プリアンプとは何だろう?その主な機能を列記してみた。
①電圧増幅機能:レコードは、音声信号が刻まれた溝の上を針が振動しながらトレースし、この振動を電気信号に変換する。この信号が非常に微弱なために、信号を増幅するアンプ(プリアンプ)が必須である。プリアンプの本来の役割はこの電圧増幅であある。
②フォノイコライザー:レコードは、低域を減衰させ高域を強調して記録されているので、再生時には逆にそれを戻す必要がある。それがフォノイコライザーで、レコードを聴くには必須の機能であり、独立機器もあるが、通常プリアンプに搭載される。
③ボリューム:オーディオシステム全体の音量調節は、プリアンプにおいて、その入力信号の電圧を上下させるのが一般的である。
④セレクター:入力機器のセレクター。
①②はレコード再生には必要な機能であるが、デジタル再生においては、上流からの出力電圧が高いので①は必須ではなく、②のフォノイコライザーは不要である。
デジタル時代の電圧増幅機能
①電圧増幅について、デジタル時代の上流の出力電圧は十分に高いので、レコード時代のように大きく増幅率を上げると逆にゲインが高くなりすぎて、ボリュームを1/3も上げられないといった弊害が生じることがある。
これを避けるために、プリアンプの出力段には抵抗でアッテネーターを組みゲインを下げる仕組みが入っているが、明らかに無駄である。
デジタル音源を再生するには、①電圧増幅はなくても全く問題なく、あっても1~3倍程度で十分だ。
トランスの電圧増幅機能
電圧を増幅するデバイスとして、真空管、トランジスタが最もよく使われるが、トランスにも電圧増幅機能がある。トランスは真空管やトランジスタと違い、電源や周辺回路が不要で、トランス一発で電圧増幅が可能である。
トランスは、1次巻き線と2次巻き線の比がそのまま増幅率となる。例えば、巻き線比が1:2であれば電圧は2倍に増幅される。ただし、巻き線比を大きくするとインピーダンスも巻き線比の2条に比例して増加するので、せいぜい1~3倍程度が良いと思われる。
デジタル時代のプリアンプ=TVC
デジタル時代にふさわしい電圧増幅器こそファインメットコアのトランスであり、このトランスとロータリースイッチを組み合わせたものがTVCだ。
冒頭の写真は、TVC(=トランス・ボリューム・コントローラー)に使うトランス達で、4つとも「さみず音響」寺本氏製造の特注トランス(ファインメットコア)である。
上の二つは「オートトランス」で、ライントランスからの信号を受けて、セイデンのロータリースイッチと組み合わせてトランスの巻き線比を変えることで信号の音量を変化させる(=ボリューム)。
オートトランスからは27本の中間線の端子が出ている。両端が全開で、これをセイデンのロータリースイッチで1つづつ切り替えることにより巻き線比を変更し音量をコントロールする。
通常の抵抗を使ったアッテネーターやボリュームとは異なり、1本の抵抗も使っていない。あくまでもトランスの巻き線比を変えることで信号電圧を変化させる。
更にノイズを吸収する特性も持つファインメットのコアを使うことで、上流からの信号を極力劣化させずパワーアンプへ繋ぐ。
下の二つはライントランス「TLT-1595wwjj」で、巻き線比が1:2.5と入力電圧が2.5倍になり、ちょうど良いプリアンプとなる。
プリアンプの最後の機能が入力信号のセレクターだ。これもセイデンのロータリースイッチを使う。
最高の音質の為に
レコード再生用に作られた従来型のプリアンプには、電源、様々な回路、抵抗やコンデンサやICなどのデバイスが信号線に対して直列で繋がれており、音声劣化の大きな要因になる。
それに比べて「TVC」は、一切の回路、デバイス、電源さえも使わない究極のデバイスである。ファインメットコアのライントランス一発でゲインを稼ぎ、ファインメットコアのオートトランスでボリュームをコントロールする「TVC」は、音質的に最も望ましく、劣化のない鮮度の高い信号がアンプへと送り込まれる。
TVCは、正にデジタル時代のプリアンプなのである。
ASOYAJIオーディオでは、従来型のプリアンプではなく、TVCを新しいデジタル時代のプリアンプとしてお勧めします。
ASOYAJIオーディオでは、「さみず音響」寺本氏と協力しTVCを製造販売していきます。
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