ノイズフィルターとして使われるチョークコイルだが、その仕組みを調べてみた。
2つの電流モード
まず、電流の流れかたには、ノーマルモードとコモンモードの2通りの流れ方がある。
ノーマルモード電流は、回路電流の流れ方(往路の信号線、帰路のGND線)であり、ノーマルモードノイズは、この回路電流に重畳して流れるノイズ電流である。
コモンモード電流は、回路電流とは関係なく、浮遊ノイズなどが、上下同じ方向に入り込んでくるノイズである。
ノーマルモード電流
(チョーク)コイルは、交流電流対して、周波数が高くなるほどインピーダンス(誘導リアクタンス)が大きくなり=抵抗力が働き、流れにくくなる。
要するに、直流(低周波電流)は流し、高周波は流しにくい性質を持っている。
音声信号は低周波であり、ノイズはほぼ高周波なので、コイルを使えば、音声信号は通し、ノイズだけをカットするフィルターを作ることができる。
ノーマルモード用チョークコイルは、1線巻きのチョークコイルであり、上記のとおり、低周波は通し、高周波をカットする。電源回路に使えば、商用電源は50Hzや60Hzの低周波であり、高周波のノイズ成分のみをカットしてくれる。
差動信号線の場合に限りディファレンシャルモードという。
差動信号線の場合に限りディファレンシャルモードという。
コモンモード電流
コモンモード用チョークコイルは、2線巻きのチョークコイルで、コモンモードノイズに対しては、2線のリアクタンスが強め合う方向となり、ノイズは通さない。しかし、回路電流であるノーマルモード電流はそのまま通してくれる。
ノイズフィルター
除去したいノイズのモードの合わせて、チョークコイルのタイプを選択することになる。
ノーマルモードチョークコイルとコモンモードチョークコイルを両方組み合わせれば強力なノイズカットフィルターを作ることができる。
コイルの抵抗力であるインダクタンスは、①巻き線が作るコイルの断面積が大きいほど強く、②巻き線数が多いほど強く、③コアの透磁率が高いほど強い。要するにフィルターのノイズ除去能力はチョークコイルのインダクタンスの大きさに比例する。
さみず音響のファインメットコアのチョークコイルは、①②③とも通常のコイルを凌駕している。ファインメットの透磁率は非常に高くノイズフィルターには非常に適している。
日立金属の説明書より |
特に、これほど大きなファインメットコアを使ったチョークコイルは、さみず音響でしか手に入らず、その効果は絶大で、電源ラインにも余裕で使える。一度試してみて欲しい。
さみず音響
https://samizuacoustics.com/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%A1%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89/
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