この1年は、徹底的にDSDにのめり込んできた1年だった。
2011年6月のこの記事当たりがDSDに関心を持ち始めた最初だ。SACDプレーヤーからHDMIでデジタル出力(PCM)して音を聴こうといったことを話題にしていた。
http://asoyaji.blogspot.jp/2011/06/sacd.html
すでにDSDを再生出来るDACはあったと思うが、そもそもDSDの音源が皆無だった。そこで、SACDプレーヤーからなんとかDSD信号をデジタルのまま取り出そうという技術系の猛者達もいた。
それが、どうだ。わずか1年足らずで、DSDの音源は、リッピング、ネット配信、PCM→DSD変換など、驚くほど増加し、DSD-DACすら製品化されている。
DoPが規格化され、PCからUSB経由でDSDネイティブを再生出来るようになった。
PCMの音
PCMの音は、力強く張りのある音がパワー全開で風船の表面に張り付いているような音で、一聴では誰もがPCMの方が良い音だと思うだろう。
しかし、PCMの音は、ボリュームを上げていき風船の表面が膨張し拡大されると、次第にその荒さが見えてきて、歪みが出たり粗さが出たり聴き苦しくなっていく。
DSDの音
一方、DSDは、何もない空間から音が放射状にスーと伸びてきて空間に広がる感じで、ボリュームを上げても全く破綻するところがなく、ますます解像度が上がり、前後の空間感や見晴らしがよくなり、聴き疲れのしない気持ちの良い音が鳴る。
両者の違いは明確だ。
しかし、小さいボリュームや狭い部屋では、その違いが感じられず、むしろPCMの方が良い音だと感じることもある。
大音量の出せるオーディオ装置や広い部屋では、PCMが音量を上げても破綻せずまた苦しくならず素晴らしい音のまま鳴り続けている場合もある。
解像度の低いオーディオ装置ではDSDの解像度の緻密さを表現できず、違いを実感できない場合もある。
また、最近のCDはかなり音質や録音状態が良いものがある。古い音源をDSDにしたものなどで、DSDにした意味がわからないものなどもある。
このように装置や部屋や音源などよってはDSDの違いを明確に感じられないこともある。
我が家でもある程度ボリュームを上げないとDSDの良さは湧き上がってこない。ボリュームを上げると、空間感や奥行き感が増し、空間の隅々まで音が見渡せるようになっていく。なんといっても大音量なのに聴き疲れがまったくないので、いつまでも音楽に聴き入ってしまう。
でも小さい音だとPCMも悪くない、というか、かなり良い。
PCMとDSD戦争の行方は、そろそろ終着が見えてきた。それは、エレアトさんのPCM2DSD256基盤だ。これが入手できたら、しばらくは、じっくり音楽を聴く日々を過ごしたい。
はじめまして、
返信削除Cyclone IIIベースのPCM2DSD256基盤で良質なDSD256の音が出てくればPCM領域でデジタルチャンデバを咬まして、そのデジタル出力をDSD256変換しDAC→アンプ→SPと入れてSPのネットワークを追放できますよね。更にDACを無くしLPFのみに出来るようになれば、そこいらあたりが終着駅ではないでしょうか。もう少しで楽になれることを夢見ています。
tetuさん
返信削除田力さん、相当入れ込んでるようなので、かなり期待できると思っています。楽しみですね。
次の段階は、DACとフィルターの勝負でしょう。
DSD再生に特化したDACやフィルターが出てきてまたまた楽しめるんじゃないかと思っています。
Bunpeiです。
返信削除ElectrArtさんのPCM->DSD256変換基板は配布版への目処が立ってきたみたいですね。それよりもすごいのはDAC部分の力の入れかた。まだ未完成だから音質比較は出来ないのでそれはさておき、性能的にはPlayback Designsのものを上回っている。
ところでDSD信号をアナログ化する時にディジタルノイズを完全に取り切るのはなかなか一筋縄ではいかないようですね。
エレアト版はCyclone III版と言うことで音質に期待していたのですが、又Xilinxに後退したようで、可成り私はがっかりしています。オーバースペックなどと言うことはなくそれ相応の進歩だと思っていたのですが。
削除DACチップなしでやるのは可成り難しいみたいですね。やっぱり9018のような高性能チップを使うのは意味があるみたい。
Bunpeiさん
返信削除もう変換基盤は出来上がっているようですね。Cyclone IIIかXilinxの違いは私にはわかりませんが、コスト的に仕方のない選択のようですね。
FIRの部分、力入ってますね!これが十分にチューニングされたらほんとうにDAC不要になりますね。DSD専用のFIRですから、PCM兼用のDACより良いかもしれません。
でもtetuさんの仰る通りなかなか難しいようですが、DACチップの製作者はこれをこなしてきているんですから、今後の試行錯誤でなんとかなるのでは。
まあDACチップ使う方が今はてっとり早いですが。
頒布時期と価格が気になります。