2020年4月4日土曜日

差動と平衡

さて、オーディオには、信号に「差動とシングルエンド」、信号の伝送方式に「平衡(バランス)とアンバランス」があります。

アナログ音声信号は通常+信号(シングルエンド)です。差動信号は、+信号と+信号を上下に反転させた-信号の2つの信号からなります。

バランスとアンバランスは、信号の伝送方式の事で、差動信号の+と-を伝送する方式をバランス伝送と言います。アンバランス伝送は、+信号(シングルエンド)のみを伝送します。

バランス伝送は、+信号と-信号の差動信号を送るので外部からノイズが侵入してきても、信号が+と-の上下に分かれているので、ノイズが+と-で相殺され消えてしまいます。長くケーブルを引き回すプロの現場で使われるプロ用機材に使われています。

一方、コンシューマー用オーディオ機器においては、せいぜい1~2m程度の引き回しであればほぼノイズの侵入がないのでシングルエンドで十分です。

よくバランスの方が良い音がすると聞きますが、-信号は、+信号をICで反転させたもので、上下が逆なだけで全く同じ信号であり、全く同じ音でバランスの方が音が良いということはありません。

それでも音が違うというのであれば、それは試聴しているバランスケーブルとアンバランスケーブルに起因する音質の違いと言わざるを得ません。

また、バランス伝送を入力できるアンプについても、一般的なアンプはほぼシングルエンドアンプです。バランスで伝送しても入力端子で-信号をGNDに落としていて、そこから先はシングルエンドなのです。差動アンプであれば、バランス伝送された差動信号はそのまま+と-で増幅されます。こうしたアンプの違いも音質の違いとなります。






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