かつて、パソコンのサウンドカードと云えばクリエイティブのサウンドブラスターが定番。最初に買ったサウンドカードも、クリエイティブの「Sound Blaster Vibra16S CT2800」だ。今は懐かしきISAバスもの。スピーカーは忘れたがアンプ内蔵の安っぽいプラスチックのもので、音はチープで酷かった。
余りに安っぽい音に辟易していると、クリエイティブが渾身の新製品シリーズ「Sound Blaster Live!」を発売した。PCIバス対応でサウンドカードの新時代の到来を予感し迷わず「Live!Value」を購入。スピーカーもついでにクリエイティブの4.1CHスピーカー「PCWorks FourPointSurround」に買い換えた。4つの(小さな四角い)サテライトスピーカーにアンプ兼サブウーハーの4.1ch構成のサラウンドスピーカーだ。
小さな四つのスピーカーから驚くほどしっかりとした音が飛びだし部屋中に溢れ出し、サブウーハーは低音をドンドン鳴らした。期待通り音は激変!サラウンドも凄い!これはいける!PC音楽はありだ!そう思った。
しかし、MS-DOS時代のデファクトスタンダードであったサウンドブラスターも、Windows時代になると次々とライバル登場した。AUDIOTRAKやONKYOなどだ。素晴らしかった「LIVE!」もノイズには悩まされた。そこでAUDIOTRAKの「PRODGY7.1」に乗り換えてみた。しかし音質は「LIVE!」を上回ったがノイズは酷かった。
どうにかならないものかと悩んでいた時、'98年オーディオメーカーのONKYOがノイズを出さない独自技術の「VLSCR」を搭載した「SE-80PCI」を出した。俄然注目度が上がったが、かつてのヤマハのサウンドカードのようにいつの間にか消えていくのではないかとの不安もあり、手は出さないでいたが、'02年オンキョーはなんと24bit192kHzの光デジタル出力を備えた「SE-90PCI」を発売した。ノイズがなく高音質でしかも光デジタルで192kHzを出力する夢のようなサウンドカードだ。
迷わず飛びついた。ただし出力しかない90PCIではなく入力も可能な「SE-150PCI」だ。それはまさに衝撃だった。ほんとうにノイズがないのだ。ノイズまみれのパソコンから、まさに澄み切った美しい音が聴こえてくる。信じられないほどの高音質。PC音楽は間違いない!そう確信した。その後、サウンドカードは「SE-200PCI LTD」に乗り換えた。更にノイズが低下し音質も向上した。
ところで、アナログは良いのだが、せっかく光デジタル出力端子があり、24bit192kHzに対応しているのに、この光デジタルというものを試す環境がない。すでにCDは普及し、世はDVDの時代になり、DVD-AUDIOやSACDも発売されていた。高サンプリング、高音質、アナログからデジタルへ潮の流れは変わりつつあった。どうしても光デジタルと高サンプリングの音を聴いてみたくなり、デジタル入力端子があり高サンプリングも受けられるAVアンプの購入を決断した。
ソニーの24bit96KHz対応の5.1ch「TA-DB790」だ。CDだけでなくDVD-AUDIOやSACDも聴けるプレーヤーをユニバーサル・プレーヤーと呼ぶことをこの時知ったがマランツの「DV6400」、2ch用にJBLの4312M、サラウンド用にソニーの5.1chサラウンドシステム、こうして安価ながら本格的な5.1chサラウンドシステムを構築した。パソコンとAVアンプは「SE-150PCI」「SE-200PCI」の光出力から光ケーブルで接続。
アナログも良いのだが、デジタルでもオンキョーのサウンドカード「SE-200PCI」は、ほんとうにノイズがない! 高音から低音までフラットで色づけがなく、繊細で美しい音だ。
海外の高級オーディオカードも選択肢としてあったが、2万円ちょっとでこれだけの音がでれば十分満足だ。ソニーのAVアンプも、長時間音楽を聴いても疲れない柔らかい音で、驚くほど低音が出る。PCのPC音楽であることを忘れてしまう高音質だ。
PCからの音を、初めてまともなアンプにつないで聴いてみて、その音質の高さ、ノイズのなさ、美しさに正直愕然とした。もうこれで十分だ、何の不満もないと思わせてくれる音だ。これほどの高音質を家で聴けるなんて信じられないような気持ちであった。
さらにDVD-Audioの5.1chの音は圧巻だ。部屋中からシャワーのように音が降り注ぐ感じで、一度体験したら病みつきになる。DVD-Video(映画)も、SPDIF5.1chパススルーで見ると迫力と臨場感が全然違う。映画館のように音が右から左から後ろから飛んでくるので、もう2chには戻れない。
ただ、DVD-Audioは最高の音質でありながらマイナーなフォーマットで、パッケージも地方では入手困難。高サンプリングの音源がダウンロードできる時代になり、もう普及することはないと思うが、消え去るのはほんとうに残念だ。
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