を確認していない。だだし以前WAVファイルでバイナリ一致を確認したことがあるし、WAVとFLACで音質が変わると感じたことはないので、問題ないと思っている。

そして個人的にはFoobar2000の最大のセールスポイントだと思っているのが、保存場所とアウトプットスタイルとファイル名が設定できるところだ。

[Output Path]
F:¥Music¥JAZZ
[Outoput style and file name formatting]
%artist%¥%album%¥%tracknumber% %title%

このように設定しておくと、フォルダーが無ければ新たにフォルダーを作り、有ればそのフォルダーに、リッピングしたファイルが作成される。この機能は不精者には本当に便利なのだ。

例えば、ダイアナクラークのCD「The Girl In The Other Room」をリッピングすると、 F:\Music¥JAZZのフォルダーの中に、Diana krall(アーチスト名)のフォルダーが作られ、更にその中に、The Girl In The Other Room(アルバム名)のフォルダーが作られ、その中に、曲の頭に01のように番号を振り、曲名をファイル名にしたFLACのファイルが保存される。

F:¥Music¥JAZZ¥Diana krall¥The Girl In The Other Room¥01 Stop This World.flac

最後に、Albun ListというプラグインがF:¥MUSICの中のフォルダーを階層で表示してくれるので、そこからアルバムや曲を選ぶと、曲が再生される。

また、アルバムのフォルダーの中に、アルバムの画像を入れておくと、Album Art Panelというプラグインが画像を表示してくれたりもする。

Foobar2000は、プラグインを使って自由にカスタマイズが可能だ。ただし基本となるTitle Formattingという簡単なスクリプトを覚える必要がある。

主なプラグインは、ColumnsUI、Panel Stack Splitter、Elplaylist、Album Art Panel、CoverFlowなどで、その他にもの凄い数がある。設定画面で簡単な項目を入力するだけのものもあれば、Title Formattingを拡張した独自の関数を備えているものもある。沢山のプラグインとスクリプトを駆使して、自分だけのFoobar2000を自由にカスタマイズできるところが素晴らしい。



2010年9月10日金曜日

MP3からFLACへ

必然的というか運命的というか、デジタルを扱うPCとCDが合体し「PC音楽」が出現した。

CDの音楽データを、パソコンのCDドライブからダイレクトにリッピングして、WAVファイル形式でパソコンに保存する。出来上がった音楽データファイルをWINAMPのようなソフトウエアプレーヤーで管理・再生し、クリエイティブのサウンドカードから出力、外部のアンプ+スピーカーに接続して聴く。これがPC音楽だ。

しかし、WAVファイルの容量は1楽曲で30~50MBにもなり、当時のHDD容量では何百・何千の楽曲をWAVファイルとして保存することは不可能で、WAVファイルを圧縮する技術が考えられた。

圧縮方式はいろいろあったが、MP3がその圧縮率と音質で圧倒的な人気を博した。MP3のエンコーダーではLAME(LAME Ain't an MP3 Encoder)が評判だった。MP3で圧縮するとファイルの容量はWAVの10分の1~5ほどに小さくなった。

PC音楽は画期的だ。いちいちCDをケースから取り出したりしまったりすることなく、「ジュークボックス」のように、どんな曲でもクリック一つで瞬時に鳴らすことができる。

PCの「マイ・ジュークボックス」は、ラジカセ時代に見た私の長年の夢の実現であり、これ以降、音楽はCDプレーヤーではなくPCで聴くことになった。

しかしMP3はCDの音から16KHz以上の高音域をカットする為、音質はCDより落ちる。データをカットしないコーディックはないものかと、いろいろ探しているうちに「可逆圧縮」に辿り着いた。

「可逆圧縮」は圧縮率は1/3~1/2程度と高くはないが、MP3のようにデータはカットせず、しかも、元のWAVファイルに復元可能な圧縮形式である。そして最大のメリットは、MP3と同様に音楽情報を埋め込めることだった。WAVではこれができないので致命的だ。最初はAPEを使っていたが、今はFLACを使っている。音質はWAVと全く変わらない高音質である。

昨日PCショップで2TBのHDDが1万円以下で売られているのを見た。これだけの容量があれば、もはやWAVファイルを圧縮する必要はないだろう。しかし、それでも曲の情報を埋め込めないWAVファイルは使う気になれない。世界を席巻しているiTunesやiPodも、FLACを再生できないから使わない。やはりこれからもFLACだ。

ジャズ喫茶

学生の頃は井の頭公園の側に住んでいたので、よく吉祥寺のジャズ喫茶に通った。アパートではアイワのステレオラジカセにデンオンのレコードプレーヤーを繋ぎ、Fostexの10cm自作バスレフスピーカーで聴いていた貧乏学生には、ジャズ喫茶の音は驚愕的だった。

吉祥寺のファンキーは、吉祥寺の街を買えてしまった男と言われた、伝説の故野口伊織氏が作ったジャズ喫茶。1F,2F,BFがあり、それぞれに違うシステムがあった。2FにアルテックのA7、BFにJBLのパラゴンという怪獣のように馬鹿でかいスピーカーがあった。当時のジャズ喫茶のスピーカーはたいていJBLで、暗い照明の部屋全体を揺るがすような大音量でレコードを鳴らしていた。客はコーヒーかコーラを注文し、目を閉じて黙ってひたすら何時間も瞑想するかのようにジャズを聴くのだ。若者達はジャズ喫茶でマイルスやコルトレーンを聴き、その音を鳴らすJBLに憧れたものだ。
JBL パラゴン
同じく吉祥寺のアウトバックは、ファンキーと違って、クロスオーバー中心の店で、店内も明るく開放的な雰囲気があった。ここで初めて、チックコリアの「リターン・トゥー・フォエバー」やアル・ディメオラの「エレガントジプシー」を聴いた。マイルスやコルトレーンの暗闇の中から沸き上がるような金管楽器の響きとは全く異質の、明るく瑞々しく繊細で鋭利なエレクトリックサウンドに心が躍った。新しい時代が来たと直感した。

その後しばらくしてファンキーは改装・閉店した。しかし改装後のファンキーは我々の知るジャズ喫茶ではなく、女性達がお茶をしながら軽音楽を楽しむ店に変わってしまった。その後、就職しジャズ喫茶に行くことはなくなった。そして、多くのジャズ喫茶がその姿を消していった。

最近、イーグルの後藤雅洋氏の本を書店で目にし、未だに健在で頑張っているジャズ喫茶があることを知った。早速、四谷のイーグルと吉祥寺のMEGに行った。イーグルはほとんど昔と変わっておらず、壁に埋め込まれたJBL4344が懐かしかった。MEGは、かの有名人寺島靖国氏のお店。JBLではなく真っ赤なアバンギャルドDUOが燦然と鎮座ましていた。「なんか違うなあ、やっぱりジャズ喫茶はJBLでないと」と思ってしまった。

金沢に、穆燃というジャズ喫茶がある。スピーカーはジャス喫茶の定番でJBLだ。しかも、片側2個ウーハー搭載の4350Bをマルチアンプで鳴らすというもの凄い店。音は4343や4344とは比べものにならない。低音が音が立方体で迫ってくる。厚く角が直角に切り立つ立方体だ。まあとにかく凄い。これが同じ音楽かと思わされる。マサラキーマカレーが絶品。

全国には、数は少ないがジャズ喫茶は残っている。若い頃ジャズ喫茶に通った団塊の世代が支えているのであろうか。店主もお客も高齢化し後30年もすれば完全に無くなってしまうのだろうか。一関にあるというベイシーというお店にもいつか行ってみたい。


2010年9月8日水曜日

MYオーディオ履歴

現在の状況


1977年頃
・レコード・プレーヤー「サンスイ/SR-333」
・ステレオ・カセットテープレコーダー「アイワ/TPR-810」
・自作バスレフスピーカー「フォステクス/FE103EN」

1981年頃
・インテグレーテッドアンプ「ビクター/A-X7D」
・カセットデッキ「デンオン/DR-F1」
*この年世界最初のCDプレーヤー販売開始

1983年頃
・CDプレーヤー「ソニー/CDP-501ES」

1985年
*音楽CDレンタル開始

1994年頃
・スピーカー「オンキョー/D77RX」

1995年頃
*この年Windows95発売

1996年頃
*この年CD-Rドライブ発売開始
*この年DVD発売開始

1997年頃
*この年Winamp登場

1998年頃
・サウンドカード「クリエイティブ/Sound Blaster Live!」
・4.1chサラウンドスピーカー「クリエイティブ/PCWorks FourPointSurround」

・CD-Rドライブ「プレクスター/PX-R820T」 
*PC音楽始める


2003年頃
・サウンドカード「オーディオ・トラック/PRODGY7.1」

2004年頃
・サウンドカード「オンキョー/SE-150PCI」
・AVアンプ「ソニー/TA-DB790」
・ユニバーサルプレーヤー「マランツ/DV6400」
・サウンドカード「オンキョー/SE-200PCI LTD」
・スピーカー「JBL/4312M」

2008年頃
・パワーアンプ「CROWN/D-45」
・スピーカー「Eelectro-Voice/FORCEi」
・ミキサー「アレン&ヒース/Xone:62」

2010年頃
・フルデジタルアンプ「RASTEME/RDA-520」
・DDコンバーター「MUSILAND/Monitor 01 USD」
・オーディオインターフェース「RME/FireFace UC」

2010年9月6日月曜日

サウンドブラスターからオンキョー

かつて、パソコンのサウンドカードと云えばクリエイティブのサウンドブラスターが定番。最初に買ったサウンドカードも、クリエイティブの「Sound Blaster Vibra16S CT2800」だ。今は懐かしきISAバスもの。スピーカーは忘れたがアンプ内蔵の安っぽいプラスチックのもので、音はチープで酷かった。

余りに安っぽい音に辟易していると、クリエイティブが渾身の新製品シリーズ「Sound Blaster Live!」を発売した。PCIバス対応でサウンドカードの新時代の到来を予感し迷わず「Live!Value」を購入。スピーカーもついでにクリエイティブの4.1CHスピーカー「PCWorks FourPointSurround」に買い換えた。4つの(小さな四角い)サテライトスピーカーにアンプ兼サブウーハーの4.1ch構成のサラウンドスピーカーだ。

小さな四つのスピーカーから驚くほどしっかりとした音が飛びだし部屋中に溢れ出し、サブウーハーは低音をドンドン鳴らした。期待通り音は激変!サラウンドも凄い!これはいける!PC音楽はありだ!そう思った。


しかし、MS-DOS時代のデファクトスタンダードであったサウンドブラスターも、Windows時代になると次々とライバル登場した。AUDIOTRAKやONKYOなどだ。素晴らしかった「LIVE!」もノイズには悩まされた。そこでAUDIOTRAKの「PRODGY7.1」に乗り換えてみた。しかし音質は「LIVE!」を上回ったがノイズは酷かった。

どうにかならないものかと悩んでいた時、'98年オーディオメーカーのONKYOがノイズを出さない独自技術の「VLSCR」を搭載した「SE-80PCI」を出した。俄然注目度が上がったが、かつてのヤマハのサウンドカードのようにいつの間にか消えていくのではないかとの不安もあり、手は出さないでいたが、'02年オンキョーはなんと24bit192kHzの光デジタル出力を備えた「SE-90PCI」を発売した。ノイズがなく高音質でしかも光デジタルで192kHzを出力する夢のようなサウンドカードだ。

迷わず飛びついた。ただし出力しかない90PCIではなく入力も可能な「SE-150PCI」だ。それはまさに衝撃だった。ほんとうにノイズがないのだ。ノイズまみれのパソコンから、まさに澄み切った美しい音が聴こえてくる。信じられないほどの高音質。PC音楽は間違いない!そう確信した。その後、サウンドカードは「SE-200PCI LTD」に乗り換えた。更にノイズが低下し音質も向上した。



ところで、アナログは良いのだが、せっかく光デジタル出力端子があり、24bit192kHzに対応しているのに、この光デジタルというものを試す環境がない。すでにCDは普及し、世はDVDの時代になり、DVD-AUDIOやSACDも発売されていた。高サンプリング、高音質、アナログからデジタルへ潮の流れは変わりつつあった。どうしても光デジタルと高サンプリングの音を聴いてみたくなり、デジタル入力端子があり高サンプリングも受けられるAVアンプの購入を決断した。

ソニーの24bit96KHz対応の5.1ch「TA-DB790」だ。CDだけでなくDVD-AUDIOやSACDも聴けるプレーヤーをユニバーサル・プレーヤーと呼ぶことをこの時知ったがマランツの「DV6400」、2ch用にJBLの4312M、サラウンド用にソニーの5.1chサラウンドシステム、こうして安価ながら本格的な5.1chサラウンドシステムを構築した。パソコンとAVアンプは「SE-150PCI」「SE-200PCI」の光出力から光ケーブルで接続。

アナログも良いのだが、デジタルでもオンキョーのサウンドカード「SE-200PCI」は、ほんとうにノイズがない! 高音から低音までフラットで色づけがなく、繊細で美しい音だ。
海外の高級オーディオカードも選択肢としてあったが、2万円ちょっとでこれだけの音がでれば十分満足だ。ソニーのAVアンプも、長時間音楽を聴いても疲れない柔らかい音で、驚くほど低音が出る。PCのPC音楽であることを忘れてしまう高音質だ。

PCからの音を、初めてまともなアンプにつないで聴いてみて、その音質の高さ、ノイズのなさ、美しさに正直愕然とした。もうこれで十分だ、何の不満もないと思わせてくれる音だ。これほどの高音質を家で聴けるなんて信じられないような気持ちであった。

さらにDVD-Audioの5.1chの音は圧巻だ。部屋中からシャワーのように音が降り注ぐ感じで、一度体験したら病みつきになる。DVD-Video(映画)も、SPDIF5.1chパススルーで見ると迫力と臨場感が全然違う。映画館のように音が右から左から後ろから飛んでくるので、もう2chには戻れない。

ただ、DVD-Audioは最高の音質でありながらマイナーなフォーマットで、パッケージも地方では入手困難。高サンプリングの音源がダウンロードできる時代になり、もう普及することはないと思うが、消え去るのはほんとうに残念だ。

2010年9月5日日曜日

MY PC

現在のPC

富士通「FM77AV」、エプソンPC286、Getway2000、自作4台の後の8台目の自作PC

OS Windows7 Ultimate
PC-CASE ATNTEC P180B
電源 ENERMAX INFINITI-650W
MotherBoard    ASUS P5B-Deluxe
CPU intel Core2Duo E6600 2.4GHz
CPU-Cooler KAMA ANGLE B
Memory DDR2 / 4GB
Graphic SAPPhIRE Radeon HD5670 512M DDR5B
Drive Pionner BDC-S20J-BK
SSD INTEL X25-M SATA SSD / 80GB
HDD Maxtor 7H500F0 / 500GB
HDD WD5000AAKS_00YGA0 / 500GB
HDD HDS722020ALA330 / 2TB
HDD ST31000528AS / 1TB
TV PIX-DT090
USB tX-USB





過去のPC
     富士通 FM77AV              エプソン PC-286              Getway2000 P5-100

2010年9月4日土曜日

ジュークボックス

私の音楽は、小学校5年生の時にギターを買ってもらったことが始まりだ。「バラが咲いた」「あの素晴らしい愛をもう一度」「風」などを弾き、ラジオからはビートルズが流れていた。

中学1年の頃にラジカセが発売された。英語の勉強をすると言って買ってもらったラジカセに、レコードやラジオの音楽を録音して聴くのが当時の若者達の最先端だったように思う。

高校では、不良はロック、まじめはフォーク、ミーハーは歌謡曲と、三つの勢力に分かれ、ジャンルを問わず音楽に力があり、世界中に音楽が溢れていた時代だった。当時は一般の家庭には、たいてい家具のようなステレオ装置があり、オーディオやコンポなどは無かった。

当初はモノラルだったラジカセも、大学生になる頃には、FMが聴けてステレオになり、スピーカーが大きくなり、タイマーなども付くなど、進化を続け筺体も巨大化していった。

アイワのステレオラジカセ「TPR-810」はラジカセの最高峰ともいうべき人気機種で我が愛機であった。

しかしラジカセは便利だったが、カセットテープが山積みになる、テープが絡まりぐちゃぐちゃになる、曲の頭出しや巻き戻しに時間がかかる、テープに表裏があるなど、テープの使い勝手は今ひとつ。

「いつかジュークボックスのように楽に曲を選曲できるようになったらいいな」というのがその頃の夢だった。

やがて、ソニーがウオークマンを発売し、ラジカセで録音したテープを外出先で聴くといった新しい音楽スタイルが生まれた。その流れがiPodにつながっている。

そして、iPodからPC音楽が注目されるようになってきた。PC音楽は、若い頃夢見たジュークボックスそのものだ。テープも無く絡まず巻き戻しも必要ない。今や、PC音楽こそが私の音楽スタイルだ。

今年はPCオーディオ元年なのだそうだ。私のPC音楽歴は、かれこれ10年近くになるが、これを機に私もPC音楽に関するブログを始めてみようと思った。