2017年4月18日火曜日

ES9038PRO 音出し成功

やなさんのESS9038PRO DM DACの音出しにようやく成功した。

今回は、かなりハードルが高かった。

まず部品点数が多い。ICは方向を絶対に間違えずに、ランドのピンに上下左右ほんの数ミクロの違いもないよう完璧に配置して(ここが一番肝心、少しのずれも許さず完璧に合うまで何度でも繰り返す)、フラックスをたっぷり塗って半田付けしていく。

チップ抵抗、チップセラコンは、各値、容量のものがあちこちに分散していて、ランドの場所を探すのにかなり時間を要した。どれだけ探しても見当たらない場所もあり、何度も見直しようやくこんなところに!と言うことも度々あった。

数の少ない値・容量のものから順番に付けていき、いよいよ58個の0.1μ、28個の1μに取り掛かる。時間をかけて基板上の場所を探しひたすら半田付けをし、目がちょろちょろになりながらもなんとか最後の1個になったところで、衝撃的の事実が発覚!

なんと手元に0.1μが1個残り、基板上に0.1μのランドはもうない。代わりに1μのランドが1つ空いている。ああー、付け間違いだ!チップには文字も数字も書いてないので探しようがないと青ざめる。

それでも0.1μと1μのチップの色の僅かな違いを頼りに1個1個ルーペで確かめていく。ノートに番号を書き、確認済みを消していく。4分の3程進んだところでようやく付け間違えの1個を発見した。疲れた。これだけで1晩費やした。

部品を全て半田付けし終わり、最後の仕上げで、左右の差動アナログ出力4chの+、ーをそれぞれ1出力に纏めて、ライントランス1010に繋ぐ。結局+、-それぞれ8chの出力をすべて合成したので、出力電流は120mAにもなる。通常のオペアンプは使えないが、1010なら全く問題ないだろう。

このDACは電圧出力と電流出力の両方に対応しているとのことだが、どうやって切り替えるのかと思ったら、接続先のインピーダンスがローだと電流出力、ハイだと電圧出力となるらしい。9038は1CH当りの出力インピーダンスが202Ωで8CHすべてまとめると25Ωとかなり低くなる、1010のDCRは80Ωくらいだし、その先には真空管アンプがあり入力インピーダンスは100KΩだから、接続先の方がハイで電圧出力になるのだろう。

DDCと電源を繋ぎ、いざ、音出し!

・・・・ 全く音が出ない。

LCDが「I2C ERROR 1-W-2」及び「I2C ERROR R-R-2」を交互に繰り返し表示している。
マイコンとES9038PROとPCAL9539AとのI2C通信がうまくいっていないようだ。これがうまくいかないとMCLKがDACに入らず音がでないとのこと。この二つのICの半田付けをやり直す。

それでもエラーが消えない。音も出ない。オシロでI2S信号を追うと、9038の入力までは来ていることが確認できたので、やはりI2C通信関係だ。

制作マニュアルにある出力電圧のチェックをしてみると、右CHの2つのポイントで3.3Vが2.5Vとなっている。電圧が低くICが動作していないのかもしれない。そこで、関連のある電源ICの半田付けをやり直す。ついでに、全ての部品の半田付け状況を確認し半田の薄いところや怪しいところをやり直す。

これでどうだと電源を入れると、おお(感涙)音が出た!

相当慎重に半田付けしたのに、それでも問題個所があったということだ。内心、ICを壊したかもしれないと思っていたのでほっとした。まだまだ未熟と慢心を戒める。

しかし、音は出ていると言っても、左は綺麗な音だが右はザーというノイズまみれだ。
なんで右が?再度、半田付けの状況を確認するも問題個所は見当たらない。

そこで、右CHのあちこちを指で触ってみる。すると9038裏面GNDランドを指で強く推した時ノイズが消える。ピンセットを当ててもワニ口を当ててもノイズは消える。そのままワニ口を半田付けしようかと思ったが、ここが原因とは思えないので、再度他のGND回り調べる。

デジタル部と右アナログ部のベタGNDを繋ぐ一点架け橋のFB11に関係があるかもしれないと、取り付けてあったファインメットビーズを外し普通のフェライトビーズに代えてみると、

ビンゴ! なんとノイズが消えた!

しかし残念ながらモコモコという籠った音になり聴くに堪えない。

だが、ここに何か問題があることは間違いない。そこで、フェライトビーズも止めて半田ブリッジで直接繋いで見ると、なんとノイズが消えて綺麗な音が出てきたではないか。まさか、こんなところがノイズの原因だったとは!

何故この場所なのか?何故フェライトやファインメットビーズではダメなのかはよくわからないが、とにかく問題は解決した。

この間やなさんには何度も助けていただきました。ありがとうございました。

音出しに成功したので、やっと詳細な設定や音質の確認などに進める。


33 件のコメント:

  1. お疲れ様でした&音出し成功おめでとうございます。
    この基板からKiCadを使い始めましたので、今までの基板とは少し雰囲気が違うので、
    戸惑われたかと思います。
    部品数が多いので、私は1枚目が5時間半、2枚目で4時間かかりました。
    チップのハンダ付けは、同じ値で数の少ないモノを纏めてやっていくのが、早道です。
    コンデンサは、0.01uF/1uF/10uFはLDO電源IC周りです。
    最後にパスコンの0.1uFを付けると良いでしょう。
    抵抗も10KΩが最後にしましょう。

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    1. AK4497DMまでとは基板の雰囲気も、半田付けの感触も違うのでちょと戸惑いました。
      いろいろありがとうございました。

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  2. いやー、本当にお疲れさまでした!
    多分もうそろそろと思っていました^^
    やなさんファンですが今回は流石にスルーしましたです。
    もうあの高周波半田はとても手にする元気がなくなりましたw

    ところで1010にまさか120mA流せないでしょう?
    それとファインメットビーズがNGだったとは絶句!

    もう少しエージング済みました頃のレビューを期待します。
    やなさん、こんなところでこんXXは。

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    1. 1010は120mAなど楽勝と思っていたが140mAまでだったとは、ギリギリでした。
      ファインメットビーズは左は問題ありませんが、右がだめなので不思議なのです。
      もう少しいろいろやってみます。

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  3. グランパさん、
    「ところで1010にまさか120mA流せないでしょう?」
    との疑問にお答えします、140mAまで流せます、ご参考に。
    お役に立てましたら幸いです。

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    1. 140mAまででしたか!ギリギリでしたね。まあ、問題なく綺麗な音が出ているので。

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    2. 世の中、IVとしてこれだけ流せるトランスはそう無いと聞いております。
      いつかもっとすごいのを???

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    3. さみず音響のてらもとさんですね、初めまして。
      そうでしょうね驚きです。まあ10mAぐらいと思ってはいましたが凄いです!

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    4. 石川県でも音の良さ 1010で確認しています!  http://okamoto1.exblog.jp/  

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    5. 岡本さんはやなさん直ですからね!

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  4. 音沙汰ないと思っていたら、凄い格闘していたのですね。音のレポートが聴きたいですが、きっと素晴らしいのでしょうね。お疲れさまでした。はんだ付けの技術も凄いですが、これを設計されたやなさんも素晴らしいです。

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    1. 実はまだまだ格闘が続いてまして、、、

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  5. 気がついたのですが、以前9018の時に4入力のIVトランスを作りました。
    各出力をそれぞれ別に入れ、磁気合成したら・・・・・・やっぱり、全くにじみの内9018で最高の音質で楽しめました、では、9038専用の1010作ろうかと考えております。作動x4入力、磁気合成!こいつは大化けしますぜ、、、気が狂いたい方おられましたら一緒しませんか?

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    1. うわっ!あれを9038でやるのですか!1010の4個使いですね!狂いたい人結構いると思いますよ!ついでに電源トランスもファインメットコアで!

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    2. 1010を4個使うのではなくて、1個の1010の一次側入力を4回路で作るということです。
      試してみますか?
      これは本当ハマります。間違え無くね‼️

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    3. それで磁気合成と言いました、一次側4回路:二次側1回路ということです。
      だから予算は適価で、再生オンは別次元!
      これで理解いただけますか。

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    4. そりゃ経済的!是非お願いします!

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    5. わかりました、では試作機の製作準備いたします。
      知りませんぜ、旦那さん!
      予価は原稿1010より少しだけ割り増しでいけると思います。

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    6. 恐ろしい会話が水面下で進んでいます。ぜひ仲間に入れてください。

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    7. H Imadaさん
      9038用4パラ出力を完璧に磁気合成するIVステージです。
      全く滲み、濁りのない、世界一の9038に化けます!

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    8. 基板の100MHzを外してデュカロンを入れると更に恐ろしいことに!

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    9. なんでこんなに進歩が速いのですか!落ち着いて音楽を聴く暇がないですよ~早く聴きたい~

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    10. Teramotoさん、
      私ものせて下さい。DACはやなさんの基板ではありませんがDual Mono構成で、デュカロンもつなげます
      (やなさん基板は9038の半田付けに自信がないので今回はパスしました)。

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    11. sotaroさん、
      注意点は9038の出力が各CH 4出力が必須条件です。バランス・アンバランスどちらも受けられます。できた時はこのブログで発表されることと思います。
      デュカロンの電源は相当こってりとね、プアな電源ですとせっかくのデュカロンも本ライの性能(音質)が出ないままの方をよく見かけますので。

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    12. Hajime Imadaさん、
      それぞれの異なった持分を出し合うと、スピードアップします。いや、ヒートアップかな。狂った者同士ブレーキがありません。
      なので自分の目標以外は無視が一番!
      ゆっくり行きましょう。
      PS: 電線が来まして今製作中、近々発射します。

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  6. マイペース2017年4月21日 13:44

    asoyajiさん

    こんにちは。苦労されたようですが無事にES9038PROの完成おめでとうございます。

    この記事に助けられて私のAK4497DMもトラブルが解消できました。
    私も同じ現象で悩んでいました。問題ないときもありますが、時おり左チャンネルから”ザー”という雑音が・・・・DCA付近を押してみると直ったり、直らなかったり。スイッチを入れなおすと”ERROR L-W 2”とあります。
    やなさんのマニュアルを見るとはんだ不良か電源があやしいとのことでこの一週間格闘していました。
    そこにasoyajiさんのこの記事が・・・・そうなんですまったく同じ現象です。早速フェライトビーズを取りはんだブリッジにしましたら・・・・解決しました。雑音はなくなり、ERRORも出ません。いまだに原因は??ですが(笑

    貴重なトラブルシューティングを載せて頂きありがとうございました、この記事がなければ解決できなかったかもしれませんm(_ _)m

    次はES9038PROなんでしょうが、当面AK4497DMで楽しんでからにしようと思っています。

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    1. マイペースさん

      そうでしたか。AK4497でこの現象が発生したのですか。これまでAK4497DMでは一度もこの現象は起きませんでした。

      デジタル部とアナログ部のベタアースを繋ぐ際には、基本的にファインメットビーズを使ってきましたが、こんなことは初めてです。

      GFNDの処理に問題があるのかもしれませんが、原因は不明です。

      いずれにしても解決できた良かったですね!

      AK4497は素晴らしい音ですよ!

      人ぞれぞれの好みですが、私はAK4497の方が好きです。

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  7. 近況報告です。
    連休ちょくぜんですが、予定のIVトランスの層間紙を漉く段取り中です。
    もちろん越前某職人さんにお願いしました。
    前回の残数があれば速攻送ってもらうようにお願いしてあります。
    着々と進行しております。

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    1. 層間紙が越前和紙ですから凄いですね!
      楽しみにしています!

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    2. 洋紙とは異なる、別次元の世界です、もちろん音も、空間表現がすごい。

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  8. ノイズの原因らしき物が判りました。
    SPDIF増幅用のインバータにバッファ付きのLVC04が使用されています。アンプ用途にはアンバッファタイプのLVCU04、VHCU04等を使用しないとかなりの貫通電流が流れます。実際VHC04は相当発熱していました。
    この電流のおかげで、グランドラインのフェライトビーズの内部抵抗が無視出来なくなり、ノイズ源となっている様です。
    試しにフィードバック抵抗R2(47k)を外すと、ノイズが収まりました。

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    1. 匿名さん
      貴重な情報をありがとうございました。
      R2を外すと確かにノイズが取れました。驚きです。
      これでまたこの基板への意欲が湧いてきました。

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