構成は以上で決まりだ。
1.機器の選定
機器のグレード
いずれの機器も技術が進み「小さく安価なであっても」機能的には十分すぎるものを持っているので、通常グレードの安価なもので十分。できる限り5Vモバイルバッテリーで駆動できるものを選ぶ。
ネットワーク
ネットワークは、インターネットには繋がない音楽専用のネットワークとする。家庭のホームネットワークが、192.168.0なら192.168.2を使う。機器同士をHUBもしくはWIFIで繋ぎ、ルーターで同じネットワーク(192.168.2)のIPアドレス(1~255)を付与する。
ルーター
ルーターは、エレコムの小さなルーター「WRH-583YL2-S」(バッテリー駆動)で十分。安いうえに無線(WIFI)も付いているので、タブレットやスマホも使える。
HUB
電源内蔵タイプのHUBの電源は、ほぼスイッチング電源なので、ACアダプター入力(=DC5V入力タイプ)のものを選ぶ。使用時、ACアダプタは使わず変換ケーブルなどを使ってモバイルバッテリー5Vを入力する。
また、浮遊ノイズから保護するために、プラスティックではなくメタル筐体のものを選ぶ。
しかし、有名メーカーの製品はほぼ、ACアダプター(DC入力タイプ)の筐体はプラスティックで、電源内蔵タイプの筐体がメタルだ。直流入力でメタル筐体の製品は見当たらないので、ACアダプター(DC入力タイプ)でプラスチック筐体を選ぶしかないようだが、電源内蔵タイプでメタル筐体のものを選び、簡単な改造(中のスイッチング電源基板を取り外して、代わりにモバイルバッテリー5Vを基板に入力する)で、DC入力かつメタル筐体とすることができる。
改造はこちらを参考に。
http://asoyaji.blogspot.jp/2018/02/blog-post_18.html
http://asoyaji.blogspot.jp/2018/03/blog-post_24.html
RendererPC
ミニPCは、Windows10がインストール済みで5Vバッテリー駆動のものを探す。これも余計なアプリや設定は徹底的に削除・停止して音楽専用にするので、元々余計な機能の付いていないシンプルなものがいい。
MediaServerPC
これは上記と同じPCでOKだが、RaspberryPiでも十分にOKだ。
http://asoyaji.blogspot.jp/2018/03/raspberrypinasnew.html
もちろん、QnapなどNASにMinimserverなどをインストールする方が簡単だ。
レンダラーやメディアサーバーは、電源を入れたら一切操作しない(ディスプレイもキーボードもマウスも接続しない)縁の下の力持ち=黒子になる。
有線で繋がったPCを使ってもいいが、やはりWIFIで繋がったタブレット、iPad、スマホ、モバイルPCがお奨めだ。
2.ソフトウエア
ContolPoint
コントロールポイントの画面には、メディアサーバーとレンダラーが表示される。メディアサーバーから楽曲を選択しレンダラーに再生指示をうると、楽曲が再生される。
LINNのKAZOOやKINSKY、AudionetRCPなど、自分の使いやすいものを選ぶ。
ただし、KAZOOはOpenHomeに対応したものしか表示しないので注意。
Renderer
JPLAYはインストールするだけ(シングル)でRendereになる。超簡単。
Foobar2000は、下記のUPNPコンポーネントを使ってRendereにする。
http://www.foobar2000.org/components/view/foo_upnp
MediaServer
PCにUSB-HDDを繋ぎNASにしたもの。市販のNASに、MediaServerソフトをインストールすることでMediaServerとなる。MinimServerが使いやすい。
なおJPLAYはトランスコードを持たないので、メディアサーバーでトランスコードする。
機器が小型化し省エネ対応となり、モバイルバッテリー駆動が可能になった。特にPCは、ついこの間までバカでかいATX電源を使っていた訳で隔世の感がある。
バッテリー化により電源由来のノイズは解消され、ノイズレベルが格段に下がる。SNが上がり見通しが非常に良くなって音の一粒一粒が浮き上がってくる。綺麗な音だが力がないとか高域はいいが低域が今一つなどといた音質面でのマイナスは全くなく、むしろ力強く低域も素晴らしい。
従来の電池や鉛蓄電池などを使わなくとも、モバイルバッテリーが安全かつ手軽に使えるようになってきたことも大きい。
PCオーディオは、機器の小型化とモバイルバッテリー技術の進化の恩恵を最も大きく受けることのできる分野だ。この幸運を使わない手はない。