それは、CDプレーヤーやアンプの中に、DAC(デジタル・アナログ・コンバーター)という機能が搭載されていて、CDのデジタル信号がアナログ信号に変換されているので、アナログアンプで聴くことができるということ7~8年前に知って驚いた覚えがある。
デジタルアンプには、デジタルアンプ(D級アンプ)とフルデジタルアンプがある
D級アンプ
一般的にデジタルアンプと云われているのは、D級アンプのことで、アナログ信号をデジタル信号に変換して増幅するアンプだ。簡単に説明すると、入力されたアナログ信号を、用意された三角波と比較して、デジタル信号であるPWM波(PWM=パルス幅変調方式)を生成する、このPWM波を出力トランジスタ(MOSFET)で増幅し、LPF(ローパスフィルター)に通すと、アナログ信号を取り出すことができるというもの。それをスピーカーに送り出せば音が出る。D級アンプはアナログ信号を増幅するのでアナログアンプである。
フルデジタルアンプ
フルデジタルアンプは、デジタル信号をデジタル信号のまま増幅するアンプだ。仕組みは、入力されたデジタル信号を計算でPWM信号に変換するもので、その後はD級アンプと同じ仕組みだ。デジタル信号を一度もアナログに変換することなくデジタルのまま増幅する正真正銘のデジタルアンプである。
フルデジタルアンプは、CDのデジタル信号をデジタルのまま増幅するので、アナログアンプに比べて無駄がなく音質も良いように感じる。しかし、長い歴史のあるアナログアンプに比べて技術が未熟で、音質でアナログアンプの域に達することができなかった。ソニーやオンキョーなどがデジタルアンプを発売しているが、圧倒的な主流はアナログアンプだ。
電子機器は、複雑に設計された電子回路を基に、沢山の電子部品を基板上に組み上げて作られている。しかし、デジタルアンプは、アンプの機能が1つの小さなICチップに集積されているのだ。この小さなICチップに電源と入出力機能を付け加えるだけで、簡単にデジタルアンプを作ることができる。しかも、そのICチップはわずか1千円程度の低価格だ。デジタルアンプだけでなくDACも最近は高性能なICチップで提供されている。
デジタルアンプICチップ
( STMicroelectronicsの STA328 1個¥1,251/100個ロット)
この様に高性能なデジタルICチップの技術によって、デジタル機器は非常にコンパクトにそして安価に提供されるようになった。デジタルアンプやDACのICチップは、既に、携帯プレーヤー、ミニコンポ、カーオーディオ、AVアンプなどに広く使われている。
数年前に、iPodが急速に普及し、iPodの音質が高級アナログアンプと遜色ないことが話題となった。iPodが高音質だということが、ピュア・オーディオの世界の人々も認めざるを得なくなり、かつてディスクトップミュージックと言っていたものが、ピュア・オーディオの世界の人達によってPCオーディオと名前を変え、急速に注目を浴びるようになって来た。
今や、PCやデジタルがキーワードだ。しかし、国内のオーディオ大手の動きは鈍く、LINNに代表される海外のオーディオメーカーや、国内でもラトックやフェーズテックなどのPC関連や中小のオーディーメーカーの動きが活発だ。
アナログ一筋でやってきた大手オーディオメーカーは、安いICチップでアンプやDACなどのデジタル機器が提供されてしまっている以上、これを使って高級品を作るわけにもいかないのだろうし、既存の高級アナログオーディオの世界を守る必要があるのだろう。
ソニーは液晶テレビやVAIOやプレーステーションに代表されるデジタル技術をもっており、デジタルアンプでも独自のS-masterという技術を開発したが、高級路線を目指したためほとんど普及していない。
ただし、国内大手各社は、デジタルテレビの普及を背景にAVアンプの開発に鎬を削っている。AVアンプには最先端のデジタル技術が数多く取り入れられており、デジタル技術の蓄積は進んでいると思われる。
デジタルアンプは、安価に簡単につくることができ、音質も高級オーディオに負けない高音質だ。デジタルアンプの世界では、これまでオーディオメーカーが死守してきた「高額品=高音質」の神話が崩れつつあるのではないだろうか。
最近「ラステーム」という中小の電気機器メーカーが発売するフルデジタルアンプが注目されている。上述の「STA328」チップを使ったフルデジタルアンプであるが、高級オーディオに匹敵する高音質かつ5万円を切る低価格だ。
今や、PCやデジタルがキーワードだ。しかし、国内のオーディオ大手の動きは鈍く、LINNに代表される海外のオーディオメーカーや、国内でもラトックやフェーズテックなどのPC関連や中小のオーディーメーカーの動きが活発だ。
アナログ一筋でやってきた大手オーディオメーカーは、安いICチップでアンプやDACなどのデジタル機器が提供されてしまっている以上、これを使って高級品を作るわけにもいかないのだろうし、既存の高級アナログオーディオの世界を守る必要があるのだろう。
ソニーは液晶テレビやVAIOやプレーステーションに代表されるデジタル技術をもっており、デジタルアンプでも独自のS-masterという技術を開発したが、高級路線を目指したためほとんど普及していない。
ただし、国内大手各社は、デジタルテレビの普及を背景にAVアンプの開発に鎬を削っている。AVアンプには最先端のデジタル技術が数多く取り入れられており、デジタル技術の蓄積は進んでいると思われる。
デジタルアンプは、安価に簡単につくることができ、音質も高級オーディオに負けない高音質だ。デジタルアンプの世界では、これまでオーディオメーカーが死守してきた「高額品=高音質」の神話が崩れつつあるのではないだろうか。
最近「ラステーム」という中小の電気機器メーカーが発売するフルデジタルアンプが注目されている。上述の「STA328」チップを使ったフルデジタルアンプであるが、高級オーディオに匹敵する高音質かつ5万円を切る低価格だ。
(ラステーム フルデジタルアンプ「RDA-520」)
CDの販売が落ち込む一方、音源のダウンロード化が進んでいる。192kHz24ビットの超高音質音源も出現し、ダウンロードと再生にPCが欠かせない装置となってきている。
PCとオーディをつなぐ伝送技術も進化し、USB伝送方式、ジッター、クロック、DDC、DACなど様々なデジタル技術が進化している。今後、日進月歩で急速にデジタル技術は進歩し、低価格化が進み音質も向上するだろう。
茶の間においても、地デジ移行によるデジタルテレビの普及を背景に、DVD・ブルーレイ、AVアンプ、サラウンド環境など、これまで一部のマニアが独占してきたデジタル装置の普及も進んでいる。
消費者はいずれ、デジタルオーディオが安くて高音質であること知るだろう。オーディオ業界は、高級アナログ路線だけで生き残っていけるのであろうか。
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