2010年12月8日水曜日

PCオーディオ ネットワークオーディオ MPD

PCオーディオは、PCで再生した音楽を外部のアンプで聴くのが基本だ。しかし、最近は様々な形態のものが登場しなんだか混乱してしまう。ネットワークオーディオは何と言ってもLINNが切り開いた分野だ。MacのAirMac Expressもネットワークオーディの一種だ。
現在の発展形は大きくわけて以下の3パターンある。それぞれについて簡単に見ていく。

① PCオーディオ(主流◎)

【PC】--USB--【DDC,DAC】----【AMP】
_再生

最も一般的なPCオーディオ。接続も簡単。USB転送のノイズやジッターが課題であるが、最近は、アイソクロナス転送方式のアシンク(非同期)モードでこの問題を解決するなど、USB転送に関する技術は進歩しており、USBデバイスの高音質化が進んでいる。USBケーブルやDDC,DACも豊富に供給されている。PCオーディオの王道であり、決して入門編ではない。


② PCオーディオ+MPD(マニア向け▲)

【PC】--LAN--【PC】--USB--【DDC,DAC】----【AMP】
_命令     再生

_Win Mac         Linux
_MPD(Client)   MPD(Daemon)

PCの機能を音楽再生に必要な機能に徹底的に搾りあげると高音質になるという原理を発展させたもの。普段使用しているWindowsやMacPCの再生命令ソフト(MPD Client)から、音楽再生機能(MPD)のみに搾りあげられたLinuxPCに音楽再生命令が送られると、音楽が再生される。LinuxPCは電源を入れて立ち上げておくだけで一切の操作は不要だ。驚くほど高音質と言われている。
ただし、Linuxやネットワークの知識が必要で、ほとんどの人には余りにもハードルが高い。しかも、Linuxに対応しないUSB-DDCやDACも多い。特に独自ドライバーを使った24bit/192kHz対応のものはLinux用ドライバーはほとんど用意されていない。


③ ネットワークオーディオ(今後の主流◎)

【NAS】--LAN--【ルーター】--LAN--【ネットワークプレーヤー、AMP】
___________________再生


_↑                                      ↑
_PC                                        iPhone 

これは、LINNがネットワークプレーヤー「DS」で開拓してきた分野。楽曲をNASから直接、LAN経由で取り込みDS内部のDACでアナログに変換しアンプに繋ぐ。「DS」にアンプ機能を加えたものが「DS-I」。NASへの楽曲データの補給はPCで行い、ネットワークプレーヤーを「iPhone」でリモートコントロールすることもできる。ノイズの巣窟と言われるPCを通らずデータ補正のないUSB転送(アイソクロナス)を使わず、データ補正機能のあるLANでバイナリーデータを直接ネットワークプレーヤーに運び、FIFOバッファを介してDACするので、ノイズやジッターの発生を抑え高音質の再生が可能となる。
ネットワーク技術の進歩で、PCやNASやルーターを、素人でもただ単に繋ぐだけで認識させることができるようになったことで、今後急速な普及が見込まれる分野。
国内メーカーのPCオーディオへの対応が遅れているようにみえるが、実は、各社がデジタルテレビの普及に合わせ、DVDやブルーレイのマルチチャンネル再生装置として熾烈な競争を繰り広げている「AVアンプ」がネットワークに対応することで、ネットワークプレーヤー兼アンプとして急浮上している。オーディオマニアは、DS-Iを買うかも知れないが、一般の家庭には、デジタルテレビとAVアンプの可能性の方が高いように思われる。
今年後半になり、マランツやヤマハなどがようやくネットワークプレーヤー分野に進出してきた。価格も低価格であり、今後、さらに製品が充実していくものと思われる。

①のPCオーディオと③のネットワークオーディオ、どちから安くて高音質な装置やシステムを提供してくれるか、今後がほんとに楽しみである。

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