2015年11月15日日曜日

真空管に挑戦 プリアンプ1

12AU7を使ったプリアンプ

Watzのプリアンプがとてもいい音だったので、部品などを総入れ替えして作り直したものが更にいい音になった。デジタルだけでも解像度も高く美しい音がだせるのだが、真空管が入ると、圧倒的に音に色と艶と厚みが付く。そこで、真空管に真剣に取り組んでみることにした。

最初に電圧増幅回路の設計だ。

まず最初に、真空管を選ばないと始まらない。そこで、Watzで使った12AU7を使ってみることにした。

12AU7のメーカーの推奨値は以下のとおり
                    データシート  実測
Eh ヒーター電圧         6.3V×0.3A  
Eb 電源電圧(プレート電圧)  250V       110V
Eg バイアス            -8.5V       -4.0V
Rk カソードバイアス抵抗    ―         ―
Ib プレート電流          10.5mA      3mA
gm 相互コンダクタンス     2.2         1.85
rp 内部抵抗            7.7KΩ       10KΩ
μ 増幅率             17         18.5

*実測は「情熱の真空管アンプ」(木村哲)の巻末データより


12AU7のEp-Ip特性(プレート特性) *GEのデータシートより


メーカーの推奨値を使えば簡単に設計できるそうだが、電源電圧が250Vでプレート電流が10.5mAとかなり大きい。Watzの回路だとプレート電圧はもっと小さい感じがする。よくわからないので、特性図を使って自分で回路を設計してみることにする。
Ebb(電源電圧)
Rp(負荷抵抗) プレートに電圧を与える。負荷抵抗と電源電圧でロードラインを引き動作点を決める。
Rk(カソード抵抗) カソードに電圧を発生させる。自己バイアス方式の時、グリッド電圧は0Vなので、カソード電圧に対し、相対的にグリッド電圧が同じ値マイナスとなる。
Rg(グリッドリーク抵抗) 自己バイアス方式で、グリッドの電位を0Vにするためにグリッドをアースに接続するためのもの。


まず最初に電源電圧を300Vに決める。
プレート負荷抵抗を100KΩとする。
この時の最大プレート電流は 300V÷100KΩ=3mA
プレート特性図に、このロードラインを書き込む。
バイアス電圧を-4Vに決める。
これで動作点のプレート電圧は95V、プレート電流は2mAとなる。
この時、カソード電圧を4Vにするためのカソード抵抗は、-4V÷2mA=2kΩ



この増幅回路の入力インピーダンスはグリッドリーク抵抗の値そのものになる。グリッドリーク抵抗が小さいと入力に電流が流れてしまうので、大きくしなければならない。しかし大きすぎると、プレートからグリッドに電流が流れバイアスが不安定になり、真空管が熱暴走してしまうらしい。
そこで、データシートの最大値1MΩの半分の500KΩとする。
なお、直流域では、負荷抵抗は100KΩであるが、交流域での負荷抵抗は、100kΩと500kΩのパラ抵抗値で83kΩとなる。
次段のグリッドリーク抵抗は、直流と交流の負荷抵抗値が大きく違わないように設定する。
ゲインの計算をするため、交流のロードラインを引く
Ep=95V+(2mA×82.5KΩ)=260V
Ip=260V÷82.5V=3.15mA
入力信号がバイアスを中心に±2V振れたとすると、出力電圧は67V~121Vで54V振れる。
よってゲインは 54÷4=13.5倍となる



これで、とりあえず初段が完成!次は、次段だ。ただし、先に次段を設計してから初段を設計しないと初段の値が決まらないようだ。次段が決まったら初段はやり直すことにする。

ところで、Watzの回路を見ると、グリッドリーク抵抗がない。その代わりに100KΩのボリュームが入っているがこれがグリッドリーク抵抗の代わりなのだろうか。