AK4497とES9038、どちらも現在の最先端のDACチップだ。当然、どちらが音がいいのか、誰もが関心のあるところだろう。
これまで、AK4497にはデュカロンを入れ最高の音を聴いてきたが、ES9038にまで手が回らずデュカロンなしのままだった。今回、バッテリー化の改造と合わせてようやくデュカロンを入れた。
これでようやく2者の比較ができるようになった。
AK4497
AsoyajiAudioの最高峰のデュカロン版AsoyajiDACだ。バッテリー駆動用の基板も取り付けてある。専用ケース(試作機)。
ES9038
既存のタカチケースから商用電源を取り除きバッテリー基板とデュカロンを取り付けた。
デュカロンはDDCに入力し、このクロック信号でI2Sをリクロック(同期)、更にこれをMCLKとしてES9038に入力。受けるESS9038もMCLK逓倍の同期モードにする。ジッター除去回路とDPLL回路は使わず、ジッタークリーナーも使わない(デュカロンより精度が落ちるため)。
ESSのDACチップは、MCLK不要で、I2S信号のBCLKもしくはLCLKを逓倍して内部でMCLKを生成する非同期モードがあるので便利だったが、この方式は基板上の水晶発振器の精度が低いと音質向上は望めない。
さて、音出し比較。
どちらもデュカロンを入れると、明かに音が変わる。言葉では説明しきれない極上の音だ。いわゆる自然な音=ほんとうにそこで演奏し歌っているように感じるという意味。どちらもほんとうに素晴らしい。やはりこれはデュカロンの効果だ。
さて、違いは?
どちらも甲乙つけ難い極上の音だった。以前の両社の音は、AK4497が温かみのある艶のある音で、ES9038が透明で綺麗で少し引いた感じの音と、正反対のような音であったが、今回の比較では、大きな違いはなないように感じた。ここまでくると好みの問題かな。
それでも良く聴き込むと、両社の違いはある。それは従来の傾向に近い感じだ。
AK4497の方は、温かみがあり、艶があり、惹きつけられる音、前に出てくる音で深みのある音。音楽が楽しいのはこっち。(意外なことに)解像度もこちらのほうが高く感じる。また、音の生々しさ臨場感がこっちが上だ。
ESS9038の方は、落ち着いた音、綺麗な音、正確な音、クラシックを聴くにはいいかも。
デュカロンを入れると断然良くなる。これは意外だった。これもありかな。
*注意:これはあくまでも当方のシステムでの音の比較であり私の個人的な感想です。