2017年2月24日金曜日

STPケーブル

LANケーブルには、STP(Shielded Twist Pair)と UTP(Unshielded Twisted Pair)がある。

これまでシールドのされたLANケーブルはあまり見かけなかったが、最近のCAT7のケーブルを見るとSTPケーブルだ。コネクタの部分(または一部)が金属になっており、コネクタを通してシールド線も機器同士で繋がれる。

CAT7は10Gbps伝送が可能なケーブルで、クロストークやノイズを抑えるために、中のツイスペアケーブルにシールドがされ、更に、ケーブル全体にもシールドがされている。いいことづくめで是非とも使ってみたいと思うが、

実は、このシールドがノイズの発生源となるのである。

というのは、ケーブルのシールドは、コネクタを通して各機器に設けられた接地点を通して、ケーブル内に発生した電位差によるノイズや浮遊ノイズ電流を、外部に逃がす為にある。よって当然に、シールドケーブルによって接続される機器側(スイッチやPCやNASのLANアダプター等)もアースに接地されている必要があるのだ。

しかし、機器側で接地対策が施されていないと、行き場を失ったノイズ電流が信号線に入り込みノイズとなって表れるという本末転倒な話となる。

要するに、CAT7のケーブルを使うなら、外部接地のついた機器は必須で、外部接地のない機器は、繋いではいけないのである。逆に言えば、外部接地のない機器を使うならCAT7等のSTPケーブルを使ってはいけないということになる。

とは言っても、通常、家庭では、CAT6やUTPケーブルや接地点のないスイッチを使ってもノイズはほとんど感じない。むしろ一部にCAT7やSTPケーブルを使うとノイズが出てくるので、使わないようにした方がいい。

ただし、先日ご紹介した日本テレガートナーのスイッチ(接地点あり)やケーブル(CAT7,STP)を使うと随分と音質が良くなるので、これを使う場合は、このスイッチ一つに全てのネットワークを繋ぎ、余計な機器は繋がず、スイッチの接地点を大地アースに繋げば良い。どうしても大きなノイズが発生するPCなどを繋がなければならない場合は、それだけUTPケーブルで繋げばノイズは遮断される。

というわけで、我が家ではCAT7のケーブルは使わないようにするか、コネクタとシールドを切断して使うことにした。

7 件のコメント:

  1. asoyajiさん

    おはようございます。
    分かりやすいご説明ありがとうございます。
    となると、私も何本かCAT7が混ざっております(汗
    本来、PCなどのケーブルにアース線がついていますよね、つなげてませんが・・・。
    CAT7のケーブルをその他のケーブルに変えてみます。

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    1. Mfuさん
      私のように何でも新しいものに飛びつけば良いというものではないということですね。
      今回のCAT7は勉強になりました。

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  2. こんにちは、

    M12 Switchに始まりとても有益な情報感謝します。
    まさかLANケーブルで音のクオリティが変わるなんて今まで思いもしませんでした。
    そこらに転がってるCAT5/6でしたが徐々にではありますがMFP8LANケーブルを目標にしたいです。

    人気の?FX-05MiniやらLinksysなどあちこちで使って来ましたが見直しします。
    3階から一応アースをとってありますが単なる安全アースでしかないでしょう;汗

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    1. グランパさん
      M12 Switchは素晴らしいですが、如何せんケーブルが硬すぎます。日本テレガートナーさんもその点は十分に認識しておられ対策を検討されています。ケーブル買うならもう少し待った方がいいかもしれません。

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  3. 大地アースが完璧かというとそうでもないらしく、気象によって大地の電位も変動するのだそうです。0だと思い込まない方がいいようです。

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  4. すっかりご無沙汰しております。
    最近はネットワークオーディオにどっぷり浸かっておられるのですね。
    CAT7ケーブルにまで言及される極めっぷりはさすがasoyaji様です。

    新しい玩具を造ったので、2年ぶりに記事UPしました。
    zx900a.blogspot.jp
    ご期待ください。

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    1. FPGAでフルーエンシー補完を実現したとは凄いですね。早く、FN1242A以外のDACチップでフルーエンシー補完の音を聴いてみたいです!

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